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節分胎教 #毎週ショートショートnote
『今年の節分で大きな話題となっているのが「節分胎教」です。妊婦さんのお腹に豆を一個のせて……』
「ねえ、ママ。今TVで言ってる節分胎教って知ってる?」
カズキは妻に訊く。大きくなったお腹を優しくなでながら妻は
「知ってるわよ。妊婦さんは全員やるって。役所からもらった福豆をお腹の上に一個のせて『福は~うち』ってやるの」
「なにか意味があるの?」
「お腹の子に福がくるようにっていう意味じゃない?」
「じゃあ一個じゃなくて、何個も置いた方がいっぱい福が来そうだけど」
「そうねぇ。でも一個って言ってた」
「胎教なら音楽聴かせるとかのほうがいいと思うけどなあ」
「あれ? 三個ものせてるじゃん」
「へへー、やっぱり福は多い方が」
「ほら『福は~うち』」
「鬼は~そと」
「俺に投げるなよ、鬼役はこの子が生まれてからだよ」
そして…
「おめでとうございます。三つ子ちゃんですよ」
政府が進める親心理を巧妙に利用した『極秘少子化対策』は順調に成果をあげていく。
完410文字
Sweet Baby James James Taylor
たらはかにさんの毎週ショートショートの企画、今週のお題「節分胎教」に参加させていただきました。
出遅れると、どんどん書くのが苦しくなるねぇ。皆さんの作品を読んで笑ったり、グッときたり、凄いなあと思ってたらネタの方向性が頭にないことをすっかり忘れてしまいます。まあそれも含めて毎ショの楽しさではあります。
現在私は2つの作品を進行中です。
超抱腹絶倒シリーズ現在第20回まで掲載中です。Nakamura Emiさんの曲をエンディング曲に毎回フィーチャーしております。全編を通して尿漏れもフィーチャーされております。
で、真面目な文学的なや~つ。
私の実体験をもとに空白の半年間の物語を現在書いています。
私が若き日に敬愛したサリンジャーの『The catcher in the rye 』のオマージュ作品にもなっています。
全く趣が違うものを進行させていますので、お暇な時に覗いてやってくださいませ。