まあ、ちょっと荷物は置いといて 追悼ロビー・ロバートソン
今朝(8/12)知ったのだが、The Band のロビー・ロバートソンさんが亡くなったとのこと。80歳だったそうだ。
アメリカの60年代から70年代にかけてのロックが好きな人は必ず聴いているであろう『The Band』
ボブ・ディランのバックバンドとしても名を馳せ、1976年の『The Last Waltz』に至るまでギタリスト、ソングライターとして活躍したのが彼である。
私は60年代のディランとのツアー時代は、さすがにまだ小学生だったのでリアルタイムで彼らの音源は聞いてない。1972年の『Rock Of Ages』あたりから聴いて、あの名盤『Music From Big Pink』に遡ったと記憶している。
ロビー・ロバートソンはメンバーとの対立からバンドを脱退し、のちに1980年代に『The Band』は再結成をして来日公演もしたけれど、彼の姿はそこにはなかった。
最初に掲載したのは『The Band』の曲で『The Weight』の一節だ。
ロビーの作品である。
この曲は日本人にとってはとても歌詞が難解で(キリスト教文化や聖書、アメリカ南部の土地勘が無い人にとって)そのまま聞いたら「なんのこっちゃ?」となってしまう曲だと思うのだけれど、現在はネットで色々と調べられるからお若いリスナーの方も入りやすいかもしれない。
細かい歌詞の訳もネットで紹介されているから興味のある方はお読み頂きたい。
私はこの曲を、大まかに言うとだけれど「真面目に、いい人を装って、堅苦しく、すべてを背負って(キリストのように)生きていく必要なんかないよ」ということなんじゃないのかなと解釈している。
前述の歌詞を意訳すると
まあ、座れよ、ファニー
座るのはタダだよ
背負いこんだものを降ろせよ
俺んとこへ置いておけよ
というような感じだと思う(もちろん別の訳もできるのだが)
自由に生きればいいとは言っても、制約はたくさんある。考え方も思想も様々だ。もともと違う価値観を持っている人々が集まり街や国という縛りの中で暮らし生きている。それを一方の考えを押し付けたり、矯正までしようというのは果たして正しいことなのか。
正しいということすら多数の意見により決められたことに過ぎない。
当然に私は正解など持っていない。
だから戦争には反対するが、片方だけが悪いという風には思わない。勉強不足だと叱られても。
『The Weight』は映画『イージー・ライダー』の挿入歌として使われた。映画ではこの曲が流れ、ワイアット(ピーター・フォンダ)とビリー(デニス・ホッパー)ジョージ(ジャック・ニコルソン)の3人がハーレーにまたがりひたすら走る。(確かセリフもなかった)
ミュージカル映画は別として、音楽が音楽として映像と共にシーンを作ったのはハリウッド映画では初めてだとされている。
この映画はアメリカの当時の表に出したくない部分がたくさん表現されている。人種差別、ドラッグ、酒、自由と排他的思想、銃社会などなど。
たくさんの問題を抱え生きていくのが人間なのかもしれない。
逃げる事よりも問題を解決することを選択すべきなのだろう。
間違いは正す。必要なことだ。
ただバイクもずっと走り続けることはできない。
自由を求めても途中で止まらざるを得ないかもしれない。
振り返ること、休息すること、改めて思うことも悪くはない。
ロビー。あんたの歌を聴きながら酒でも飲むよ。
今日は休みなんだよ。
「まあ、座れよ。お前の話も聞こうじゃないか。座って、昔話の一つでも話せよ」
The Weight | Featuring Ringo Starr and Robbie Robertson | Playing For Change | Song Around The World
Playing For Change Official
👆歌詞の日本語訳が紹介されています。なかなかいい記事です。
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