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保護者のキモチは変えられる!

ピアノは、即、人間関係

ピアノ指導では、学ぶ人と支払う人が異なることがあります。ここが難しい点です。どちらか一方との関係が悪化すると、ピアノを続けられなくなります。
ピアノ指導は、単にピアノを教えるだけではありません。ピアノ指導は人間関係です。生徒がやめてしまえば、指導は終わりです。それは仕事であり、報酬を受け取れなくなります。

保護者の気持ちは変えられる—心を動かすアプローチ

この記事の内容は、私のピアノ教室で予想外の保護者の行動や言動に対し、私が意識的にフィードバックを行い、分析し、自分の対応や言動を変えていった軌跡です。
その結果、確実に保護者の心を動かし、私の提案によって保護者の気持ちと行動は変わっていきました。

  • 突然の退会

  • 相談をしてもらえない

  • 自己開示をしてもらえない

  • 協力が欲しいのにしてもらえない

  • 楽器を買ってもらえない

これらの理由で、私はいつも困っていました。

そして、自分には能力がないからこの問題は解決できないのだと、ずっと自分を責めていました。

しかし、ラポールに出会って、それは違うとわかったのです。
自分が無能なのではなく、保護者には保護者の事情や理由があったのです。

でも自分はどうなのか?
自分はどうしたいのか?
私は真実を突き止めたい。
それを突き止めることで、私の教室は確実に変わっていく。

そう思えたのです。

そして、子どもが長くピアノを続けるには、教室に在籍することが重要。それは保護者との関係が影響します。
この経験は、保護者との関係に悩んでいるピアノの先生方にもきっと役に立つはずです。

その思い一つで、私の行動は決まったのです。
今までなすすべがなかったことを、ラポールで解決する。

一つ一つの出来事、保護者の言葉や行動を観察し、保護者の価値観を見極め、そして分析し、保護者に意欲をもたらす言葉や行動を考え、保護者一人ひとりに接していきました。
それらのプロセスを経て、ラポールをとりながら寄り添った結果、保護者は個人差はあれど、少しずつ心を開いてくださるようになりました。


  • ラポールとは何か?

ラポールとは、信頼関係を短時間で構築する傾聴のスキルのことです。

私が東京の講座でラポールの課題を与えられ、自分のピアノ教室である保護者と面接しました。ラポールを用いて話をしただけで、その1回で効果があったなと感じるほど保護者の反応が変わりました。そしてその後、それまで以上に私を信頼してくれるようになりました。
その関係は今でも続いています。
ラポールは、相手の意欲を引き出すことができる!
そう強く感じました。

なぜラポールを取るのか?

ラポールを取る目的は、レッスンをスムーズに進めるためです。さらに言えば、信頼関係を築くためです。

たとえ適切なアドバイスでも、人は誰からのアドバイスでも受け入れるわけではありません。自分の状況や気持ちをしっかり理解してくれる人からのアドバイスであれば、保護者も納得してそれを実行できます。

保護者と指導者が協力して子どもを支えることができれば、子ども(生徒)が行き詰まったときでも協力し合うことが可能です。

ラポールを取ることで、保護者が何を望み、何を考え、何を伝えたいのかがわかるようになります。

ラポールスキルは、苦手な保護者にこそ有効

すべての保護者が不安を抱えているわけではありませんが、必要なときに適切なコミュニケーションを取らなければ問題が生じます。
普段は無口な保護者でも、必要なときに連絡を取り合えれば大きな問題はないでしょう。

しかし、

  • 必要なときに全く連絡がない

  • 普段も無口

となると、困りますね。
そうしたときに、ラポールスキルは有効です。
ホームページによく書かれている
「相談しやすい雰囲気を作りましょう」
というのは半分正しいですが、ラポールはそれ以上に強力な方法です。

保護者の反応は早い人は1回で、
時間のかかる人でも、毎回ラポールを続けることで、確実に変化していきます。
その結果、保護者は確実に心を開いてくれます。

  • 距離が縮まります。

  • 保護者の喜ぶこと(価値観)を理解できるようになります。

  • 保護者の様子がいつもと違うときに気づき、対話のチャンスを逃しません。

ラポールの先に、自分の課題が見えて来る

そして、相乗効果として、
自分の課題が見えてきます。
なぜならば、

  • ラポールは判断をしません。

  • 相手をジャッジしません。

自分のことをジャッジしない聴き方を続けると、自分へのジャッジもしなくなります。

そして、知らず知らずのうちに、自分の思考パターンを理解できるようになります。すると、保護者の思考・行動パターンにも気づけ、どのように接したら良いかわかるようになるのです。

  • なぜ、保護者は楽器を買わないのでしょう?

  • なぜ、保護者は子どもに練習をさせないのでしょう?

  • なぜ、保護者は相談をしないのでしょう?

  • なぜ、保護者は協力的でないのでしょう?

保護者は指導者を困らせようとしているわけではありません。

保護者自身が困っているからです。
困った結果、行動がこうなっているのです。

保護者は、指導者を否定しているわけではない。

  • 楽器を買わない

  • 子どもに練習を促さない

  • 相談をしない

これを、私はかつて「保護者からの攻撃」と見てしまっていました。
保護者から否定されるように感じてしまっていたのです。

なぜそう思ってしまうかというと、私がピアノ指導者として一所懸命やってきたからです。私にとってピアノは一番だった。それが当たり前だったからです。

でも自分の考えは、見えません。自分にとって当たり前すぎるからです。なぜかいつもムカムカした気持ちをもっていました。しかし、自分からラポールを取って、保護者の話しを聴いてみると、

保護者は自分を否定してはいなかったんだ!
と初めてわかったのです。

相手をジャッジ(判断)すると「保護者の困った」は見えなくなる

ラポールを始めた頃は、かなり意識して取り組む必要がありました。
相手の話を全身で受け止めます。

指導者が悩んでいるのを、判断したり、何かアドバイスを言おうと思っていると、自分の考えしか見えず、相手のSOSに気づけません。
保護者はごくごく小さなSOSを発しているのです。
ご存知でしたか?
それは言葉ではなく、非言語的なものです。

  • いつもと違った様子

  • いつもと違った行動

そんな小さなSOSが積み重なると、いずれ退会につながります。
実際に私はそのような場面に何度か遭遇しました。そういう時、私はいつも「自分のすべきこと」に囚われていました。保護者に対して腹を立て、怒ったり、悲しんだりしてばかりいました。

自分の立場や自分のことばかり考えていると、保護者の「困りごと」は見えません。見えなければ寄り添うこともできず、結局、生徒が辞めるまで原因がわからないのです。

それは、私にとって、とても「不都合」なことだと感じました。

原因がわからないと改善すべきことを変えようがないからです。

保護者がピアノをやめる理由が、どのようなプロセスを経て得られた結果なのかがわからなければ、対策の取りようがありません。
でも、保護者の結論が、どのようなプロセスを経てそうなったのかを知ることができれば、そしてどのような感情から生まれたのかを知ることができれば、自分の対応の失敗がわかります。

自分の失敗の原因が分かれば、直すことができるのです。
そこで、私は、一回一回のピアノレッスンの保護者と関わる出来事に、きっちり向き合っていくことにしたのです。




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