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なうちゃんへ。成人おめでとう。

成人の日。私は早生まれで当日はまだ19だった気がする。
振袖を着て笑い合う私は、3年後に従姉妹が死ぬなんてことを
想像していなかっただろう。

あっという間の20代。この10年間は
彼女を亡くしてからの時間の方が長くなってしまう。
もし私の人生がちゃんと歳をとって、最期を迎えるのならば、それこそ
私の人生で彼女と過ごせた時間は映画の予告冒頭5分くらいなものだ。

2023年の成人になる貴方へ伝えたい事があります。


私は今日まで貴女を思い出さない日はなかったよ。
それもそうか、魂を分けた姉妹なのだから。
貴女が亡くなってから、苦しくて、忘れたくてとりあえずで就職した会社に
なんだかんだで5年も続いているよ。
頑張ったら本社勤務にもなれました。お店で「いらっしゃいませ」していた姿は
昔アルバイトしていた時に見たことあったね。
今は社会人らしくパソコンでカタカタしたり、モデルさんの写真撮影を手伝ったり、それらしいことを楽しそうにやってるよ。なんだか本当に大人になっちゃったみたい。
私の内側から見ている?

この5年間、いろんな人と出会いながらずっと、ずっと
貴女のために「特別な人生にしなきゃ」「本当の自分を生きなきゃ」
ってずっと考えて、平凡な毎日の幸せに「本当にこれで良いのかな」って疑問を抱きながら歳をとっていくことに怯えていました。
自罰的に「妹を亡くして、その悲しみをバネに成功した人生を送った人」
になることへの脅迫がありました。

気づいたら、“楽しいこと“を““楽しむこと“ができなくなって、全てがやるべきこと、ならなきゃいけない未来な気がして自分が何者なのかわからなくなってしまったよ。でも去年に、貴女のことを記事にしてから私は少しずつ私の“選択“ができるようになった気がします。

あと、私に「幸せは“なる“ものではなく“感じる“ものである」ということを教えてくれる人に出会いました。今は会えないけど、それは大きな財産になりました。
私には今、自分が幸せを感じられる人、楽しくしてくれる人がいるよ。どんな未来になるかわからないけど、明日死ぬなら一緒になりたい!と思って動けたよ。

あれから、私には友達が大事なことを打ち明けてくれたり、もしかしたら誰かの傷を理解してあげる存在にちょっとだけなれたのかも。
それは生きていても、ここにいなくても、貴女が優しい女性だったからだと思うよ。

ここに来るまで、この5年間の私の闇は決して貴女のせいじゃないけど、このままでは優しい貴女が私の闇の部分を全部背負っていってしまいそうだから。だから、ちゃんと私の選択で生まれた失敗や悲しいことはここに帰結させないで、私の力で光に変えていくのでどうか見守って、たまに力を貸してくださいな。
きっと本当の意味で貴女のために楽しい人生を謳歌してみせるよ。

どうか少しずつ、私の中で溶けていって、私を通してもう少しこの世界を一緒に楽しんで行けたら嬉しいです。
成人おめでとう!

2023.01.09


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