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京都の手漉き和紙、黒谷和紙の工房を訪ねて。

みなさん、こんにちは!
まろです。

世界の手仕事を巡る旅シリーズ
in 京都。

今回は、800年の歴史ある
京都の手漉き和紙
''黒谷和紙'' の会館と工房を訪ねたお話。

共同工房にいらした
職人さんの女性にも
お話を聞かせて頂きました。

では、スタート!

まずは、黒谷和紙の
簡単な概要から。

黒谷和紙は、丈夫で長持ちするのが特徴。
大正時代には当時の政府に
「日本一強い紙」として認められたとか。

楮(こうぞ)を原料とし、
一枚一枚、職人により
手漉きで丁寧につくられている。

黒谷和紙の公式HPは、

「本物の手すき和紙を暮らしの中に

一枚一枚に想いを込めて。
丁寧に、正直に、和紙を漉き、 暮らしの中に届けていく。」

という文からはじまる。

文献は火事で燃えてしまい、
正確なことは分からないが、
1200年ごろ、黒谷の土地に落武者が流れ着き、
紙作りを始めたのがきっかけと言われている。

ここは山に囲まれて平地が少なく
農作物には適さない。

今回訪ねた黒谷和紙会館も
山に囲まれ、目の前には綺麗な川が流れている。




冬の厳しい寒さと冷たい水が
紙作りに適していたという。

気になって調べてみると、
紙の原料となる楮(こうぞ)と呼ばれる木は
特別寒い地域で育つ訳ではない。

手漉き和紙の工程は、
水と密接に関わっていて、
そのほとんどに水がでてくる。

繊維の特性から、冷たい水や気候の方が
いい紙になるという。

そして、需要のある都市からも
さほど離れていない地理条件も適していた。

何も持たずにこの土地に流れ着き、
この土地で生き抜くための産業が
手漉き和紙だったのかもしれない。

それが今のこの土地の
強く、たくましく、美しい
伝統産業になっている。

長崎の五島列島に
滞在したときのことが頭をよぎる。

五島列島の中通島の北の方の
山がちで農作物は育たない厳しい土地に、
弾圧されたキリスト教徒たちが住み着き、
美しい教会が立ち並んでいた。

その土地の厳しさからくる
強く、たくましい美しさ。

それぞれの土地の地理条件や
文化的、政治的、社会的な背景から、
その土地ならではの暮らしや
産業が発達していく。

そんな物語と温かい手仕事に触れて
旅をする時間が好きだ。


黒谷和紙会館では、
黒谷和紙の歴史のお話を聞きながら、
様々な美しい和紙にうっとり。







無地でシンプルだけど柔らかい触り心地に、
繊維が詰まってしわのたくさんある
自然な風合いのもの。

絞りの可愛らしい模様や
型染の美しい配色と柄に、
美しいグラデーション。

個性豊かで美しい和紙がずらりと並ぶ。

"The和紙"のような
光に透かしたときに
繊維がたくさん見えるのがお気に入りに。

ブックカバーにも使えるし、
手紙を出すのもいいし、
気に入った紙は買いたくなる。笑

名刺入れとコラージュ用に集めた
チケット類を入れる袋を作ってみようと、
真剣に選んでお持ち帰り。

茶色の渋いのとかなり迷ったけど、
カラフルな紙が散らしてあって
見るだけで明るい気持ちにしてくれる
この子に決定!


あとはグレーと藍色の間のような
めずらしい色味の紙も気に入り購入。
黄緑の紙と合わせてモネっぽくして
何かに使いたいなぁ。

レジ前にあった端切れの詰まった袋も。
栞とかにいいかも。




たのしみだ!

そして、スタッフさんに
こういう手仕事が好きとお話すると、
川を挟んで向かい側の共同工房で
職人さんが仕事をしているので、
タイミングが合えばのぞいていいよと
教えていただく。


昔は需要もあり、職人さんも多く、
各家庭に機械があり家内制手工業だったが、
今は需要とともに職人さんが減り、
ここの共同工房でつくっているという。

ちょうど作業をされていた女性の職人さんが
作業をみせてお話を聞かせてくださった。


手漉き和紙をつくる工程の、
⑧の"みだし" という作業をしている途中とのこと。

冷たい水の中に、炊いたあとの木の
繊維が入っており、すくい上げながら
不純物を取り除く作業。

寒い中、冷たい水で約1日行う作業。
真っ赤な手と厳しい寒さの半屋外の工房。
お湯ではダメなのかと聞くと、

繊維が壊れてしまうから
冷たい水の方がいい紙ができるという。

横顔と眼差しがとても美しかった。

彼女は黒谷和紙の職人さんになってから、
約20年。

地元で母や祖母も黒谷和紙の職人さんで、
彼女自身も一度黒谷を離れたあと、
ここ黒谷に戻ってきたという。

自然を相手にしており
毎回毎回違うから、
一生やって一人前になれるかと話す。

昔は需要もあり職人さんも多かったので、
この家は封筒だけ、などと
作るものも専門化されていたが、

今は職人さんも少なく、
一人で原料から、手漉き、納品まで
すべて一人で行い、

しかも作る紙の種類もたくさんあるという。
用途にあわせて厚みや原材料の混合率、
漉き方など様々だ。

今回は、御朱印帳用の和紙を作っていた。

先ほど会館で和紙と
端切れの詰め合わせを買ったのだが、
彼女が作ったものもあるか聞くと、

端切れの中から、
この型染の紙は私が作ったやつだ、と
教えてもらう。

こうして一部だけでも見せて頂き、
お話を聞くと、特別な端切れに見えてくる。


フェルメールの「牛乳を注ぐ女」の絵が頭に浮かんだ、
日常の何気ない風景の工房の一角。






黒谷和紙は
"世界一美しい本" に選ばれたり、
文化財の補修や美術館の修復紙に使われたり、
2009年には皇室から海外に送る
クリスマスカードとして使われたりしている。

興味を持ってくださった方は、
よかったらぜひこちらの公式HPをご覧ください。

オンラインショップなどもされています。

公式サイトに載っていた
黒谷和紙の紹介と工程を知れる動画も、
とても見応えがあるのでぜひ。

黒谷和紙会館の場所はこちら。

https://maps.app.goo.gl/xPhJEC8w8PY8oePK6?g_st=ic

こちらの海の京都さんの記事にも
詳しく載っていましたので、
ぜひご参考に。

https://www.uminokyoto.jp/column/post/79/


世界の手仕事をめぐる旅をするにあたって、
各地にある様々な手仕事の物語を
伝えていけたらうれしいです。

動画、取材記事、認知度もさまざまな
世界各地の手仕事。

自分にできることは何か、
どんな風に関わりたいか、
模索しながら続けたいと思います。

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どんどんアップしていく予定です。

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最後まで読んでくださり
ありがとうございました ♡

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