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【過去から学ぶ】読書会“蟹工船”を読んで
みなさん、こんにちは!
今回は、毎月参加させていただいてる読書会で感じたこと、気づいたことをシェアさせていただきます。
概要とあらすじ
『蟹工船』は、小林多喜二(1903〜1933)が1929年に発表した作品です。
本書では、とてつもなく劣悪で過酷な環境で働かされる労働者たちの様子がリアルに描かれています。(『夜と霧』で有名なアウシュビッツを思い出させるぐらいリアルな描写がありました。)
暴力や虐待が当然の如く繰り返される日常…
その背景には、自分の利益しか見ていない使用者たち。資本主義の恐ろしい一面を示した本だと思います。
命を落としていく仲間たちを見ていく、意識も朦朧とする中で、彼らが現状に違和感を感じ、声を上げ、勇気を持って立ち向かう物語です。
↓詳細はこちらをご覧ください。
感想
毎月様々な本を読んでいますが、この本は特に私の心に刺さりました。
印象に残った3つをまとめます。
まず1つ目は、“今、私たちの自由や快適さがある環境は、間違いなくこの労働者たちのように、過去の先人たちが命をかけて勇気を出して行動してきてくれた賜物だということ”です。
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学生の頃、歴史と聞くと、正直今とは切り離されたどこか遠い存在のように感じていました。
しかし、以前、鹿児島の知覧を訪れた時も感じましたが、自分の両親、両親にとっての両親を遡っていくと、先人たちに行き着くんですよね。
自分と両親のつながり、両親と祖父母のつながり、のように一つ一つ丁寧に見ていくと、そこにはとてつもない思いや愛情の継承があって、繋がりがあることに気づかされます。
過去を知り、過去の先人たちや今の環境に感謝が溢れるからこそ、今の自分に何ができるのかを考えさせられます。
教員(教育)は未来の日本、世界を担っていく子どもたちと関わるお仕事ですが、未来だけでなく、過去も見ないと人生を考えたときに、どこか薄っぺらい教員(教育)になってしまう気もしました。
そう思うと、過去にこれまで以上に興味・関心が湧いてきます。
2つ目は、“どんな環境でもやる人はやる”ということです。
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これは、私が心の底で思っていることでもあります。
蟹工船の中でも、必死に生き抜き生涯を終えた人、病気で命を絶った人、拷問や虐待で疲弊した人、命を自ら投げ出した人、ほんとに様々な生き方があったと思います。
どれが良い悪いというものではなく、それぞれが理想とする生き方で良いと思うのですが、私はその中でも違和感に声を上げ、一人一人に声をかけ、己が信じた道を決して諦めることなく、立ち向かった勇気に心を惹かれました。
実際、あそこまでの極限の状況になって自分にできるかは正直分かりません。
しかし、労働者(自分)たちの価値に気づき、訴えながら、我々が力を合わせればどんな大きな存在でも立ち向かえる、と奮い立たせる姿は本当にカッコよく映りました。
日常生活でも、自分が感じた違和感は、決して鵜呑みにせず、周りに伝えてみたり、周りの意見を聞いて見たりしていこうと、改めて力強さをいただきました。
3つ目は、“とてつもない労働者の価値”です。
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資本主義の現在の日本でも、蟹工船まではいかなくとも、労働者の立場が弱くなることはあると思います。
資本家に雇われる労働者のため、発言権があまりなかったりすることもあると思います。
どちらが良い悪いではなく、資本家、労働者どちらも尊い存在なんです。
ただ資本家は、現場を支えているのは労働者だと忘れてはいけない、蔑ろにしてはいけないという強烈なメッセージを伝えてくれました。
仕事、社会は、どんな優れた人でも決して一人で生きることはできず、お互いに支えてあっているからこそ成り立っていることを、どの立場になっても勘違いしてはいけない、忘れてはいけないなぁと思いました。
まとめ
人は楽しい面ばかりでなく、苦しみや葛藤、辛い話やうまくいかなかった話にとても共感することを最近とても感じます。
それはきっと、今回の蟹工船のように、我々の過去は決して楽なことだけでなく、苦しみと向き合い、乗り越えてきた過去を受け継いでいるからこそだと思います。
自分自身も、
・命と向き合いたいから死と向き合い
・わくわくする面を見て苦しい面も見る
両方見つめ、認め、受け入れることで器の大きい、懐の深い人でありたいなぁと思わせてくれる本でした‼︎
過去から学ぶことがたくさんあります。
もしよろしければみなさんも読んでみてください!
それでは、
Have a wonderful day!:)