言ってみた。乳ガンの事。
これから私が辿る治療内容を淡々と説明してみた。
自分で言うのも変な感じがするくらいに冷静に説明出来た。
なんとなく、何かが欠けてしまったような気がしたけど。
彼は冷静な私を見てとても驚いた様子。
泣いたり、怒ったりしないの?と。
だから、混乱もしたし、泣いたり絶望的な気持ちになったよ。
何なら今も、その気持ちはあるよ。
それをあなたに、ぶつけても意味は無いし、あなたに重荷を背負わせたくない。
私を忘れて自由に生きてね🍀私はあなたにしてあげる事が極端に減り、時間が経てば経つほど機能が落ちていく私を見せたくない。
あなたは、健康で若い。新しい出逢いもたくさんあるし、もっと可愛くて優しい人。あなたと一緒に世界を飛び回れる人を探して。
同情はいらない。今までありがとう
とほぼ一方的に私は話した。
ただ黙って聞いていた彼が、俺の気持ちはどうなるのと私に聞いた。
私はここまで言えば彼が別れる事に同意して笑って別れられると思っていたから、逆にびっくりした。
これから、出逢う誰かではなく私がいいと言ってくれた。
すごく嬉しかったし、ありがたいと思ったけど、やっぱり、私じゃいろいろ足りないと不安に思っている事を話した。
そしたら、考えすぎだよと笑って、好きだったらそれだけでいいよ。
あとは、全部アウトソーシングすれば生活出来るよ。
日本にいたって、世界と繋がれるよ。
とにかく俺と別れるとか離れるとか何かを失う度に思わないで。
それから、我慢しないで1人で泣かないで。俺にとってはお母さんじゃなくて彼女なんだから甘えてくれていいよと。
何か不安になったら、電話して。
手術の時、そばにいられないのが残念だけど、大丈夫?と。
日本に帰ったら一緒に暮らそうと提案された。
まさかの展開にドキドキが止まらない。
私は、進行性の病気でも、乳ガンでも生き続ける。
絶対に死んだらダメだよ🍀と私が電話で励ましている言葉を選んで言ってくれたんだと思う。
そして、無理して仕事しないで自分のペースで生活して。
人の事は良く励ませるのに自分を励まし方は知らないの?
頭がいいのか悪いのかと笑っていた。
すぐ物事を悪い方向に考える私の癖を知っているみたい。
本当に今後どうなるかはわからないけど、生きる事を楽しめるようになりたい。
大げさだけど、生きる希望はとても大事。この手の中に私は持っている。
その希望を。
~おしまい~