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アントレプレナーシップを子育てにどう取り入れるか

最近、日本でもアントレプレナーシップを教育に取り入れるという方向で国が動いていますね。私自身、アントレプレナーシップについて専門的な知識を身に着けているわけではありませんが、小中学生を育てる親としては大変気になるところです。また、カウンセラーとしても、日本人のメンタリティーがここ数十年でぐっと変化してきている中で(その背景にある社会的な大きな変化も気になりますが)、日本人がアントレプレナーシップを身に着けていく必要性をひしひしと感じます。

そんな思いで、アントレプレナーシップについて書籍を読んだりセミナーに参加したりしてきました。でも、「アントレプレナーシップ」「起業家精神」がどういったものなのか理屈では分かっても、実際の日常生活でどのように取り入れたら良いのかよく分からない。特に子育てする中で、この精神をどうやって養っていったらいいんだろう?ということが、とても知りたいのにその答えがよく分からない!

そう思っていたところ、先日参加したセミナーで私なりの答えが見つかりました。今日は、今の段階で私なりに思う、「アントレプレナーシップを子育てに取り入れる方法」を綴りたいと思います。そんなの当たり前やん、と思う方もおられると思いますが、なるほど!と思ってくれる方や、こんな方法もあるよ、と教えて下さる方がいたら嬉しいなと思います。

アントレプレナーシップを個人の日常に落とし込んだら

アントレプレナーシップを、ピーター・ドラッカーは「イノベーションを武器として、変化の中に機会を発見し、事業を成功させる行動体系」と定義しています。この用語は、経済活動の領域で使われることが多いですが、私はこの「精神」を学んでいくうちに、自分自身の生き方にも応用できる考え方だ!「すごいマインドやんっ!」と心が躍りました。ドラッカー自身も、この精神は経済の領域に限定されるものではなく、「人間の実存に関わる活動を除くあらゆる人間活動に適用される」と述べているのを知り、やっぱり、そうだったんや~!と嬉しくなりました。

アントレプレナーシップを自分の生き方に取り入れるべく勉強する中で、私は、自分が自分軸を持って主体的に物事に取り組み、自分で考え、自分で問題を発見し、取り組みたい解決課題を決めて実践する、というマインドを吸収してきました。ほんの少しずつではありますが、このマインドに沿って日々前進していると思います。

また、アントレプレナーシップとは、リスクあることに挑戦する姿勢でもあります。挑戦すれば失敗する、傷つくのが当たり前。傷つきも大前提として、アントレプレナーシップの中に組み込まれています。私はこれまで、傷つくことをとても恐れていたと思いますが、この精神を学ぶうちに「確かに、挑戦したら傷つくのが当たり前やな」と腑に落ち、急に肩の力が抜けました。そもそも、挑戦してみて出た結果は「失敗」などではなく、単に「やってみた成果物」に過ぎません。その結果が出たら、「次はどうしようか」と次を考えたらいいんです。「失敗」だと思ってしまっていたのは、「自分の思い描いていた架空の成功基準に満たなかった」ことにショックを受けて、「やっぱりだめやん」って自分で諦めてしまっていただけなんですよね。その成功基準に満たなくても、何らかの結果は出ているわけで、その結果を見た上で、思い描いた成功基準に近づくような次のステップを考えて踏めばいいだけなのに。ちっぽけな自己愛を後生大事に守っていた過去の自分、イケてない(苦笑)

子どものアントレプレナーシップを養う

では、そういった精神を子どもの中に醸成するには、どうやって教えたらいいんでしょう。
最初は、アントレプレナーシップの考え方自体を説明し、理解してもらえないかなあと思い、子どもでも分かるように話してみたりしました(まじめかっ(笑))。でも響かない。そりゃそうですよね。そんな小難しいこと、いくら簡単に説明しようとも、興味なんてなかなか持ってもらえません。
子どもが、自分から問題意識をもって、主体的に物事に取り組むようになって欲しいな、と思いながらも、う~ん、一体何をしたらいいんだ?と手がかりのない日々。

そんな時、あるセミナーで忽那賢治先生が大きなヒントを下さったんです。正確なお言葉ではありませんが、「お母さんが、日々の生活の中で感じる疑問や、ニュースを見て問題だなと思ったことを、子どもと話したらいいんですよ」と。ああそうか、世の中にある社会的な課題の中で、まずは親が感じる問題について、子どもと話してみたらいいのか。それならできそうだ。と思いました。

それからは、ニュースを見て「今、こんな大変なことが起こってるんだね」とか、「母は、これおかしいと思うんだよね」と話題にしてみたり、「今日、こんなことあったけど、どう思う?」と子どもの考えを聞いてみたりと、意識して自分の問題意識を話題に上げてみることにしました。これまでにも同じような会話をしていたかもしれませんが、漫然と話しをしていたと思います。でもその時からは、「子どもがどんなことに興味を持っているのか」「どんなことに憤りを感じ、解決したいと思うんだろう」という視点を(私の方が)持って会話をするようになった、という感じです。

「別に」「分かんない」と言われるかなと思ったら、「それはおかしいと思う」「腹立つなあ」などと、意外と子どもなりの価値判断を話してくれてびっくり。子どもの身の回りで起こったおかしなことや、ニュースを見て思ったことなんかも、以前より話してくれるようになったように思います。そんなこと考えてたんだ、と新たな子どもの側面を知ったり、親子で意見が分かれたりして、お互いに理解が深まることもあります。やりすぎると、「そこまでつきつめなくても」「まじめかっ」と制止されますが(苦笑)

まだ始めたばかりの試みですが、こうやって少しずつでも、身近なことから広く世の中で起こっている出来事まで、色々なことに興味を持って話し考えるうちに、その子なりの問題意識が芽生え、方向性が見えてくるような気がします。そして、自分の持つ能力を、興味のある社会的課題の解決に取り組む未来へと、つなげていってくれればいいなと思っています。

アントレプレナーシップは、今回取り上げた側面の養成だけではないので、これ以外の取り組みについても考えていきたいと思っています。子育てに、こんな風に取り入れたらいいよ、うちはこうしてます、というようなご意見も聞かせて頂けたら嬉しいです。最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

おわり






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