ヘアドネから1年。ウィッグに再会した話。
昨年のヘアドネ体験記はこちら。
ウィッグが形になるまで約1年かかると聴いていた。もう1年も経つのかー。
昨年切った髪もすっかり伸び、次なるヘアスタイルをどうしようと考えていた。パーマなんかもいいななどと妄想していた。
そんなある日。
職場の同僚が物凄く美しい髪色で仕事をしているのを見掛けた。
ピンクと紫のあわい。
思わず触れたくなるような色なのだ。
子供の頃から体質的に白髪がちで、カラーが入らず白髪染めしか出来ない(多少は出来るのだがやはり色が入らない)私にとって、彼女の髪質だからここまで綺麗な仕上がりなのかそれとも「こんなに美しい色を作り出す美容師さんがいるのか…?!いるなら知りたいっ!!」と働きながら興奮していた(働け)。
その同僚と、ぱったりトイレの手洗い場で遭遇した。これは何処の美容院か聞き出さねばと意気込んで私は彼女を捕まえた。
「むっちゃええ色ですね、素敵です。
どこの美容院ですか?」
すると彼女はあまり間髪入れずに答えた。
「これウィッグなんですよ〜。円形脱毛症出来ちゃって〜」
脱毛症とウィッグ。
このワードが耳に入った私は、
去年のドネーションの話をした。
彼女は、明るく穏やかに喜んでくれたように記憶している。
「そうしてくれる人たちがいるから、こうやって使わせてもらえる人がいますよー」
まさか約1年以内に、利用者と出会うとは。病院とかじゃなくて、日常生活の延長線上で会うとは思わなかった。
私が言うのも何様なんだ、という感じだが付け加えて話したい彼女のエピソードがある。
彼女は新しい業務に就いた頃、不慣れなシステム操作、対応に日々苦労していた。テンパって少し考える、か落ち着けばわかることも迷路に入ったり、他者に伝えるべきことが後回しになったりと苦戦している姿を時々、目にした。
でも最近はそんな彼女の様子は激減していた。
同じミスは繰り返さなくなったし、
人を頼らずとも解決出来る場面も増えていた。社会人として当たり前のことでも、出来なかったものができるようになった人を見るのは相手が、自分が、何歳だろうと嬉しい。
仕事を欠勤してはいないので気付かなかったが目を見張る成長のかげではストレスと苦労がハゲとなったのか、
彼女の頭を蝕んでいた。
付ける人がいてもいいし、
付けなくてもいい。
その考えは今も変わっていない。
付けていたから彼女は日常が
送れて、私はしばらく気付けずに
いられた。私が疎いのが良いか悪いか
はさておき。
ウィッグが必要な人にも
喫緊な人、試してみたい人がいて、
用途や気持ちにグラデーションがあって
いいと思っている。
ウィッグを待ってる人に、
引き続き出来上がったら、
届きますように。
あと人生で、
何回出来るかな。