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不朽の名作 少女革命ウテナを語らせてくれ

少女革命ウテナを見たことある人〜!?🙌🙌🙌🙌

少女革命ウテナとは1997年から放送を開始した女児向けアニメ。美少女戦士セーラームーンRの監督を務めた幾原邦彦監督による作品だ。

私はリアタイ勢じゃないんだけど、このアニメが本当に好き。全員見るべきだと思っている。

少女革命ウテナの凄さは
①演出
②王子様とお姫様
③女児向けアニメ、夕方5時台という前提
にある。

まず、①演出についてだ。
少女革命ウテナは、少女マンガ×アングラ演劇がコンセプトの作品。
もしこの中に寺山修司の天井桟敷のファンがいたら、是非少女革命ウテナを見てほしい。
少女漫画らしい線の細いキャラクターと、薔薇モチーフの豪奢な装飾の輝かしさに、アングラ演劇の斬新で抽象的な演出が叩き込まれる。
少女革命ウテナの演出は、少女革命ウテナにしかない。
特徴的に繰り返されるバンクシーン、J.Aシーザーの前衛的な音楽、それでいて少女がときめくドレスと剣は忘れない。このバランス感覚は恐ろしいと思った。

②は少女革命ウテナの大きな大きな功績だ。
王子様とお姫様がいて、幸せな結婚をする。童話で何度も語られる風景。

少女革命ウテナでは主人公 天上ウテナが王子様を目指す。もう一方の主人公 姫宮アンシーは薔薇の花嫁と呼ばれる学園のプリンセスだ。
王子様達(決闘者と呼ぶ)はお姫様(姫宮アンシー)を取り合って競い合い、全ての決闘に勝利するとどんな願いも叶える力が手に入るという物語。
ここまで王子様、お姫様の役割を徹底的に組み込んでいながら、少女革命ウテナには、完璧なお姫様も王子様も出てこない。

姫宮アンシーは従順で美しいが自我が無く機械的だし、気高く愛に溢れ清廉な最も王子様らしい人は有栖川樹璃という女性だ。一見紳士的なキャラクターに冷徹な面があったり、俺様キャラが不器用すぎて何も愛を体現できなかったり、一途に愛を貫いた男性は病に倒れたりする。

何もかも上手くいかない。王子様、お姫様なんて言いながら、完璧には誰一人なれない。

どうだろう。現実に王子様は、お姫様はいるか。答えは否だろう。そんなものいない。あるのは私とお前と知らない人間だけだ。
「じゃあ、誰とも幸せな結婚はできませんね。愛し合えませんね。私は完璧なお姫様じゃないし、貴方は完璧な王子様じゃないもんね。」なんてことは無い。
現実には王子様の代わりに貴方がいて、お姫様の代わりに私がいるのだ。役割ではない、上手くも行かない、美しくもない、だけど生きている2人がいる。

「貴方が貴方である限り、私は貴方を愛します」(王子様でもお姫様でもなくて良いよ)
全編通して、1個の愛が物語を貫いている。
現実でもそうだ。金がある人、見た目がいい人、そんなのはどうでもいい。
自分が自分の命を全うできること
人生を全うしている姿を愛せる人を見つけることが大切なのだ。

すごくファンタジックに、凄まじくリアリスティックな話をしているアニメ。それが少女革命ウテナだ。

そして③に移る。少女革命ウテナは夕方5時に女児向けアニメとして放映された。
要は「いいか少女たち。これから大きくなっていき、色んな愛に出会うだろう。人を好きになったり、裏切られたり、完璧じゃない他人や自分を嫌いになったりするだろう。でも諦めるなよ。本当の愛を取り戻せ。」と生まれてまだ10年もたってない女の子たちに言っている。
これは凄い事だ。現に、リアルタイム勢には今でも少女革命ウテナの大ファンだという女性が多くいる。
そりゃそうだ、大人になるほどわかってくる。
男も女もその他も皆トロフィーでは無くて、一心不乱に生きていて、皆完璧ではなくて、童話の頃からずっと現実はクソッタレだ。
だけど、少女革命ウテナを見ているとそれでいいんだと思う。どちらにせよ…覚悟決めて生きるしかないし。形式的で美しいお姫様や王子様よりも、自分でも他人でもいいから、クソッタレでも愛せる人間がそばにいる方がよっぽど価値がある。

この物語をちっちゃな頃に感じ取った人が少し羨ましい。
ウテナ前、ウテナ後くらい愛すること愛されることへの覚悟が違うから。
このアニメが今から26年前に作られたというのが驚き。幾原邦彦監督はいつも時代を先取りしている。

ここまで色々言ったけど、突拍子も無いギャグシーンとか魅力的なキャラクターとか、面白いところはまだまだ沢山ある。
めちゃくちゃ長いし、抽象的な部分も多い作品だし、好き嫌いは分かれるけど、絶対見る価値あるから見て欲しい。

少女革命ウテナはいいぞ


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