ジョーカーを観ました
まず最初に言っておきたい。
Netflixで『ジョーカー』が観られるのは、11月16日までだ!!!
興味がある人は早めに観ておこう。
とはいえAmazon primeは普通に観れるので、そっちを契約してる人はいつでもヨシ!👉
まずこの物語がどういうものかと言うと、簡単に言ってしまえば『バットマンに出て来るヴィランの前日譚』という内容。
とはいったものの、ジョーカーというキャラクターの設定を膨らませて単独の話にしたという方がしっくりくるかも???🤔(多分他バットマン映画とのつながりはない)
なので一応バットマンの舞台である、治安が終わっていると絶賛話題のゴッサム・シティが主舞台。(治安が終わっているのも色々街の成り立ちからの理由があるのだがそれは一旦置いておく)
とにかくホアキン・フェニックスの演技がすさまじい。
バットマンとかジョーカーとか別に興味ねーよって人にもぜひ見て貰いたいくらいの演技!!!!
終始目がキマッてる。ガンギマリ。
そして可哀想なくらい痩せてる。身体を動かす度に皮膚の下で蠢く骨が分かるほどの骨皮筋男具合。奇妙に盛り上がった肩の骨が、不気味さを醸し出している……。
後々調べた23kgもこの撮影のために体重を落としたそうで!
気が狂いそうだったと本人談があったらしいので、あの目の危うさはそういうところからも来てるのかもしれない。
個人的なベストショットは、鏡を見ながら涙を零しつつ口を無理やり引き上げて笑顔を作ろうとしているシーン。
最高。こういうの大好き。
ちなみにお母さんも中々なアレな人物なのですが、あの方の目とも違って演技ってすげーとなった。
お母さんは、なんだか夢見る瞳と言えばいいんだろうか…??現実を見れていない、焦点の合ってないような瞳。
アーサーは、狂いかけている人間の瞳。ぽんと背を押したら狂気に真っ逆さまになってしまいそうな、でも時折現実に苦しんで逆に狂ってしまうことを望んでいるような、葛藤と狂気を行き来しているようなそんな感想を抱きました。
ほんとに役者ってすげぇ。
さて、役者さんへの感想を述べたところでネタバレありのストーリーへの感想をば。
コメディアンを目指しながら、ピエロとなり日銭を稼ぐアーサーという男性が主人公……。
なんだけど、とにかく彼を取り巻く環境が色々と酷い。
食事や風呂の介助が必要な母の面倒を見ているのだが、仕事中にクソガキに襲われぼこぼこにされたり、職場を解雇されたり、カウンセリング先が亡くなったり、電車で酔っ払いに絡まれたり………😭ゴッサム治安悪過ぎワロタ
で、彼は脳の機能に障害があって強い感情の発露があると、それが笑いとして出てしまうという症状を持っているのだが、これがまぁ厄介。
極度の緊張状態や悲しいときでも吐きそうになるくらいの爆笑が出る。
上記の様々を序盤の10分そこらで彼の環境が把握してしまえる状況説明の上手さと展開の早さに、まだ心が追い付けていませんお客様!!!!!状態。
既に映画が始まった段階からつつけば破裂しそうなほど、フラストレーションが溜まっているのがひしひしと感じられる。怖い。
開始30分でフラストレーションが破裂する瞬間が来るのもすげーと思いました。そこから彼は転がり落ちるように狂気へと呑まれて行くってワケ。
ってワケ、じゃねぇよ……誰か助けてあげて……🤕
途中からとある出来事が妄想であるということが証左されるシーンがあることで、どこからどこまでが現実でどこからが妄想なのかが分からなくなるという演出も素晴らしかった。何を隠そう私はこういう話が大好き!!!(パプリカやパーフェクトブルー、インセプションなどなど…)
思ってないとこからパンチ喰らって笑顔になりました。
それから、この映画では象徴的な”階段”。これの使い方もよかった。
よくないことが起こった後や、職場から帰って来るとき、肩を落としながらアーサーは階段を上って行く。
反面、”ジョーカー”と成り気分も高らかなときは踊りながらスキップでもするように階段を下りていく。この対比が大変よかった。
上り下りが気分の高下と逆なのもよい、アーサーの視線の先に人を置くと見上げるか、見下ろすか。そういった比喩にも感じられた。
あとは、恐らく見ている人が一番印象に残るであろうTVショーのシーン。
終始涙を湛えながら笑顔を作り、何度も望まぬ爆笑する彼が印象的であるが故に、MCを撃ち殺し、スタジオがパニックに包まれる中零れた笑いが、唯一本当の笑いに見えるのも皮肉っぽくてよき。
喜劇は主観とはまさにそう。
暴動が起きた街中をパトカーで護送されながら、子供のようなキラキラした瞳で暴動を見るアーサーも可愛かった。
初めて社会が、世間が自分を認識し、見てくれたと自覚出来た瞬間だったからだろうな…。
社会にぼこぼこにされて歪んでしまった男、そういうのが私の好きなキャラなので終始ジョーカーのような笑みを浮かべていたとさ……🙄ウーンテイスティ…
印象に残ったところをつらつらと書きながら思った。
もしかしてこの映画そのものが、ラストシーンでカウンセリングを受けている男の頭の中で妄想されたジョークなのかもしれない。
そういう考え方も出来る終わり方だったような気がしてきた。
本当は『心優しいアーサーが成ったジョーカー』なんてものは存在しなくて、皆が知っている『混沌を愛するジョーカー』がカウンセリングの暇つぶしに想像しただけのものかもしれない。
そういう余地を残しているのかも…。
最後幕が降りる直前、職員からの逃走のコミカルさこそジョーカーを感じる瞬間だったな。とエンドロール中に思いました。
色々な方面への社会性を持たせつつ、含みを持たせて色んな捉え方が出来るよき映画でした!
好きな映画ランキングに食い込みそう、いや、『個人的に性癖に来た映画ランキング』の間違いかも🤔
ヒース・レジャーのジョーカーも大変評判が良かったとのことなので、そのうち『ダークナイト』も観ます!
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