学術会議問題 そもそも何するところ?
こんばんは。lotterです。
記事をのぞいていただきありがとうございます。
なんとなく世論というか、色々なことが言われていますね。
「学問の自由の侵害」という言い方は確かにかなり誤解を与えるような表現だとは思います。パワーワード的というか。
でも、「学問の自由の侵害にならない」というのもまた、法解釈的にはちょっと難しいと思います。
何回かに分けてその理由を考えてみたいと思います。
国が作ったのだから政府が決めていい?
よく見かける議論ですが、なかなか論証するのは難しいと思います。
「作った人の好きに決めていいかどうか」は、あくまで作られた「組織内のルールがどうなっているか」で決まります。
例えば、上場している株式会社は、多くの場合、創業者と株主が違っています。会社法と言う法律上、会社の最高意思決定機関は株主総会と決まっているので、創業者であっても株を持っていなければ何も決められません。
まぁ、「作った」とは何を指すのかの問題でもありますが・・・。
んで、日本学術会議は、「日本学術会議法」という法律によって規定されている組織ですから、運営も法律に従います。
そもそも、行政というのは徹頭徹尾法律にしたがって行動しなければならず、今回でいえば内閣総理大臣もこの法律に従って行動しなければなりません。
ということは、法律に「拒否してもOK」と書かれていなければ拒否できないということになるわけです。
そして、「日本学術会議法」の中には、内閣総理大臣が拒否できるとは明確に書かれていないのです。
任命権?
ただ、難しいのは、
拒否できると明記されていない=
拒否できないわけではない
ということです。明記されていなくても、解釈上「拒否する権利がある」と導けるならOK。
ややこしい!
任命というのは、役目を命じることなので、
①そもそも「命じない」ができるのか
②「命じない」ができるとして理由はいらないのか
③理由が必要だとしてその理由はなんでもいいのか
ということを順繰りに考えていき、どこまでクリアできるかという問題なのです。
これを考えるにあたって鍵になるであろう要素が、
・日本学術会議会員の選考方法
・日本学術会議の役目
・日本学術会議の立ち位置
・学問の自由
達です。
選考方法は、すでに色々な媒体で紹介されている通り、
日本学術会議が内閣総理大臣に推薦し、
内閣総理大臣がその推薦に「基づいて」任命する
と決められています。
大事なのは、「なんでわざわざ推薦制にしているのか」という点です。
総理大臣が勝手に決められるなら推薦なんていらないのではないか?
日本学術会議の役目
ここには、日本学術会議の役目と立ち位置が関係しています。
第三条 日本学術会議は、独立して左の職務を行う。
一 科学に関する重要事項を審議し、その実現を図ること。
二 科学に関する研究の連絡を図り、その能率を向上させること。
日本学術会議は、科学に関することを扱うわけですね。そのメンバーを選ぶのなら、それに詳しい人に任せるのが一番。
科学に詳しい人は政府にもいるかもしれませんが、普通は学術会議のメンバーに勝てないですよね?
学術的な評価をするならその道のプロじゃないと。
また、立ち位置としては「独立して」科学に関することを行うと書かれています。何から独立するのかは色々考えられますが、政府が含まれていることは間違いないでしょう。
そして、独立した立ち位置を確保するためには自分たちで人事を決めなければならない。政府の息のかかった人で構成されている組織は、政府から独立していないですよね?
というのが、法文に素直なのかなーと。
でも、これだけじゃ拒否していいのかわからない。
「なんでわざわざ内閣総理大臣の任命なんてことにしてるのか」という反対の面からもみてみないと。
それは次回。
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