MA-KI-BI-SHI ~まきびし~【エッセイ】
この令和の時代に、忍者はいるのか?
灯台もと暗し。
まさか我が夫が忍びの末裔だったとは。
「ぐぬおぉぉうっ!!!」
リビングで白目を剥く。
痛い!
鋭い痛みが足裏にクリティカルヒット。
刺さったブツを見て指先で触れる。
これは…
「まきびし…?」 (久々、仲間由紀恵さんの声で)
すぐさまサイコメトリーの能力を召喚。
そこで見えてきた光景とは…
ボリボリ…バリボリ… 「聞こえる…映像も浮かんできたわ!」(声:仲間由紀恵さん)
夫がウロウロと歩きながら食べてこぼれた🍘お煎餅のカケラだった。
それはリビングから彼の仕事部屋まで点々と続き、犯人が何者であるかを示していた。
サイコメトリーするまでもなし。
過去に柿の種のカケラが落ちていたときにも、食べていた本人ではなく、この何の落ち度もない善良なわたくしが憂き目に遭ったことを思い出した。
歩きながら食べるな!とあれほど言ったのに。
そしてまた別の日のことである。
「ほぉあちゃあ~っ!!」
足裏見る→「まきびし…?(再)」→サイコメトラーLotta
新たな素材が投入されていた。
干からびた米粒だった。
米に纏わりついている繊維は何か?
薄汚いキッチンマットでお恥ずかしい…😹
安全地帯だと思われていたキッチンマットの上に、干からびた米粒がビッシリ。
だいぶ取り除いたが、ハッとしてこちらも指で触れてみる。よみがえる記憶…。
「うっぷす!」
冷凍ご飯をチンしたあと、くるんでいたラップから出す際にお茶碗を外れ、ホカホカの白飯を床に落としたのは、うちの忍び(忍ばず)。
それが時を超えていま、わたくしの足裏に。
「まきびし…いいえ、もはや剣山だわ!」(仲間さん…)
吸引力の弱くなった掃除機を稼動したところで、吸い込まれぬまきびしよ…。
もう、おまえさまとは暮らせぬ。忍びの里へとっとと帰るがよろしかろう!
何かを演じてないと怒りが収まらない。
同居の忍者は、何べん注意しても食べ歩きをやめてはくれない。
まきびし忍者 VS サイコメトラーLottaの戦いは続く。が、触れて読み取る能力しか持たない私が圧倒的に不利なのは明確だ。
~完~
最後までおつきあいいただき、ありがとうございました🍀