ココア屋サミット【#こびと部公式ウミネコ応援】
ココア屋のカウンターでは、おふたりさんとコーチョレホトットさんが寛いでいる。
ムムッ…見つからない?言葉が足りず…失敬。
カウンターといったが、さらにこのカップ&ソーサーを覗き込んでいただきたい。ココアの中に🐨相棒さんの頭とお耳、そしてこびとのコーチョレホトットさんの白いお髭が浮かんで見えるはず。
「ねじりくん。すまんが、追いマシマロを投入してくれんかのう」
「ガッテン!マスター、もっとマシマロくださいな」
「は、はい!ただいま!」
つつつーーーっ))) ピタッ
カウンター上の木目のラインを読み、ココア屋マスターがマシマロの入った器をスライディングさせる。
「ホットココアの沁みる季節になりましたねぇ」
ほうっと溜め息をつきながら、相棒さんが呟く。
「マシマロが入ると、溶ける前に食べたくなっちゃうのよね~、トット的に」
入れたそばから早速、トットさんはマシマロをモグモグ。ねじりさんはマシマロのクッションにもたれてひと休み。
「あら?会議の開始は19時からでしたよね?」
マックの袋を提げてやって来たのは、ココア屋マスターの姉であり、魔女の末裔でもある若山ジュリエットだ。
「その前に、ココア風呂に入りたいとおっしゃって…」
昨年のクリスマスからこびとが見えるようになったマスターは、緊張の面持ち。そんな彼の様子など意に介さず、姉はマックの紙袋を開けた。
「ちょっと姉さん!ポテトの匂いが店内に充満しちゃうよ」
抗議するマスターをシッシと手であしらうジュリエット。そして、弟には見せたこともない柔和な笑みを浮かべ、おふたりさんとコーチョレホトットさんにポテトをすすめた。
「ホッホッ!ポテトだポテト!マクダーナルだぁ!」
「ハッピーセットのおまけ付き~!」
トットさんはカップから飛び降りすぐさまポテトにダイブした。おふたりさんは、ハッピーセットのミニカーに乗ってカウンターをドライブ。
ココアとマックを満喫すると、一同はそれぞれ真剣な表情で席についた。
🐈️
カランコロンとドアベルが鳴り、白いお犬を抱いたレディと、風呂敷包みを持ったハチワレ猫さんが現れる。
お犬レディは、最近、ココア屋の常連さんとなったお方で、いつも店内本棚の『ガラスの仮面』を読みながらココアをおかわりしてくれる。
マスターは彼女に会釈したあと、至極自然に入店したハチワレ猫に釘付けになった。二足歩行。
「ブラッディメアリー」とオーダーする猫に、「うちの店、ココアしか提供しておりません」と答えるのが精一杯のマスター。
すかさず、カウンター内でマスターの鳩尾に一発喰らわせたジュリエットは、ほほほ、失礼。と言いながら、どこからともなくシェーカーを取り出した。
「さて、この度は、『ウミネコ』の販促にご協力いただけるということで、誠にありがとうございます」
美しい所作でお辞儀をしたあと、するすると紫のちりめん風呂敷を解くハチワレ猫さん。積まれた10冊の小雑誌が目の前に聳える。
なかなかの腕力をお持ちの猫さんだと思うマスターであったが、のちに、彼(ハチワレ猫)が敏腕編集長だということを知る。
「ついに完成したのですね、『ウミネコ』が」
「いや、刷ったそばから飛んでいくもんですから、捕まえるのに手こずりましてね。中でも、活きのいいやつを見繕ってまいりました」
諸事情でペットを飼えないジュリエットは、実は大の猫好きである。先ほどからこのハチワレ猫さんを撫で撫でしたくてたまらなそうなのだけど、必死に理性で押し込めている。
「『ガラスの仮面』の横に置きましょう。書店員ふう手書きポップも用意いたしましたの」
ルンルンを隠そうともせず、上ずった声の若山ジュリエット。
「売場を提供していただき大変助かります。つきましては…」
ハチワレ猫が白いお犬を抱いたレディに目配せすると、彼女は華奢なハンドバッグから次々と小箱を出して並べた。
四次元ポケット?!と、目を見張るマスター。
「『ウミネコ』を購入し、ココアを注文されたお客さまへ、ささやかではありますが、ノベルティでございます」
「ノベルティ?!」
おふたりさんが小箱のフタを開け、ジュリエットに取り出すよう手招きしている。そして、中から出てきたのは…。
「カモメと猫のカップですか?」
「いいえ、ウミネコとウミネコの蕎麦猪口 兼 湯呑みです」
さすがのジュリエットの顔にもハテナ?が浮かんでいた。マスターにいたっては、しきりに髭をさすり首を傾げている。「ココア屋で蕎麦猪口?」
「本当は扇子も付けたかったのですが、予算が…」
「いえ、十分すぎるノベルティですわ!」
ハチワレ猫さんとお犬を抱いたレディは、ホッとしたように顔を見合わせた。
「では、小雑誌『ウミネコ』販売促進会議はこれにて閉会ですね」
「異議なし!」
「異議な~し!」
「さあさ、ココアで乾杯いたしましょう!」
「ホッホ~ッ🎵めでたいめでたい」
姉に小突かれ、各席にココアをスライディングさせるマスター。
かんぱ~い!🎉
ココアのカップとブラッディメアリーのカクテルグラスが高く掲げられた。
「カモメがウミネコで、猫もウミネコ…そしてこの雑誌も?」
「ブツクサ言ってんじゃないわよ!どう見たって全部ウミネコでしょーが!」
さっきまでハテナ顔だったくせに、若山ジュリエットはとりあえず何もかも呑み込んだようだ。
「この曲、わたくしが作曲して奏でましたの」
お犬を抱いたレディが、そっとマスターにレコードを手渡した。タイトルは『ウミネコぶんたった』。
レコードに針が下りると、みんなはうっとりゆらゆらしながら音楽に身を委ねた。
実に良い心地。
ウミネコに酔いしれるココア屋の夜は更ける。
~おしまい~
最後まで読んでいただき、ありがとうございました😸
ぼんやりRADIOさんの小雑誌『ウミネコ』がついに完成!🎉
このワクワク、どうしたらいいの?
という想い溢れ、遅ればせながら応援記事を書かせていただきました😽🎶
Marmaladeさんとねじりさんがウミネコ応援隊を絶賛募集中✨️
ねじりさん、おふたりさんのイラスト頑張って真似っこして描きましたが、仕上がりが…😭勝手にすみませぬ!
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