早石田検校戦本戦トーナメント第弐試合 棋譜中継
第一期ロータス杯早石田検校戦本戦トーナメント第二試合から、
8月4日(火)に行われたおしゃまなウォーズ初段対天GAMIウォーズ初段の一戦を中継します。
解説(文責):ロータス
持ち時間は10分(ウォーズ10分切れ負け)
先手はウォーズシステムにより、天GAMIの先手で決まった。
本局の模様は、YoutubeLiveにて生放送されている。 以下アーカイブ https://youtu.be/oiFRTckeXu0
◇天GAMI◇ウォーズ初段
本戦初出場。ツイッター杯将棋トーナメント主催者
4人将棋連盟 棋士番号18
◇おしゃまな◇ウォーズ初段
本戦初出場。
早石田スクール第二期生本トーナメントは、ロータス(Twitterアカウント:@lotesshougi)が主催している将棋ウォーズをプラットフォームにしている完全局面指定型Twitter棋戦。
完全局面指定型とは、先手後手ともに計6手まで指し手が決まっている。
本トーナメントでは、双方早石田にする相早石田の戦いが義務付けられている。上記局面を参照。
注目の7手目、8手目は、▲3八金△8二銀。先手の8二金は珍しいバランス型で手厚いが壁金になってより、飛車は渡しにくい陣形に思われる。後手は金無双を目指した一手でオードソックスと言える出だした。
▲4九玉△6二玉▲2八銀△7二金。先手は2八銀から銀冠に囲う猶予があるか。後手も金無双に囲うと思われたが、まさかに金上がりで玉の位置は違うものの金銀同形に。どういった構想があるのか注目である。
▲8六歩△5二金▲8五歩△9四歩▲9六歩△1四歩▲7四歩
陣形整備に手をかける後手に対して先手は、攻めに手数をかける。
▲7四歩△同歩▲同飛△7三歩▲7六飛△4二銀▲4八玉△8八角成▲同銀△4四歩▲2六飛△3四角打
2三の地点をカバーしつつ、6七角成りを見せて手番を握る絶妙な一手。虎の子の角を手放してしまっている。角が運用できなければ先手よさそうだ。
数手動いて先手▲5六角と打った局面。攻めには8三の地点を睨み、守りには2三の地点に効いてる攻防の角打
このまま8筋の突破は許せないと△2六歩と後手は攻め合いを挑む。
対する先手は、これを▲同歩と応じ、△同飛▲2七歩打とした本譜は進行した。
この△2六歩に対する応手が悪手というのだから将棋は面白い。 先手はここでは△2六歩に対しては、▲8四歩とするのが最善手。 △2七歩成には、▲同銀△2六歩打に、▲2三歩打が厳しい返し。△同飛には▲同角があり、飛車が逃げると2六の歩が払われてしまう。△2七歩成に▲同金と先に銀を損する形だが、飛車逃げの一手に手番を握れる▲8三歩成に△同銀▲同角△同金▲同飛成まで進めれば先手充分な形勢。
▲2七歩打ちも甘い手でここでも8四歩と突っかけるのがよかったようだ。
ここから後手の反撃が始まる。
△5六飛▲同歩△6九角打
一見▲6八金でタダに見えるが、8七の地点には角が2枚効いてるのがPOINTだ。次の7八角成りから飛車を追われる展開も避けたい。
受けるとするなら、8八飛打と自陣に飛車を打つぐらいだが。
▲8九飛打(88と打つつもりがクリミスしたそうです)から数手進んだ局面で先手は8筋の突破に成功。馬を取るか桂を取るか、
粘るなら、▲8九飛だが、つぎの△8七歩から飛車をいじめる筋がありこれでは手数が伸びるだけだと判断した先手は、▲8一飛成を選択。
▲8一飛△8二銀が後手の辛い受けで、馬取りと香車取りを封じている。
先手としては、龍を取られるわけにはいかないので▲4一龍と辛抱した。
後手としては、攻め価値よりも先手の龍を詰ましたほうが勝てる判断して龍取りに出る。
後手が龍を自陣に引き付ける鉄壁の守りで後手玉に迫る手がなく先手玉は△5七銀からの5手詰のため、投了。
投了図以下 △5七銀打▲4九玉△8九飛成▲4九金△同龍まで
所感:囲いが双方美濃や金無双ではなく中住まいのようなバランス型で、どちからが八筋を突破するかの将棋だったと思います。Liveでは後手に角を使わせて先手有利と思っておりましたが、2六歩からの飛車角交換の角打ちで一気に後手ペースに。相早石田ならではの激しい展開が面白い将棋でした。
対局者インタビュー
では、まずは勝たれましたおしゃまなさんから、
記者:①相早石田戦を指されてみまして、今の率直なご感想をお聞かせください
おしゃまな:相早石田自体始めて指したので感覚に頼る指し方とかもできなかった点もあり、なかなか難しかったですね
記者:②本局見事勝ち上がりとなりましたが、どのようなお気持ちでしょうか?
おしゃまな:勝ち上がりましたが次戦は振り飛車党の格上の方なので引けを取らないように頑張りたいです。
記者:③本局振り返りまして、先手に形を作らつつも反撃から一気に攻勢に出た展開だったかと思われますが、
形勢に関してはどう思われていたのでしょうか?
おしゃまな:角を打ち込むまでは自信がずっとなかったですね。なんせ経験がないので。
記者:④先後ともに同じ囲いとなりましたが、美濃や金無双などに組む予定はなかったのでしょうか?
おしゃまな:後手であれば美濃とかも考えたんですけど、角交換を考えるとやりづらかったです。
記者:⑤YoutubeLiveにて生放送対局でしたが、緊張などはありましたでしょうか?
おしゃまな:緊張は特になかったです。
記者:⑥次戦に向けて何か一言頂ければ幸いです。
おしゃまな:ヤマさん手加減してください。ありがとうございました。
では、続きまして、
惜しくも敗退となってしまった天GAMIさんにお伺いいたします。
記者:①相早石田戦を指されましてどういった今の率直なご感想をお聞かせください
天GAMI:そうですね、最近はelmo右四間飛車の登場によってあまり指さなくなっていましたので、久しぶりで楽しかったです。
記者:②本局振り返りまして、途中まで先手が指しやすいのかなと思っておりましたが、飛車角交換から苦しい受け主体の展開だったと思いますが、形勢はどう思っていたのでしょうか?
天GAMI:本局はこちらの方が方針もわかりやすく、形勢も良かったと思うのですが5六角が悪手でそこからぐだぐだと悪くなっていきました。
記者:③YoutubeLiveにて生放送対局でしたが、緊張などはありましたでしょうか?
天GAMI:自身もYouTuberなので緊張はありませんでした。
記者:④次回、第二期がありましたら、参加したいと思われますか?
天GAMI:受験もあるので難しいと思いますが第二期も参加したいと思います。
本日はお疲れ様でした。