早石田検校戦本戦トーナメント第肆試合 棋譜中継
https://shogiwars.heroz.jp/games/armor_tomo-KOFUK77-20200802_150440
第一期ロータス杯早石田検校戦本戦トーナメントから、
8月2日(日)に行われたもんじゅウォーズ弐段対こーふくウォーズ1級の一戦を中継します。
解説(文責):ロータス
持ち時間は10分(ウォーズ10分切れ負け)
先手はウォーズシステムにより、もんじゅの先手で決まった。
◇もんじゅ◇ウォーズ二段
本戦初出場。2020年7月26日二段に昇段。
◇こーふく◇ウォーズ1級
本戦初出場。2020年6月22日1級に昇級。早石田スクール第二期生
本トーナメントは、ロータス(Twitterアカウント:@lotesshougi)が主催している将棋ウォーズをプラットフォームにしている完全局面指定型Twitter棋戦。
完全局面指定型とは、先手後手ともに計6手まで指し手が決まっている。
本トーナメントでは、双方早石田にする相早石田の戦いが義務付けられている。以下局面。
相早石田戦の大注目の7手目と8手目はオードソックスな形となった。
戸辺誠先生の指しこなす本には、5八金が定跡と書かれております。
※詳しく気になる方は是非CHECKを
これは本譜の4八金・・所謂升田式石田流を目指すオードソックスなものですが、△8八角成▲同銀△4五角打 という筋をされた際、後手の馬作りが確定しており、受けが難しいので、5八金を入れておくと6七の地点をカバーしているから指しやすいと言われております。
※後のインタビューで4五角には、7四歩から力戦形に持ち込むとのことでした。
本譜は、後手も8二銀(現代では、金無双に囲いが確定してしまう手としてあまり指されていないですが、2006年代では後手の定跡とされておりました)と、昔からある定跡で、4五角の急戦は見送って駒組をしました。
本局の模様は、YoutubeLiveにて生放送されている。
以下アーカイブ
二人は初手合。7四歩とつかずに▲7五飛と石田流を目指す浮き飛車に、後手も▲2三飛成を受けるために3四飛と浮く
かなり早いペースで進行、▲本美濃△金無双の形となった。
本美濃と金無双では、美濃ほうが発展性があり、一路玉が遠いという理由から美濃のほうが固いとされてきたが、果たして本局はどうか
数手進み、お互いに石田流の形へ。
5六歩をついて5七銀にする形は相振りではよくある形だが、本組の完成がまだしていない。対して後手は4四角型のは端攻めを見据えた手だが、間に合うかどうか。
もんじゅが大きく仕掛ける▲5五銀に対して後手は角を逃がすことができない。△同角▲同歩と進み、お返しとばかりにこーふくが△7八銀打とした局面。
先手としては、後手の8七銀成らずだけは許せない。受けとしては、8六飛であるが、8九銀成が気になるところ。
※検討の結果、▲9八角打が辛い受けのようで、△6九銀成とするぐらいだが、いずれ捕獲されそうだ。
本譜は検討通り、▲8六飛△8九銀成▲9七角と進行。
香車が拾われるが、後手の成り銀がそっぽに行くというのが先手の主張のようだ。
△9八成銀▲8六角△8八成銀▲6五桂
後手の反撃を利用しつつ、やりたい手が自然とできる展開。
後手をもって、受けが難しい状況。ぱっと見は6四香打が見える。
※検討の結果、後手の最善手は△5四歩。▲5三歩打は△5一金引でなんともない。また▲4二角成も無理攻めで、△同金▲5三銀打△同金▲同桂成△同金で後手の陣形は崩れているものの、駒損が酷い。
▲9七角打と二段に構えるのが最善手だが6四香打などが見えるため、実戦的にはやりづらいところだ。
本譜は、強く△5四飛とぶつけてきた。先手も▲5五歩では飛車先が重いとみて、同飛と飛車交換となり、一気に局面が進んだ。
▲4二角成△同金▲5一銀打△5二金▲6二銀成△同金▲3二飛△7一銀引▲5三桂成△5一銀打▲4一金打と先手の攻めが途切れない局面。
△6一香打としても5一銀がタダと受け方が難しい局目で、後手もここで1分11秒消費して指した手が△6四角打
仮に先手が▲6二成桂△同銀右のように桂馬を渡す展開になると、△3六桂の美濃崩しの手筋が来て、詰めろが来るのが実戦的には嫌なところだ。
そこで先手▲5四成桂と角に当てつつ逃げるさすがの一手。
後手は桂馬入手のための、気合の自陣飛車を打ち。
飛車交換に持ち込まれた。同金同銀どちらもあるが、
本譜では△同金とした。※検討では同銀のほうが5三の地点をカバーできる点で有効だったと思われる。
▲6四成桂△同歩▲5三歩打・・・・・・同金は銀がただ、逃げても同様の局面
ここでも後手がどう凌ぐか飛車おろしか2六歩打と味をつけるか・・・・・・
香は歩の裏から打て!の将棋の手筋通りの勝負手。
先手有利ではあるが、速度勝負になるいい勝負手である。
先手は攻め合いを選択。
後手も攻め合いに行く。先手に決め手がありそうだが、どこから手を付けるか
▲6一角打△8二玉▲7二金打△9二玉で後手凌げるが、先手玉は斜めゴマがないとゼットである状況
△6一金寄で後手投了。
投了図ですでに詰んでいるため投了図以下の解説はなし。
所感:相振りには金無双が端攻めにも強くていいと思っておりましたが、
相早石田戦でも5六歩5七銀の形は有効なのだと思いました。
最後に自分が気になったところをインタビューしました。
記:早石田検校戦主催者インタビューをさせてください。では、まずは勝たれましたもんじゅさんからお願いします。
記者:相早石田戦を指されましてどういった今の率直なご感想をお聞かせください
もんじゅ:事前勉強通りの展開になったので指しやすかったです。
記者:本局見事勝ち上がりとなりましたが、どのようなお気持ちでしょうか?
もんじゅ:初戦で緊張もしていましたが実力通りの指し回しが出来たと思います。
記者:本局振り返りまして、終始先手が指しやすい展開と検討室では言われておりましたが、形勢に関してはどう思われていたのでしょうか?
もんじゅ:序中盤は着実に形勢が良くなって行ってる感覚はあったのですが、終盤で一手間違えただけで逆転してしまう展開になったのは不本意でした。
記者:注目の7手目は、4八玉ということでしたが、指しこなす本などには、5八金左が定跡とされております。角交換からの4五角打が気になるかと思いますが、何か返しの研究等があったのでしょうか?
もんじゅ:4五角には7四歩を用意していました。
記者:囲いに関して、金無双を採用された理由等がありましたら教えてください。
もんじゅ:金無双だと捌き合いになった時に脆いところが気になりました。
記者:YoutubeLiveにて生放送対局でしたが、緊張などはありましたでしょうか?
もんじゅ:初戦で緊張もしていましたが実力通りの指し回しが出来たと思います。
記者:次戦に向けて何か一言頂ければ幸いです。
もんじゅ:すでに対戦相手(2人共)の棋譜を確認しているので、今のところ自信はあります。
記者:もんじゅさんありがとうございました。では、続きまして、
惜しくも敗退となってしまったこーふくさんにお伺いいたします。
記者:相早石田戦を指されましてどういった今の率直なご感想をお聞かせください
こーふく:お互いに石田流の形は慣れてなかったので勉強になりました。
記者:本局振り返りまして、終始先手が指しやすい展開と検討室では言われておりましたが、
形勢に関してはどう思われていたのでしょうか?
こーふく:角銀交換になった辺りから劣勢は意識してました。最後形勢を戻していけたのは良かったです。
記者:先手の4八玉という手に関して、
4五角打ちが一つの定跡ではありますが、急戦を回避された理由などはあるのでしょうか?
こーふく:自分より高段の方なので、急戦定跡の慣れていない形は避けました。
記者:囲いに関して、金無双を採用された理由等がありましたら教えてください。
こーふく:相振りには美濃より指しやすいという印象があったので。
記者:YoutubeLiveにて生放送対局でしたが、緊張などはありましたでしょうか?
こーふく:指すときは見ないので特に。
記者:次回、第二期がありましたら、参加したいと思われます
こーふく:参加します。
記者:お二人ともお疲れ様でした。