沈む陽との1日
産まれたばかりの、卵の黄色い黄身が、ぽっかりとごはんに乗っかった
ようにみえた
君に興味はないよ
遮光カーテンの隙間から差し込む今日の陽は
黄色で塗りたかった気分
そんな手癖を労わるように
6時22分に設定したアラームは変わらず鳴って
日の出儀式は急に終わる
詩的な感情を名付けられた、産まれたばかりの陽だまり
こんにちは という挨拶も束の間
君はすぐさま雲の後ろに隠れてしまった
私を見つけてごらん
見つけれないから
高架下、影踏みをして遊ぶ子供の声が滴り、ポットに注いだぬるま湯をはちみつレモン味へと染めていく昼間
溢れる汗の出どころはいつも背中から
じっとりした熱気を纏ったイヤな汗が
止めどなく砂場に僕の痕跡を作っては
暴力的な風に乗った潮の匂いで群れる無人駅の電灯に
誰もが懐かしいと形容した白
観光地のガイドマップには乗っていない一本道をひたすら
あてどなく迷った風に見つけた公園の遊具も
陽に焼けたサビでできた数々の割れ目
卵みたいだねって僕が喩えて剥がした殻の色
卵の黄身はごはんの白へと落ちて
沈んで
はちみつレモンの入浴剤が舞うぬるま湯に体を沈めて
人差し指と親指で摘んだ僕と君の殻の残骸で
1日(陽)は落ちていく