帰国を前に思うこと
僕には詐欺師の才能がある。
その証拠に、親友のアンドレアとは十年来の付き合いであるにもかかわらず、彼は未だ僕に何の価値もないことに気付いていない。
それに、この前、ある人から『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』のフランクと僕が重なって見えるとも言われた。
大切なことなのでもう一度言う。レオナルド・ディカプリオに似てるって言われた。
ちなみに、ディカプリオの身長は183cmだという。いいなぁ。
帰国前、僕は親友であるはずのアンドレアに、日本にいる間の行動計画書なるものを提出させられる。抜粋したものを日本語に訳すと以下の通りだ。
僕の親友は約束を必ず守る。
認めたくはないが、彼は僕のイタリア語の先生的存在でもあって、事あるごとに「分からないところは俺が教えてあげる」と言う。
まぁ文法分野だったら僕に分からないことはあいつにも分からないけどな。
それはともかく、今回の行動計画書を見て、彼はやはり「分からないところは俺が教えるから」と言った。
あいつは約束を必ず守る。
つまり、今後8年間は例え僕に何の価値がないことに気付いたとしても、あいつは僕を見限ることはできない。
...今年の11月にはイタリアへ戻ってくる予定なのに、なんでこんなに...
日本に帰ったら、すぐにバイトが見つかるといいな。