ドイツの小児科医で間違った薬を処方された話
少し前から娘は風邪気味で、発熱はないものの咳と鼻水がずっと出ています。寝やすいように胸の部分にベビー用のメンソールクリームを塗っていました。ただ、寝ているときも咳込むようになったので、先週の金曜日に病院へ連れて行きました。
金曜日の小児科にて
ドイツで病院に行く場合は、内科であっても基本的には予約が必要です。1時間だけ予約なしでいける時間帯(Sprechstunde)を設けているところもありますが、コロナ以降めっきり減った気もします。
ただ、子供は急変しやすかったり、病気にかかりやすかったりするからなのか、小児科は予約なしで行けたりします。
娘の小児科も、11時から緊急用で予約なしで見てくれる時間帯(Akutsprechstunde)があります。ただし、非常に待ちます。
定年手前の医者に加え、新しくスペイン人の医者が入り、二人体制となったので、スムーズにいくのかと思いきや、結局行ってから終わるまで1時間かかりました。今回も診察自体は10分ほどでしたけどね。
娘は、最初の予防接種以降、診察が大嫌いになりました。診察をし始めるとすんごい嫌がります。
今回は、定年手前の医者が診察に来ました。この医者、様子を聞いた段階でいつも「〇〇かもしれない」と、深刻な顔をしてそうであるかもしれない病名を言います。診察台の上に娘は寝転がっており、聴診器で聞いたり、足の関節などもチェックしたのですが、診察中、あまりの暴れように医者は焦り「お、抑えてくれ💦」と言ったので、旦那が抑えてました。(コントのようで私は笑いをこらえてました)
喉をさっとみたときは、いつもと同じように「うえっ」とやってました。
結果は、ウイルス性の風邪。・・・・・・ですよね。
私たちがこの日は最後の患者だったのか、薬を処方しながらいつにもまして雑談が多かったです。
・咳止め:一日三回10滴ずつ
・鼻スプレー:市販のやつですが、処方箋があると無料でもらえます。
・コルチゾール:夜、咳で寝れないときだけ使ってくれと。
ちなみに、この医者は使わない可能性があるものでも処方します。
薬局に直接寄って帰ってから家に帰りました。
処方箋ミス?
電子処方箋が進んでいるため、薬局に行き、保険証を渡すだけですむため、何を医者が処方したのか私たちには見ることができません。
最近はオンライン薬局のアプリを使えば、携帯にカードをかざせば読み取って翌日に薬が届く、というものもあります。その場合は、何が処方されているのかオンライン上で見れるとは思います。
ということで、もらった咳止めがこちらです。
お昼だったので、娘にお昼ご飯を上げながらこの箱を見ていると、
「んん???ちょっと待てよ。」とおかしいことに気づきました。
箱に「Für Erwachsene und Kinder ab 2 Jahre (大人用兼2歳以上の子供用)」と書いてあるではないですか。
私の娘は1歳ですよ。2歳に近い1歳ではなく、1歳になって2か月も経ってない1歳ですよ。
医者を疑いつつ、いや落ち着け。もしかしたら理由があるのかもしれない。処方箋を出すときに、体重も聞いていたので、体重がクリアしていればこれでもいいのかもしれないと思いググったり、取り扱い説明書を読みましたよ。
2-6歳の子供に上げる量は、1回につき4-8滴。新生児と2-23カ月の子供にはこの薬は適していません。2歳以下の子供用を上げてください。
「・・・・・・は?」もう、ほんとこんな感じでした。薬局側が渡し間違えた可能性もあるので、薬局に行きました。
薬剤師もちょっと調べるからちょっと待っててと。戻ってきた回答は
「医者が何かを考慮してこれにした可能性はあるけど、オーバードーズである可能性は高いわね。」
「医者はこれを処方したんですよね?」
「それは間違いないわ。なので、薬をあげる前に医者にもう一度聞いてみて。数的ならいいかもしれないけど、それをするにしても医者に確認してください」
詰みました。ちーん。
・・・金曜日のお昼。医者は当然やっていません。ということで、
1.月曜日まで待つ。
2.計算すると1-2滴が本来の薬の10滴と同じ効果なので、それをあげる。
うーん、万が一数的あげて何かあっても嫌なので、月曜日まで待ちましたよ。かわいそうな娘ちゃん。
しかし、薬剤師も気づかないってどういうことですか。処方箋の薬をそのまま渡すだけが仕事なんですかね。久々に、ドイツだなぁって感じました。
ちなみに、コルチゾールは処方されていませんでした。なんなんほんと。
月曜日の小児科にて
保育園に送った後、小児科に行きましたよ。
「金曜日にこれ処方されたんですけど、うちの子1歳です。どーゆーことですか???」と、いたって落ち着いて受付嬢に言いました。
体重何キロ?、どっちの医者だった?と聞かれた後、待合室で待っててと。
まさか、体重10㎏だから意外とOKなの?と思い、2歳の体重をググったら、14㎏前後が普通だしなぁ。
待合室のドアは半分開いており、外を見ていると医者が出て来ましたが、「そんなことはない」といった雰囲気。すると、医者は「説明書にはなんて書いてあるんだ?」と説明書を読み始めました。
娘は単なる風邪ですよ。咳がある子供にはだいたいこの薬が処方されるので、間違いなく頻繁に処方している薬なんですよ。なのに、今更説明書を読み始めるの?って感じで、目が飛び出そうになりました。
さらに観察していると、「あ、しまったー!」って顔をして、診察室へ戻っていき、受付嬢から「来てください」と言われました。
「すでに薬をあげましたか?」
「いいえ」
「新しい薬を処方するので、」
「・・・・・・あの、その薬やっぱり間違えだったんですよね?」と聞いて初めて、
「Leider ja. Es tut uns leid. (そうですね。申し訳ないです。)」と、サラッと言われました。PCの画面を見ながらね。
イラっとはしましたが、騒いでも労力の無駄ですし、そんなことだろうな、とは思っていたのでそのまま帰りました。
家に帰って旦那に伝えると、「医者から謝罪もなかったの?せめてそんぐらいしろよ。」と言っていました。
たまたま気づいたからよかったですが、たかが咳止め薬、されど咳止め薬。
小児科を変えるか
定年間近の医者もこんな感じですし、スペイン人の女医も優れていい医者というわけではありません。この病院に電話をしてもつながらない可能性のほうが多い。そして、患者は常にあふれている。
ということで、普通なら小児科を変えると思うんですが、私たちが住んでいる町の小児科はこの医者だけです。緊急の場合は当日見てもらえることもでき、何かあったときはすぐに徒歩で行けます。
隣町に行けばもちろん小児科はあります。ただし、日本と違ってどこの医者でもいけるわけではありません。
プライベート保険患者であれば、医者は保険会社からさらに稼げるのでどこでも受け入れるかもしれませんが、娘は私の公的保険の被保険者です。
小児科医は、同じ市に住んでいる新規患者を断ることはできません。しかし、別の町に住んでいる場合は、断ることができます。コネとかがあれば別ですが、そうでなければ電話で「残念ながら新規患者は受け付けていません。」とあっさり言われます。
出産する前にこの小児科に行こうと決め、いざ行こうと思ったら断られるということが起こりうるので、「出産前に医者に新規患者として受け入れてもらえるか確認しておいてください。」と、助産師から言われるくらいです。
病気にならない限りは、次行くときは数か月後の予防接種の時です。
簡単に変えられるわけでもないので、しばらくは保留というのが我が家の結論です。