ドイツでの妊娠と出産の話①
ドイツで出産した話を書いていこうかと思います。
日独出産どっちがいい、みたいな出産論争をよく聞きますが、私はドイツでしか出産をしたことがありません。
助産師さんは最高でしたが、出産後の病棟での扱いは微妙でした。出産後のことも含めたら、日本のほうがいいなという気持ちはあります。
そんな私の妊娠から出産までの出来事を綴っていこうかと思います。
妊娠初期
妊娠の発覚は、12月30日でした。11月に日本から買ってきたチョコボのパズルをルンルンやっていたら、急に吐き気がやってきました。
一瞬「???」と思ったんですが、まさかと思い妊娠検査薬をやってみました。すると、まぁ二本線で。(大晦日に飲む気満々だったのに。)
しかしこの妊娠検査薬、実は使用期限が切れており、もしかしたら正しくないかもしれないと思い、念のため翌日薬局で買いました。
それでも陽性だったので、この日から禁酒の日々が始まりました。
(大晦日前日ということもあり、妊娠発覚日(最初のチェック日)を正確に覚えています。)
不思議なことに、妊娠したら、お酒は一切飲みたいとは思わなかったですね。
それから1週間ぐらいしたら、まともに食べれるものがMilchbrötchenというパンだけになりました。
おなかはすいているけど、食べれるものがこれだけ…という感じで。
その後は、キッチンのにおいがダメになりました。キッチンでにおいをかいだ瞬間、おえっ、とえずいてました。なので、鼻呼吸を止めて口から吸うのが癖になりました。
夫は料理が一切できないので、何か作ろうと思っても、作りたいものが一切思い浮かばず、デリバリーやオーブンで簡単に作れるものが多くなりました。
日本のゼリーがたまらなく食べたくなったけど売っていないので、みかんの缶詰とゼラチンを買って、なんちゃってゼリーを作ってみたり。
子供の頃に食べたレンジでできるマカロニグラタンが食べたくなり、それに似たようなクリームパスタの冷凍食品を食べたら激マズ化学薬品の味がする!って思うくらいで、悲しくなったり。(普段から、冷凍食品はピザとほうれん草を除き食べないため、まったく詳しくないのが致命的)
このときは、なんでも買える日本がうらやましくてしょうがなかったです。
デリバリーも、好きだったイタリアンを頼んだら、味がなんか微妙で食べれるものがなくなっていく…と、悲しくなったり。
あと、なぜか2週間に1回、必ず腹痛からの下痢に悩まされました。
デリバリーを食べた後にすべてリバースしたときは、あぁ、お金が……💸と思っていました。
吐かないものの、吐き気は割と常にあったので、植物由来の錠剤みたいのをもらい何とか過ごしていました。
3月頃、春が来たのと同時に私のつわりもだいぶ良くなりました。
ただ、呼吸が苦しかったり耳詰まりが出産直前までまとわりついていました。妊娠して、耳が詰まるとは思っていませんでした。
しゃべっているときに急に耳が詰まったり、自分の声が大きくなったり、すごい不快だったのを覚えています。
保険が費用をカバー
ドイツ、もしくは多くのヨーロッパのいいところは、基本検査の費用(必要検査の費用)が保険ですべてカバーされます。
私の公的保険では、妊娠したら500EURまでを上限に特定の追加検査費用や両親学級のパートナー分、産褥コース(Rückbildungskurs)の費用など賄ってくれました。
妊娠中のエコーは、毎回行われるわけではありません。希望したらやってくれますが、自費(30EURくらい)で払いました。
保険がカバーするのは、臓器の発達などを調べる大きな検査3回分のみでした。
公的保険が3回までをカバーというのが標準のようですが、医者によってはほぼ毎回やってくれる人もいるようなので、ケースバイケースですね。
胎動がわかるまでは生きてるか心配だったので、毎回(月1)やってもらっていました。
ちなみに、エコー写真はもらえましたが、私の先生のエコー写真の腕はあまりよくなかったです(笑)
また、妊娠11-14週頃までに行われる、21トリソミー検査(ドイツ語:Nackenfaltenmessung)も別途追加しました。
私の婦人科ではこの検査をできる機械がないので、別の婦人科で検査しました。(150EURぐらい)
このような検査は賛否両論ありますが、我々は障害のある子どもであった場合、育てられる自信はないと話し合っていたので、迷うことなく受けました。
妊娠中期
胎動が妊娠19週ぐらいで始まったと思います。もともと便秘体質で、ガスだまりとかもあったので、最初は腸の中でガスがポコポコ動いてるもんだと思ってました。
それが胎動だと気づくまで1週間くらいかかった気がします。。。
尿検査で微妙にひっかかったりもしました。膀胱炎とかはなかったんですが、なぜか反応していたのでクランベリージュースを飲みなさいと。
クランベリージュースなんかで治るんかーい、さすがドイツだな。と思いつつ次の検査日まで飲んでいましたが、相変わらず治っていなかったので、最終的に抗生物質が一錠処方されました。
私の婦人科は、男性の付き添いは基本禁止です。理由としては、男性が苦手な女性もいたりするからだそうです。ただし、妊娠の定期健診で1回だけは来ていいということだったので、エコー検査をするときに夫もついてきました。
21トリソミー検査で一度「こんにちは」はしていますが、改めて見れて喜んでいましたね。
中期の終わりには、ブドウ糖負荷検査(Zuckertest)も行われました。
50gのグルコースを飲んで1時間後に再度血液検査。
日本の友達は、冷えてるのもらえたから飲みやすかったとか言っていたんですが、問答無用で常温でした。うげぇっていう感じの一歩手前で飲みきれましたが。。。
妊娠後期
そんなこんなで、私の妊娠生活はかなり順調にすすみました。
胎動も激しく、ちょっとそこ骨に当たりそうで痛いんですけど!ってなったり、夜中起こされたり。
8月28日が出産予定日でしたが、希望としては秋生まれの9月がいいなー。乙女座がいいなーなどなど色々注文を付けていたら、娘はコアラと化しました。当初は胎動も激しいし、予定日より早く出てきそうだと思っていたのに、しがみついて出てくる気配がない。
ドイツは出産までは基本的に婦人科が定期健診をします。
いつもの婦人科が7月下旬から4週間くらいお休みだったため、別の婦人科に行くよう言われていました。なので、受付の人とも「次会うときは産まれてるでしょうから、頑張ってね!」と。
結局、婦人科が再開し電話で定期健診の予約をした時には、びっくりされました。
待てど待てど陣痛なんて感じず、妊娠促進(Einleitung)する前の最後の婦人科での予約をしたときは、受付の人から「出産でこれなくても連絡しないで大丈夫だから!」と。
なのに当日結局婦人科のドアを開けて、「まだなの?!うそでしょ?!」といわれました。
出産する予定の病院
コロナが明けてからは、産科のある病院を事前に見学ができます。
ただ、見学はできても30週になってから予約ができるという感じでした。
もし、早産になった場合はNICUのある病院じゃないと基本産めないそうです。
私たちの病院の選択肢はさほど多くはなかったです。というのも、車を30分ほど走らせ大きな都市に行って産むということも可能ですが、いかんせん陣痛がいつ来るのかわからない。ラッシュアワー時にきたら、渋滞にはまる可能性もあるので、近いところを選びました。
候補① NICUもあり、評判のいい小児科もある。病棟新しくなったばかり。しかし、大人患者(産科以外でも)への対応はよくないと有名。産科は結構混み気味。
候補② 知り合いがそこで産んでいる。ファミリールームを使える可能性が割と高め。(候補①は1-2部屋しかない。)NICUがないので、何かあったらベビーは、提携している候補①の病院へ送られる。小児科はないが、毎日候補①の病院から先生が来ている。何かあっても15分で駆けつけてくれるそう。
何に重きを置くかですが、結局候補②の病院を選びました。
決め手はファミリールームが使えそうだから、あとは、家から車で10-15分というところです。
小児科がないのはちょっと心配ではありましたが、確率的に何かが起こる可能性は高くないだろうとふみました。
また、病院の助産師さんが開いている両親学級もあり、参加したところ、感じが良かったので、候補②で決定でした。
産後お世話してくれる助産師(ヘバメ)
子供が産まれ退院したら、助産師(Hebamme/ヘバメ)が産褥期のお世話をしてくれます。
つわりがひどい人などは、産前から訪問してみてくれたりもします。
この費用も、保険が基本カバーしてくれます。
Hebammeを見つけられるかで、産後は大きく変わるといっても過言ではありません。
皆口をそろえて言うのが、「妊娠したらすぐにHebammeを探せ。」
ドイツは万年助産師不足で、とある調査によると産褥期の助産師を探せなかった人は約16%だそうです。
日本だと、市が産褥期に関しては何かしら提供しているようですが。ドイツはありません。
そのため、このHebammeが重要なのですが、繁忙期(7-9月)や学校の休み期間は、特に見つけるのが難しいといわれています。
大きい都市ほど、需要と供給があっていないので、困難となっていきます。
探し方は、オンラインで検索したり、自治体がリストを持っていたりします。
私の区域はまさにHebammeリストがあるのですが、そのうち全員が各都市に行くのではなく、各々訪問可能都市が書いてあります。
全体では、20-30名ほどのHebammeが紹介されていますが、自分の住んでいる場所に該当する人は5人ぐらいしかいませんでした。
私はというと、妊娠11-12週頃に探しましたが、まさに見つけられませんでした。
産褥期中に週に何回か訪問するようなので、カオス状態の家に来られるのがある意味ストレスかもしれない。とも思っていたので、しょうがないか、ぐらいにしかとらえていませんでした。
実際、Hebammeとの相性が悪く、途中で訪問を断る人もいるぐらいです。
結果的に、産後のトラブルを全て自分1人で解決しなければならず、Hebammeがいてくれたらよかったのに、と思うときは多々ありました。
とはいえ、Hebammeがいなくても最終的には何とかなるものです。
Googleという強い見方がいます。
次回、コアラ(娘)どうやって爆誕するのか。続きます。
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