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今を生きるマクベスとファンのホコり

私の土曜夜の感情を独占したテレビドラマ『コントが始まる』。大好きでした。
最終回を終え、電源を消したテレビの真っ暗な画面に映ったのは、確かな満足感に浸りながら人生について考える私であった。

お笑いトリオ「マクベス」、鳴かず飛ばずの10年間。
高校を卒業して大学に行かず就職もせず、傍から見たらなぜそんな無駄な時間を、と思うかもしれない。実際彼らの家族もそうだった。
でも私にはとても羨ましかった。ただコントを愛し、コントのために生きているその時間が。

雨の日もお構いなく毎週公園に集まってネタ合わせをし、深夜のファミレスで同じ時間を過ごす。地方の営業では決まって車中泊をし、3人で暮らす部屋にはコントの小道具が山積みになる。
同級生には「お前ら高校で時間止まってるんじゃないの?」と言われていたけど、それすら私にはとても羨ましかった。30歳を目前にして彼らは青春の真っ只中にいたのだ。

彼らは「今」を生きている。がむしゃらに、ひたすらに、今目の前にある「笑い」から目を背けることなく、今のために今を生きていた。
解散を決めたのも10年目という「今」を見つめた結果だった。10年経った今、売れていないから辞める。そういう決断だった。

大学を卒業したらどうしよう、そのために今何をしよう、そう考えてしまう今の私にとって、3人の生き方を覗き見することはけっこう刺激的で、改めて今やりたいことはなんなんだとしっかり考えるきっかけになった。

そしてもう1つ。
マクベスのファンである里穂子の言葉。

「この先どんなに面白い方達が現れても、私にとってマクベスの御三方は特別なんです。
マクベスが解散しても、あなた方が精魂込めて作り上げたコントはこの世から消えることはありません。動画でも残り続けるでしょうし、なによりファンの記憶の中にしっかりと残り続けていきます。私はこれからもあなた方が作り上げたコントに何度も助けてもらうことでしょう」

共感の大嵐が吹き荒れた。
私もまさに4ヶ月後に大好きな推しグループの解散を控えている。お笑い芸人ではないが、まさしくマクベスを想う里穂子と同じように、何度も何度も救われ、生きがいであり心の拠り所としていた。

マクベスとは少し形は変わるが、私が推す彼らは年齢も年齢なので、そろそろ世代交代かと言われることも少なくないが、それでもやはり私の中で他の誰かがその場所を代わることはできない。私が好きなのは彼らで、私を助けてくれるのも彼らだ。

解散を考えてしまうと、「推す」という行為への危険性も感じるかもしれないが、それでもやはり私は大好きな彼らが心の中心にいる人生で本当に良かったなと思う。
心の支えとなる存在がいることがこんなにも心強く幸せであることに、改めて気付かされる。

私より8年ほど先を生きた若者たちに、たくさんのことを教えてもらった3ヶ月間の土曜夜だった。一生懸命生きてくれてありがとう。彼らの未来がこれらの経験をもって輝きますように。

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