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以前、映画”東京物語”に案内されて、尾道に何度も通った。

その道すがらふと思いつき、鞆の浦に寄ったことがあった。昔から海上交通の要所だった・・・ということは聞いていたが、詳しくはない,ただ何の知識もなく、時間つぶしみたいなものだったが。万葉集の大伴旅人の歌碑があったり古い中世の歴史が道々に刻まれていたので、中国地方の歴史を知ることは自分にとって新鮮だった。朝鮮通信使にゆかりのある古寺、対潮楼もあったり、海上交通を通じての国際都市だったからだろうか?江戸・京にはない文化の匂いがした。ついつい思い出してしまう。

対潮楼

殆ど、職業病に近いようで、この鞆の浦の高台にあった、ウッドデッキを観察してしまった。


床材は、ACQ注入の集成材であることは見て分かった。が、後の根太やらフェンス柱、などは、無処理の米松のようだ

金具も、電気メッキのユニクロ、長期の使用での錆は確実。海近くなので、錆の進行も間違いなく早い。

昔から、時に、耐久性のあるハードウッド(昔ならジャラ・・・耐久性があると思われていたから、今なら、イペ・ウリン)を床材に使いながら、その構造は、耐久性がない針葉樹というのを見かけたし、今も見かける。

このハイブリッドは、長期耐用には全く意味がない。ハードウッドの耐久性は、樹種によってかなり違うが、無処理の米松よりは上であると思う。(米松を松の類で耐久性があると昔から誤解されている・・・日本の松の代わりに使ったから米松である、設計される方にもその種の誤解は多いと思う。保存処理しても、非常に保存処理が入りにくい)耐久性があまりにも差があり、耐久性の低い材料によって、耐久性が確定してしまう。


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