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パリ五輪が、いろいろ罵詈雑言がSNSで飛び交ううちに終わった。パンデミック最中の2021東京五輪が、過去のように思えてしまうが。

伊東豊雄氏と隈研吾氏のコンペとなり、隈研吾氏が新国立競技場の設計として採用された。
隈研吾氏は、将来も持続する資源であってほしい、国産木材をもっと使うべしと、積極的に設計に国産材を取り入れておられることは周知の事実

基本構造はS造ではあるが、屋根部分ではどちらかというと、構造・化粧両用で国産材を随所に使う。


鉄骨とそれを化粧的に被覆する国産材の比熱の違いでの結露をどう、技術的に防いでいるのだろう?

外部軒庇部分の、日本の代表的植林木(杉・ヒノキ・カラマツ)の加圧注入材が使用されている。

工事中の写真

公開されていた技術提案書:加圧注入材として、確か新木場の兼松日産農林で注入したものが使われたと聞いている。

屋根掛かりの下弦材は剛性の比較的強いカラマツを使用。

比較的条件のいい場所にカラマツ加圧注入を使用(カラマツは難注入材だから)


専門的に過ぎるのかもしれないけれど、加圧注入は、ハザードレベル(腐りやすい場所か否か)の違いで、保存剤の濃度、木材への浸潤度が規定されている。

欧米では、このハザードレベルという概念が先に確立していた。

その後、日本でもハザードレベルが規定され、濃度・浸潤度の区分が明確になった。DIYの店での注入は、ハザードレベルが記されていない。切断すると、塗装よりましな浸潤度ということが多い。

規定はできた、しかし実用段階で厳格な耐久性付与は、個々の企業の努力で相当違う。



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