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他社で、東南アジアのウリンというハードウッドで施工されたもの。およそ9年目のウッドデッキを依頼されて調査に伺った。

ボルネオ鉄木と言われ、耐久性が非常に優れているということで、この樹種を実際に知るため、ボルネオのコタキナバルまで行ってみたこともある。
2008年、ちょうど北京オリンピックが始まってたころ。ウリンの成木を見たくて、それとカンポンという集落によく使われていたという使用例をみたいと言う思いで行ったものだ。
ウリンという木を徹底的に調査してみようと思ったわけだ。
しかし、気候の違うマレーシアで見たのは、ウリンの2~3年の樹木、ウリンの屋根材の現場、水上の船着き場ぐらい。
カンポンはスラムだったので、近寄らないようにと言われてしまった。

経年変化をちょっと見て、安易に結論が出るわけが無いと思った。
今回は、日本の気候でおよそ9年の実例だった。

青で囲まれた部分に、ヤマトシロアリがいた。
よく見ると蟻道もできていた

ネットでは、広告であるから多少おおげさな表現もありそうだが、考察や経験に基づかないのは困りもの。

ノーメンテでいけるとの触れ込みは、デッキの材種問わず、使われている。

(一犬虚に吠ゆれば万犬実を伝う)がネット社会であるとしてもよく考えてみれば、よく表現で使われる”半永久”・・・・永久の半分だと、永遠の0の半分、つまり0/2=0。永久=半永久というレトリックが存在しないだろうか?

そんなことを思いつつ、シロアリがなぜなぜウリンという、高耐久を謳われる樹種に付いているのか?(加害しているという確証はない)

ウリンは極端に吸水率が低いことと、高濃度のポリフェノールをもつことで、防腐・防蟻能力があるとされる。吸水率も、経年変化によって段々高くなってきて、ポリフェノールも雨によって徐々に溶脱してくるのか?(作ったばかりの時は、溶脱したポリフェノールでコンクリートが赤色に染まるのだが)


度をはずれた耐久性をもつものは、ない。(例えば100年持つとか)こういう考え方に入って、メンテ技術にも力を注ぐというのが、今後のあり方ではないか?


人工木もプラスティックで腐朽しづらいが、気象劣化で伸縮が激しく、割れやすい。こう言う点をふまえつつ、何を追求すべきか?


例えば、踏んでも蹴っても、その外力では変型しにくいものを求めるひとは、人工木とか、情緒的な生物的なじみのあるものを求めるならハードウッド、ソフトウッドの保存処理木とか。志向の違いにより、求めるものも違うはずだ。



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