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木材の外部使用では、木材同士が重なる部分の撥水が大事

木材の腐朽の確率を減らすのは、過去の腐朽例の詳細な原因をとにかく、しつこくしつこく、”木材の腐朽”概念だけで、脳を満たすほど研究し、理論化しないと、防御策が生まれてこないと思っていた。
木材が腐朽菌への栄養になることを防ぐのが、ACQ注入+DOT減圧注入だったが、腐朽は適度な水分(過剰な水分+酸素の極小・・・が貯木場)が必要で、その水分が長期に滞留・・というと、重なり部分や、木口(水分吸収が大きい)・・での撥水が必要。
”木材の腐朽確率を可能な限り減少させる”ために、この撥水は重要なポイントにはなる。

既に保存処理2工程を済ませたスギの25x90の木片を上のように重ねてみる
下に、工事としては、根太、大引、梁とみたてた木片をおいて、床板と見立てた木片を重ねる。そして、水をかける。
①左はシリコンなしの木片を横たわらせて、立てかけた左の木片・シリコン無し(無処①)、右木片シリコン塗布(w①)を重ねる。
②右はシリコン塗布の木片を横たわらせて、立てかけた左の木片・シリコン無し(無処②)、右木片シリコン塗布(w④)を重ねる。

大引と見立てた木片、床材と見立てた木片両方がシリコン有だと、短期ではあるが、水の滞留が見られない。

このシリコンは、開発者の論文と実験を行った森林総研の研究者の声を聴けて、使用するに十分なエビデンスを確保した。また、この木の重なりでは、シリコンを劣化させる紫外線や、波長の短い可視光線の侵入も容易ではないので、長期の撥水が期待された。


工場で、2008.10.16より実際作って都度、観察しているウッドデッキの、笠木下の木口・・まだ、撥水している。・・・・・ここは、腐朽しやすい場所だが。
他のフェンス柱も同様。
実験デッキ(作成直後)
左は、外国産の全く無処理のウッドデッキ(ヘム・モミ使用)は5~6年ほどで使用できない。

研究室での実験を、今度は、野外実験で実際に作ってみること、経年変化とその様子を常に観察。美しくない実験だが、現実に回帰させてみることが一番わかりやすい。


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