とりあえず、家の近くに、何かいる……
散歩をしていると、よく見かけるけれど名前を知らないものに頻繁に出会う。そんな時に便利なのが、撮った写真から画像検索をする機能だ。
しかも、そこからWEBの解説にとべるので、名前だけでなくより詳しい情報も調べられる。
このトベラも、名前の由来や、実がこの後どんな風に変化していくのかなどを知ることができたので、また別の日、別の場所で、熟した姿を見ることができた。
こんなに便利に調べられて、知らなかったことを知ることができる。知ることで実体験にもつなげられる。とてもいいことだ。
さて、ここ数年、わたしはあることで家族から疑いをかけられている……
それは……
家の近所にタヌキはいる!説
についての疑惑である。
数年前から何度となく、わたしは見ているのだ。
夜、近所の車の下からムクムクと鈍臭く這い出してくるいきものを。
夕暮れの道、もっそりとしたしっぽでドタドタとにげる姿を。
そのたびに「タヌキがいたよ!!」と興奮気味に家族に伝えるが、
「え? 猫でしょ。野良でも
太っているのだっているよ……(やれやれ)」
「ここはあくまでも市街地だよ。猫だよ……。
山じゃないんだから……(うんざり)」
まったく信じてもらえない。
……というか、あんなにドスドス鈍臭い猫はないっ! 猫を舐めるなっ! 猫にあやまれ!
……話がそれてしまった。
とにかく、嘘つき呼ばわりされるのは解せない。本当にタヌキはいるのだから。
調べてみるとタヌキの行動範囲は3.4平方キロメートルほど。この範囲内にタヌキが住めそうな緑地がある。この緑地にタヌキの存在を認められれば、わたしの目撃証言の信憑性か格段に上がる。
よし、足を使って証明しよう。
散歩がてら緑地へ向かう。
これはなかなかにタヌキがいそうな雰囲気。
きょろきょろしながら歩いていると……
周りを見ると柵に「かわいくてもタヌキにエサをあげないで!」の看板が。駐車場を中心にそこここに掲示してある。
人が見ていてもまったく気にする様子がない。この感じだと住宅地にも行ったことがありそうだ。
この後、さらに3匹のタヌキを見つける。短時間でこんなにたくさんのタヌキを見かけるということは、やっぱり家の近くまで来ているはずだ。
そして、また少し違う興味がわく。
そういえば、タヌキって英語でなんていうのだったか? ネット検索……より、まずは現在進行形で英語を扱っている中学生に聞いてみよう。質問してみる。
「タヌキはラクーンドッグ(Racoon dog)だよ」
「へぇ。“アライグマ犬”なんだ」
「ラクーンってアライグマなの?
それは知らなかった」
「え? そうなの? それなのに
タヌキは知っていたの?」
「『ばばばあちゃんのそりあそび』の
紙芝居を英語で発表するってのを
やったから。タヌキが出てきた」
「へ〜。ばばばばあちゃんのおかげか〜」
「⁉️
……なんか、“ば”多くない?
ばば・ばあちゃんだよ』
まったく気づいていなかった……
わたしは幼少の頃から今に至るまでずっと
ばばば・ばあちゃん
だと思い込んで生きてきた。けど、よく考えたら婆(ばば)で婆(ばあ)ちゃんじゃないか。“ばばば”じゃ、ばあちゃん勢いありすぎだろっ!
AIや文字だけでなく、人との会話からも調べたからこそ、わかることもあるものなんだな……
(いい話風にまとめて、恥をごまかす)
とりあえず、知りたいことがあったら、1つの方法だけでなく、デジタル検索、本、人への質問、自分で体験する、いろいろな方法を駆使して探ったほうがずっと面白いことがわかった。
ラクだからつい「デジタル検索でいいや」となりがちだったけれど、
鳥の名前を調べただけなのに、
家の近くにワニがいる!
ことになってしまったりもしちゃうからっ!!
(タヌキは本当にいたけどね!)