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とりあえず、本棚整理が……
悩める〜だの、サグラダ・ファミリア〜だの大騒ぎしていた本棚整理だが……なんと、昨日1日でさらっと片付いてしまった。
大きな要因は“子”である。
数年前まで、「さよならはイヤだ……」と涙をためて仕分けを拒否していたのがウソのように、あっさりと説得力がある感じに選り分け、使いやすいよう並べかえまでしていた。
むむっ、なかなかやるなっ!
それにつられるように自分の蔵書整理もはかどり、小説、エッセイ、時代小説、美術書と全ての棚を片付け、さらに選り分けたものの一部を図書館に寄贈しに行く時間もとれた。
(夫のビジネス書、漫画は判断できないので、棚に並べ直すにとどめている)
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棚に収まった。全部収めても少し余裕があるぞ!と、子と2人、それぞれ2冊ずつ文庫を増やしてしまったことには目をつぶって欲しい。
本棚整理が終わったあと、子に声をかける。
「いや〜、素晴らしい!
こんなにきれいに片付けられるなんて
キミは大人だ!
そんなキミには、お風呂をきれいにする
お風呂掃除の権利をあげましょう!!」
うやうやしく言い渡したし、“権利を手にした”という有難い雰囲気を全面に押し出した。
これなら流されてお風呂もキレイにしてくれるに違いない。しめしめ。
「そうですか……
では、ワタクシはその権利を
放棄しますっ!!」
何ぃ? 権利放棄っ?!
まさか、そんな……
「権利は放棄できるでしょ。
だから、お風呂掃除はやらない。
お風呂掃除を頼みたいなら今度は、
義務
として、お父さんにやらせなよ」
スマホ片手に立ち去ろうとする。
ぐぬぬぬ…… 知恵がつくのは恐ろしい。
屁理屈で負ける日が来るとは……
罠を鮮やかに潜り抜けられてしまったので、しかたなくお風呂は自分で洗った。
勝ち誇った顔をしていた子はというと……
父をおとしいれる発言をすぐうしろで本人に聞かれてしまったがために、くすぐりの刑に処せられ、スマホのお楽しみ時間を遅らせることとなった。
とはいえとりあえず、本棚が片付いて、めでたし、めでたし。