ルーティン
朝、起きたら指をならす。ポキポキ乾いた音が家中に届く。次に首を回す。ボキボキ濁った音が家中に響く。最後に肩を回す。ゴリッゴリッぎごちない音が家中に響く。それから夜に外し忘れたコンタクトを目から取り出し、捨て、洗面所に向かう。鏡の前で、ボヤけた自分を睨み、軽い後悔を感じながら水を顔に塗る。眼球に申し訳なさを感じながら新しいコンタクトを目に入れる。ダイニングに向かい、弁当を詰めてくれている母の後ろでバナナを食べる。また洗面所に向かい、歯を磨く。バナナを食べた後の口内の“あの感じ”を洗い流そうとピンク色の細くて軽い歯ブラシを口に入れる。右下の奥歯から左下の奥歯まで磨き、左上の奥歯から右上の奥歯まで磨く。歯並びのよくない前歯をもう一度磨き、やっと“あの感じ”が消え去る。またダイニングに向かい、熟れたバナナを見、休日はスムージーにしようか、など考え、玄関に向かい、靴下に合う靴を選んで履き、我慢の訓練に出かける。
僕の朝だ。