能登半島の今
2024年1月1日の能登半島地震から9ヶ月が経った今日、被災地である石川県輪島市・門前町行ってきました。
石川県輪島市は、海や山など自然に囲まれ伝統的な建物が並ぶ、自然と伝統にあふれたとても美しい町です。
ですが、高齢化率が高く、築年数の高い建物も多いため、今年1月の大災害によってそれらの多くは半壊、または全壊してしまいました。その災害から9ヶ月が経ち報道が少なくなった今もその景色は色濃く残っていました。
電柱や信号の傾き、コンクリートの割れなど、道路の整備は進んでいるものの険しい箇所も多くありました。崖崩れや、海岸が隆起して海水が干上がっている部分など、変わり果てた自然や街並みがそこにはありました。
そんな輪島市門前町の半壊した数軒の家屋の片付けをお手伝いさせていただきました。今にも崩れそうな家の中は、あの日のまま時が止まっていました。
雨漏りでカビが生えた畳や崩れたブロック塀、長い間大切にされてきたであろう家財や壁材、ぐちゃぐちゃになった部屋を見るのはすごく心が痛みました。
ですが、そこにあったのはネガティブな感情だけではありませんでした。田んぼに立派に実った稲穂や、広大な自然の中で野菜の実る田畑がありました。被災された方々の前向きな気持ちや笑顔、助け合いの温かさがありました。
そこで暮らす方々と話して感じた前向きな力はとても強くて、生きる力の偉大さや、だだ生きているということがどれだけ幸せかを知りました。
被災者の方々の笑顔や感謝の言葉を私はきっと一生忘れることはないでしょう。
今回のような現地での支援や募金、寄付など支援の形は様々です。ですが支援をすることは義務じゃないと思います。だから、もしも響かなくても、何も出来なくてもいいと思うし、何も出来ないと自分を責めないでほしいんです。私もできることはほんの少ししかないのだとやるせなさを感じました。ですが、被災された方々の笑顔を見て、きっとこの小さな力にも何かの価値があるのだと今は信じることができます。
私たちは知らず知らずのうちに手を取り合って生きていると思います。きっと誰かに手を差し伸べて、それで救われている誰かがいると思います。それは今じゃないかもしれないし、気付いていないだけであなたのおかげで救われている誰かがいるのかもしれないと私は思います。
だからこそ、私はこの気持ちを大切にしたくて、文章にしようと思いました。私のほんの小さな活動が偽善だと思われても、それでもこの文章を見て、報道されなくなりつつある被災地の現状をほんの少しでも知って、何かを感じてくれる人がたった1人でもいたのなら、それで救われる人が必ずどこかにいると思うんです。
家族や友人、恋人、大切な誰かと読んで、ほんの少しでもそして誰かに拡散していただけたらと思います。そして誰かのほんの小さなきっかけになればと思います。
この活動を行うにあたって、たくさんの素敵な出会いがありました。この企画を実行してくださった方々、一緒に活動してくださった大学生の皆様、輪島市災害たすけあいセンターの皆様、全国各地から来てくださった社会福祉協議会やボランティアの皆様、全ての皆様に改めて感謝を伝えたいです。本当にありがとうございました。
このようなボランティア活動の機会があることは決して嬉しいことではないのですが、とても良い経験になりました。今後も私自身できることを続けていき、復興が完了した素敵な街に必ずまた行きたいと思います。
ここまで読んでいただきありがとうございました。