[感想]三木那由他『会話を哲学する コミュニケーションとマニピュレーション』
言語哲学の研究者の視点から、会話の機能としてのコミュニケーションと、潜在的意図としてのマニピュレーションを、さまざまな事例から解きほぐす。過不足ない手際で、非常にわかりやすく議論が展開する。会話の中に潜む機微として、「伝わらないこと」「わかり切ったこと」をわざわざ伝えることなどが語られる。
とっても読み易い本で、マンガのカットが引用されていたりする。そしてなにより、説得力がある。約束事の形成としてのコミュニケーションと、その裏側で意図されるマニピュレーションが、いかに会話