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ぼくの寝室が家の4Fにあって、両親が3Fで寝ている。ぼくは足音を限りなく消音するために靴下を履き、階下からそろりと上がってゆく。実家に帰省していると、そういうかぎりなく個人的なプロセスが懐かしくて、愛おしくなる。 いま、午前4時49分という時間。空が白んで、けれども街はまだ目覚めない。ぼくはこういう、大きな枠から抽象的な話を始めるのがすごく好きだとおもう。それは具体的な話をすることからの逃げだろうか。自分に能力がないことを直視したくないだけだろうか。 もう22歳にな