
あ る 地 名 の 風 景
高井戸の木 takaido
先日、星野源、高畑充希主演の映画
「引っ越し大名」を見ました。
元は越前にいた松平家のお話しで、
何代目かのお殿様の時代、
生涯に7回も引っ越しをしたのでこんなあだ名で呼ばれたとか。
それにしても星野源と高畑充希。
歌やら踊りやら二人のやり取りやら・・
「逃げ恥」を感じたのは私だけでしょうか(笑)
さて、ここは杉並は高井戸にある公園。
たまに井の頭線に乗って吉祥寺へ行くのですが、
”高井戸”という地名が気になっていたので
今回降りてみました。
高井戸といえば、甲州街道は新宿の次の宿場です。
地名の中には
新旧や東西南北、川の上流下流などが
それぞれ対になったものがあります。
たとえば今村と元村、上村と下村、西村と東村・・・
また山間部には、
日向(ひなた)という地名がありますが、
その反対側には日陰という地名があったりします。
そう考えると、高井戸があると低井戸があるのかな・・
通るたびに”そこ”が気になっていました(笑)
なぜ“高い”がついたのかわかりませんが、
戦国時代には“高井堂”と記された史料もあるようです。
一方、「廻国雑記」という15世紀後半の紀行文には
掘兼(ほりかね)の井戸を高井戸と言うようになった・・
こんな旨の記事があるといいます。
掘兼井戸とは
関東で大昔からある井戸の一種で
別名「まいまいず井戸」とも。
“まいまいず”はマイマイのこと、つまりカタツムリです。
厚いローム層に覆われた場所では、
かなり掘り下げないと水脈にたどり着かないので、
自然に井戸が深くなるそうです。
そうすると人が垂直に下りたり上ったりが大変なので、
カタツムリの殻のように
螺旋状に段を刻んだ掘り方をしたといいます。
それで“まいまいず井戸”
“高井戸”が“まいまいず井戸”のことだとすると
「深い」ことを「高い」と表現したのかもしれません・・ね?
モノの名称も時代や場所とともに変わるので
ひょっとしたら
“まいまいず井戸”、“掘兼井戸”のことを
“高井戸”と呼んだ時代、あるいは場所があったのかも・・
そんな気もしますが肝心の井戸は?
口絵は高井戸公園の名もなき大木。
もしかしたら、このあたりかも・・
(東京都杉並区)