ある地名の風景
秋に向かう御殿山通り-品川 shinagawa-3
"しな”と言えば、”信濃”をはじめとして
どういうわけか長野県でよくみかけます。
更科、蓼科、埴科、倉科、藁科・・
どちらかというと東日本に多い印象ですが
他にも仁科、保科、山階、片品などがあります。
一般に”しな”は坂とか傾斜地につく地名だと言われています。
「しなる」という言葉がありますが、
これは「折れずに曲がる」「たわむ」などの意味なので、
これとも関係がありそうです。
これが本当で、
”しながわ”が目黒川の河口部の呼び名だったとすれば
カギを握るのは御殿山なのではないか・・
と、私は思っています。
御殿山は品川駅の西に見える高台ですが
中世に太田道灌が城を築いたことからの呼び名です。
おそらく”しながわ”という地名が生まれた当時から
山裾ギリギリが海岸線で、
南側を回り込むように目黒川が海に注いでいたはずです。
今となってはその詳しい地形はわかりませんが、
周囲より20mほど高くなっているのは確かです。
この山のどこかに
”しなる”ような地形があったのでは・・
そしてそこを流れる目黒川は
”しながわ”という別名で呼ばれた・・
そんなことを思いながら
大阪に向かう新幹線を横目に
夕焼けの”御殿山通り”に佇んでいました。
(品川区北品川)