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Case8.辺野古新基地建設問題 代執行訴訟(福岡高裁那覇支部 R5.12.20)

POINT🎯
地方自治に国が関与する「代執行」とは何か?


1996年、日本とアメリカの合意により、沖縄の米軍普天間飛行場の諸問題を解決し、基地負担を軽減するため、名護市辺野古の海を埋め立てて新たな米軍施設を建設することが決まりました。

工事が進む中、専門家が「マヨネーズ状」と表現するほど、海底の地盤が非常に軟弱であることなどが判明しました。
この問題を解決するために、国は沖縄県に工事の設計変更許可を申請しましたが、県はこれを認めませんでした。

その理由の一つには、地盤改良工事による工期の延長や、完成後も地盤沈下対策などが必要となるため、その莫大な追加費用が最終的に国民の税金で賄われることへの懸念があったからです。

これを解決するため、県はこの問題について国に話し合いを求めていましたが、国は応じませんでした。
さらに国は、県の不許可に対して「代執行」を申し立て、2023年12月20日に裁判所はこれを認める判断を下しました。
「代執行」とは、国が地方自治体の決定権を超えて介入できる制度で、国家権力の最終手段とも言われています。

今回の「代執行」が実行されれば、地方自治法の制定以来、初めて国が地方自治に直接介入することになり、これは歴史的にも大きな出来事となるでしょう。
つまり、この判決は単に沖縄県の問題にとどまらず、私たち国民全体の社会生活にも影響を及ぼす重要な意義を持っているのです。

©2024 written by ChatGPT-4


辺野古漁港横の海岸(フェンスのアチラ側は米軍基地)

📝雑記①
辺野古漁港横の海岸では、アチラ側の人がフェンスを越えて出入りすることはできるが、その逆は罰せられるとの説明がありました。
また、米軍普天間飛行場内には日本のお墓が存在し、年に数回、特別な許可を得た家族だけが基地内に入ってお墓参りできるそうです。

米軍普天間飛行場(佐喜眞美術館の屋上から)

📝雑記②
米軍嘉手納基地では、通用門のずっと手前に基地の境界を示すラインが引かれていて、看板には「基地司令官の命令で通行を制限する」旨の説明が書かれていました。
沖縄市の賑やかな繁華街の近くに、こんな場所が存在することには驚きました。
(基地司令官とは、やはり米軍の人👮‍♂️なのでしょうか・・・この線を越えて進入してしまい、基地関係者に連行される事件が時々あるそうです😖)

旧コザ市ゲート通り(嘉手納基地)の敷地境界線 © 2022 The Mainichi Shimbun

このように、米軍施設やその近くには日本人が容易に入ることのできない場所が多く、いわば、私たちの知らないウラ側の日本(?)を見たような、不可思議で複雑な感覚を覚えました🤔


〈備忘録〉


◆この「判例地探訪録」は、ChatGPTに有名判例の概略を平易な表現で解説してもらい、現地を訪れた記録とともに紹介するシリーズです。
◆この判決の詳細については、下のリンクから確認することができます。
🔗 沖縄県 「国土交通大臣の代執行申し立てについて」



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