怪綺談⁉️⓷
彼岸参り
数年前、お墓参りで、不思議な体験があったので、酒の力を借りつつ、勢いでまたポスト。
社会人になってからは、お盆、彼岸を含めて実家のお墓参りには行っているのだが、母方や両親の兄妹関係のお墓には、しばらく行けてなく、そういう習慣も薄れつつあった。
そんな中、何となしに行かなくてはならない感覚が芽生え、十数年ぶりに県内、県外と数カ所ある墓地に車を走らせた。
なかでも、母方のお墓は、田舎なので付近に住宅はなく、ひっそりとしたホント静かな場所。
早速、お墓に着いて水を汲み、線香に火をつけるべく準備をしていたその時、
ガタ!
ガタガタ! ガタガタ!!
ガタガタガタ!!!!!
ん、急に風が吹き出したのか⁈
墓石の近くに立ててある、塔婆(戒名などが書いてある板)がもの凄い勢いで、ガタガタと揺れ出した‼︎
尋常じゃない。ほどに!
しかも、お墓のまわりだけ空気がざわついたような、空間そのものが揺れるような、そんな感覚がいきなり!
そして、急に静寂に戻る。
よく来たな、、、
一瞬時間が止まったような、そんな感覚で、お婆さんと思しき声を聞いてしまった!
母親と2人で来ていたので顔を見合わせ、言おうかどうか躊躇してしまったが、あまりにもハッキリと聞いてしまったので、とりあえず母親に聞いてみた。
私:今の聞いた?
母:うん。
やはり、私の空耳ではなかった。
私が幼少の頃、身体が弱いこともあってか、母方の祖母にも本当に心配をかけていたらしい。
その祖母の声だと一発で認識できた。
母方の祖母が亡くなったのは私が高校生の頃。
祖母が亡くなるまで、これといって何もしてあげられなかった。今でも後悔している。
そんな体験があるなしに関わらず、祖母には今でも本当に感謝している。
今だったら、ちゃんと伝えられたのに…。
手を合わせながら、心の中で呟いた。
ありがとう と。
帰り際に、ふと、彼岸花が風もないのに揺れていた。何故か、手を振っているような、そんな気がした。
私は、相変わらずダメ男だけど何とか生きている。
この歳になるまで様々な出来事があった。
それ以上にまたこれからも経験を重ねるのだろう。
お彼岸という言葉には、数々の煩悩に打ち勝ち、悟りの境地に至るよう、仏道の修行を積む期間という意味合いもあるようです。
その時には分からなかった事が、色々と経験を積むことによって、少しずつ悟りに近づいていくのかな、とこの時期にふと考えてしまった。