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勝手な期待をしない

期待しないって冷たい?

「他人に期待しないほうがいい」と言われると、なんだか冷たい印象を持つかもしれません。誰かに期待をするのは、人として自然です。

野球観戦でも「打ってくれるかも!」と期待するから楽しい面もありますし、家庭や職場でも周りに対して「助けてくれるかな」と思ったりしますよね。

でも、その期待が裏切られたときにがっかりしたり、イライラしたりすることはありませんか?

今回は、「期待しないこと」の大切さと、それが教育の場面でどう活かせるのかについて考えていきます。



1. 期待することのメリットとデメリット


◎応援や期待が力になることもある

期待されると「頑張ろう!」と思える人もいます。

たとえば、仕事で「あなたに期待してるよ」と言われると、もっと頑張ろうという気持ちになったりしないでしょうか。私自身は前向きになれる場合が多いです。

またスポーツ選手も期待を背負って力を発揮することがあります。

「ファンの皆さんの声援によってひと押しされました!」
インタビューでよく耳にする言葉ですね。


◎期待が裏切られたときのショック

ただし、期待が外れるとショックを受けたりもします。

・困ったときに助けてくれると思ったのに
・できると思ったから頼んだのに

このように感じてしまうと、落胆や苛立ちにつながってしまいます。

「期待が大きいほど、裏切られたときのダメージも大きい」というのはよくある話です。仕事でも家庭でも起こりますよね。

「いつもやってくれているのに何で今日に限ってやってくれてないの…」
やってくれるが前提になると、このような気持ちになってしまいます。


2. 期待しないからといって決めつけない


◎できないだろうと決めつける危険性

・どうせやらないだろう
・この人には無理だろう

最初から否定的な決めつけをしてしまうのも問題です。

実際にはできるかもしれないのに、期待しないどころか否定的な見方をしてしまうと、その態度や言動が相手に伝わってその人の可能性をつぶしてしまう場合があります。

相手の自信を奪うと、成長の機会なども失いかねません。

「どうせできないだろうから、もうやらなくていいよ」
現実的な話をしていたとしても、言い方には気を付けたいですね。


◎できたときの意外性を楽しむ

逆に「この人には厳しいかな思っていたけど、意外とやってくれた!」となると、ポジティブな驚きになります。

期待しすぎず、できたときには喜んだりする。これができると気持ちがマイナスな方向へ振り回されにくくなるでしょう。

「食べた後に皿洗ってないだろうな…いや、洗ってある!」
予想に反して良いことがあれば嬉しいですよね。


3. 中立の立場を意識する


◎相手の行動はわからないもの

・きっとやってくれるはず
・どうせやらないだろう

どちらの思いも、結局のところ勝手な予測です。

明日の自分すら今考えているように動くか分からないなら、相手がどう動くかは尚更わかりません。

・相手がどのような行動を選択するかはわからない

この前提で接したほうが、余計なストレスを感じずに済みます。

「今まではやってくれてたけど、今回はどうだろうね」
想定ではなく、事実をベースに考えていく。


◎過度な期待もしない、決めつけもしない

やるかもしれないし、やらないかもしれない

中立なスタンスを持つことで、相手の行動に対して一喜一憂しすぎずに済みます。

「相手の行動は相手が決めるもの」
この考え方があれば、余計な期待は減るでしょう。


4. 教育における期待と中立のバランス


◎「どうせ変わらない」と思ってしまう瞬間

教育の場面でも、「どうせこの子は変わらない」と思ってしまうことがあるかもしれません。

特に、生徒が何度も同じミスをしたときや、学んだことをすぐに忘れたときには、ついイライラしてしまいがちです。

「何回も同じ間違いをするなよ!」
正論だとしても、それで相手が前向きになることはありません。


◎忘れることは悪いことなのか?

「10分前にやったことなのにもう忘れたの?」と思うこともあるでしょう。

でも、それは教師側の「10分前にやったことは覚えていて当然」という期待から生まれます。

現実には、人は忘れるもの。とはいえ、ずっと忘れたり覚えられない状態では困ります。

大切なのは「じゃあどうすれば忘れにくくなるか、覚えられるか」を考えることです。

➡「10分前に触れた単語だけど、見たのは覚えてる?」
あーそうだった!となれば印象が強くなり、次は覚えられる可能性もあります。


5. 感情を混ぜずに伝えることの大切さ


◎勉強しないことにイライラしない

✕ 「何で勉強しないの!?」
〇   「どうしたら勉強が楽しくなるかな?」

このように視点を変える意識も大切です。

期待しすぎず、でも可能性を閉ざさずに接すると、生徒自身が学ぶ意欲を持てる環境を作れます。

「勉強自体はできるようになりたいけど、間違えると怒られるから…」
感情を前面に出さず、落ち着いて対話することで本音が出やすくなります。


◎「どうしたら少しでも取り組める?」の視点

✕ 「やる気がないなら仕方ないね」
〇 「どうすればやる気が出るかな?」

少しでも取り組めるように一緒に考える意識が、教育の場では特に重要です。

➡「今この内容を取り組む気が起きないなら、他にできそうなものはある?」
気持ちの面で課題に向き合えないときもあります。本人の希望を聞く意識も大切です。


 まとめ:期待せずにできることをする

「期待しない」というのが冷たいとは限りません。むしろ、余計なストレスを減らして冷静になり、相手の可能性を尊重するための考え方です。

  • 期待しすぎると裏切られたときにショックを受ける

  • できないと決めつけると、相手の可能性を潰してしまう

  • 中立な立場で接することで、余計な感情を持たずに済む

  • 教育の場でも、期待しすぎず、決めつけず、冷静に向き合うことが大事

相手の行動をコントロールはできません。でも、自分の考え方や接し方は変えられます。

期待しすぎず、決めつけもせず、自分にできることをする。そんなスタンスで過ごせたら、相手に対する見え方も変わっていくのではないでしょうか。


おわりに
この記事はX(旧Twitter)で投稿したポストを基に、その内容を深掘りするためのスペースで話したものを更に要約して作成しました。

ポストは毎日、スペースは主に日曜日の17時頃にやっています。
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