ソフトウェアエンジニアがSaaS企業で働くべき3つの理由
はじめまして。
ログラスCTOの坂本です(左端のヒゲでデカい人)
弊社ログラスの詳細については、以下を御覧ください。
“エンジニアがSaaS企業で働くべき理由”を、4つのSaaSプロダクトに計4年関わり、最終的にSaaS企業を起業した私が語ります。
ユーザーに愛されるプロダクトの開発に集中できる!
全ての企業は利潤の最大化を追求する宿命を負っています。長期的にはそのビジネスモデルがプロダクト、サービス、組織、個人の振る舞いにまで影響しいます。
売り切り、かつ、反復した取引を行わない、情報の非対称性が大きいビジネスモデルに多いが、企業の利潤を最大化する行動が顧客満足度に向上に繋がりにくい場合がある。この強いインセンティブに会社組織として抗うことは非常に困難です。
もちろんエンジニアも例外ではありません。シンプルに言えば、そのビジネスは“何ゲーか?”で、アドテク業界であれば、“最速配信ゲー”、“最適配信ゲー”なので、最新技術への積極的な投資を強く支持するインセンティブがあり、テックな企業、エンジニア組織になっていきます。
一方、SaaSは、サブスクであるがゆえサービスの継続利用こそが収益の源泉となります。LTVを最大化が至上命題であり、そのためには高い顧客満足度が不可欠です。
利潤を追求する組織としての理想の状態が、顧客にとって最も望ましいサービス提供者の姿と一致する美しいビジネスモデルです。
エンジニアにとってのSaaSは、他のビジネスモデルと比べ、ソフトウェアの質が売上により直結するため、“顧客満足度、エンゲージメント最大化ゲー”と言え、短期目線な開発、品質を軽視した開発をするインセンティブはどこにもありません。
上記は理想論のようですが、そうではありません。他ならぬSaaSというビジネスモデルによって、予測可能な安定した収益基盤があるため、本質に価値のある機能の改修や改善、技術的負債解消の優先度を適切に上げることが可能になります。
結論として、SaaSは、エンジニアをも幸せにできるビジネスモデルなのです。
ユーザーの抱える課題をクリエイティブに解決する面白さがある!
ソフトウェアで、1ユーザの課題を解決すること、ユーザーの要求通りに実装することは、比較的容易と言えます。
ユーザーの数だけユースケースが存在するにも関わらず、SaaSは、全てのユーザの課題を、ノーカスタマイズ、1つのバージョンのソフトウェアで解決するサービス(あくまで基本的には)です。
さらに、B2B SaaSはHorizontal, Verticalに分けることができますが、その殆どがエンジニア向けではないため、設計者には高度なドメイン知識が必要になります。
そもそも、プロダクトの長期的な成長を妨げる実装方法も選択できません。
上記が複雑に組み合わさり、とても厳しい制約になります。
クリエイティブな解決策が求められる課題が、どのSaaSにも必然的に沢山転がっています。
「Creativity loves Constraints(創造性は制約を好む)」by Marissa Ann Mayer
上記の課題に取り組むために、様々な手法が存在します。
特に有効な手法の一つは、「デザイン思考(Design thinking)」を前提としたアジャイルな開発手法の実践だと考えています。
デザイン思考は、以下のプロセスを行ったり来たり同時に行ったりしながら、チームで仮設を検証するプロセスのフレームワークです。
(1) Empathise (共感) - ユーザーの行動を理解し、寄り添い、何が問題なのかを見つける
(2) Define (定義) - ユーザーのニーズや問題点、自らが考えることをはっきりさせる
(3) Ideate (概念化) - 仮説を立て、新しい解決方法となるアイデアを生み出す
(4) Prototype (試作) - 問題に取組み始める
(5) Test - 検証こそが解決方法
上記のプロセスを通じて検証しながら開発を進めていくことで、手戻りの少なく、開発チームもユーザへの貢献感を強く持つ事ができる。
そして何より、開発チーム以外も巻き込んで、チームで課題解決に取り組むのは純粋に面白い。実際のユーザーからポジティブなフィードバックを頂いた時の嬉しさたるや!自社サービスならでは、SaaSならではの魅力です。
データドリブンな設計力、デザイン力が身につく!
こちらは以下の記事で詳しく述べられている。
及川 パッケージソフトだと、「こんな機能を入れてくれたら買うよ」と言われて頑張って開発しても、実際はそれほど使われないというケースもありましたよね?
佐藤 そうですね。特にエンタープライズ向けのソフトウェアは、購買を決めるのが情報システム部門の責任者などで、日々の業務で使うエンドユーザーに直接使い心地を聞くのは難しい。利用状況のログも取れないので、導入後にどう使われているかが分からないというジレンマがありました。
それがSaaSだとWebで直接ログが取れるので、エンドユーザーの使い方を確認できるようになります。これも大きな変化で、開発もユーザー満足度を高めることにフォーカスするようになっていきました。ユーザーテストも以前より頻繁にやるようになりましたね。
上記の様にSaaSではユーザの利用情報のログを直接得ることができます。
サービス毎に独自の“エンゲージメントスコア”を定義することで、サービス改善のフィードバックループが回るようになり、質の高い設計が可能になります。
“エンゲージメントスコア”については以下の記事に詳しい。
とは言え、遅かれ早かれ、皆SaaSになる!...かも?
世の中のビジネスのサブスク化、SaaS化は非常に早いスピードで進んでいる。気づけば自社がSaaS企業になっていても何ら不思議ではない、と言えます。
SaaSへのシフトは、PaaSの3倍、IaaSの2倍で進んでいる
多くの企業がビジネスユースのアプリは、ほぼSaaSだけになると予想
(出典「State of the SaaS-Powered Workplace」)
SaaSの中でもなぜログラスが面白いか?
ここから、めちゃくちゃ手前味噌な論述が始まります。
ログラスは、企業経営のど真ん中に挑むプロダクト。「CFO・経営企画と事業部がシームレスにコミュニケーションしながら一連の経営管理が可能なプラットフォームの構築」を日々進めています。
社長の布川や共同創業者の皆川が、上場企業で経営の業務に携わる中で、実際に感じたペインが発端となっています。
ログラスの経営者が、自社の事業にとってのペルソナになれる、または、ドメインエキスパートと言える立場の者自身である事は、非常に大きな魅力だと思っています。
SaaSは日々の業務を効率化するもの。毎日触れるものであるが故に、UIの僅かな部分、文言に対しても、対象ドメインのユーザのこだわりは強いです。
ユーザーインタビューも数多く行っており、私も同行していますが、最初から会話の解像度が非常に高く、社内にドメインエキスパートがいる事の利点を日々強く感じます。
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スタートアップなデスクでのランチ風景です。
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