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連載:「哲学ディベート――人生の論点」【第9回】ブタの心臓をヒトに移植してよいのか?

2021年6月22日より、「noteNHK出版 本がひらく」で連載を開始した。その目的は、次のようなものである。

●「哲学ディベート」は、相手を論破し説得するための競技ディベートとは異なり、多彩な論点を浮かび上がらせて、自分が何に価値を置いているのかを見極める思考方法です。
●本連載では「哲学ディベート」を発案した哲学者・高橋昌一郎が、実際に誰もが遭遇する可能性のあるさまざまな「人生の論点」に迫ります。
●舞台は大学の研究室。もし読者が大学生だったら、発表者のどの論点に賛成しますか、あるいは反対しますか? これまで気付かなかった新たな発想を発見するためにも、ぜひ視界を広げて、一緒に考えてください!

「人生」は無数の選択で成り立っている。どの学校に進学すべきか? どんな相手と、いつ結婚すべきか? 生きるべきか、死すべきか? しっかりと自分の頭で考えて、自力で決断するために大きなサポートとなる「人生の論点」の「哲学ディベート」を紹介していくつもりである。乞うご期待!

教授 本日のセミナーを始めます。テーマは「遺伝子操作と異種臓器移植」です。
 遺伝子操作といえば、かつては植物や動物の品種改良や「遺伝子組み換え食品」への応用が主流でしたが、21世紀に遺伝子配列を編集する先端技術が確立されて以降、次第に人間の難病治療にも応用されるようになってきました。
 今日は、これから医学部のE君に「ブタの心臓をヒトに移植してよいのか?」という問題を提起してもらいます。その後で「哲学ディベート」を行いますから、どのような論点から肯定あるいは否定するか、頭の中でよく整理しながら聴いてください。

医学部E それでは、発表いたします。
 2022年1月7日、アメリカのメリーランド大学医学部のバートリー・グリフィス教授とムハンマド・モヒウディン教授を中心とする50人の研究チームが、遺伝子操作したブタの心臓をヒトに移植する手術に初めて成功しました。
 移植を受けたディビッド・ベネットは、重度の心不全と不整脈のため長期にわたって「体外式膜型人工肺(ECMO: Extracorporeal Membrane Oxygenation)」を使用してきた57歳の男性です。症状が重すぎるため、通常のドナーによる心臓移植の対象とは認められず、他の治療法でも回復が見込めない状況でした。
 2021年11月、ベネットの容体は急激に悪化し、生命維持装置に繋がれました。12月、「アメリカ食品医薬品局(FDA: Food and Drug Administration)」は、他に治療法のない人命救助に限って承認前の医療技術を運用する「人道的措置」として、メリーランド大学医学部から提出された「異種臓器移植手術」の申請を「緊急承認」しました。
 ベネットは、手術前日に「この移植をするか、死ぬかしか、選択肢はない。私は生きたい。成功する確証がないことはわかっている。それでも、これが最後の選択肢だ」と決意を語っています。彼は、あらゆるリスクを承諾した上で、手術に臨みました。
 午前8時に始まった手術は、午後5時まで続きました。グリフィス教授は、「移植したブタの心臓にヒトの血液を流す瞬間は、厳粛な気持ちだった。遮断器具を外して微量の電流で刺激すると、心臓が動き始めた。我々は皆、目に涙を浮かべ、手術室には畏敬の念が広がった。心臓が正常に機能し始めると、手術室は歓喜で一杯になった」と述べています。
 手術から3日後の1月10日、ベネットの容体は安定し、心臓は極めて良好に収縮して自発呼吸が確認されたため、ECMOが外されました。それから、すでに1カ月以上が経過していますが、メリーランド大学医学部のサイトを確認した限り、彼の容体に異変はない様子です。
 今回の移植に使われたブタの心臓は、10カ所を遺伝子操作することによって、ベネットが「拒絶反応」を起こさず、またブタ由来の「内在性レトロウイルス」も除去されているため、ウイルスに感染することもありません。
 世界には、心臓や肝臓、腎臓などの主要臓器に回復不可能な疾病を抱えて、臓器移植を待っている人々が溢れています。アメリカ合衆国は、ドナーが多いことで知られていますが、それでも約110,000人の臓器移植待機者に対して、ドナーは約10,000人にすぎません。
 公益社団法人「日本臓器移植ネットワーク」によれば、日本では2022年1月の1カ月間の移植希望登録者が15,471人であったのに対して、移植を受けることができたのは48人だけでした。
 今後、メリーランド大学の方式を使って、ブタの遺伝子を操作して心臓や肝臓や腎臓をヒトに移植できるようになれば、多くの臓器移植希望者を救うことができるようになるでしょう。
 しかし、その一方で、僕は医学を学んでいる立場ですが、最近の遺伝子操作の先端技術を知れば知るほど、本当にそこまでやってよいのか、倫理的に不安にさせられるような面も多々あります。
 僕が問題提起したいのは、「ブタの心臓をヒトに移植してよいのか?」ということです。

教授 E君、どうもありがとう。わかりやすく発表してくれました。
 少し補足しておくと、ヒトに対する「異種臓器移植」の研究は、60年近く前から始まっていてね。
 ヒトに対する世界最初の「異種臓器移植」は、1963年にアメリカのテュレーン大学医学部の研究チームが行った。彼らは、回復の見込みのない6人の患者にチンパンジーの腎臓移植を試みたが、全員が「超急性拒絶反応」で亡くなった。
 一般に「拒絶反応」とは、ヒトの体内に移植した組織を病原体と同じ異物と判断して攻撃する反応で、結果的に血栓や細胞壊死(えし)などが発生する。「異種臓器移植」のようなケースでは、ヒト同士の臓器移植に比べて、極めて激しい拒絶反応が最初の数分で生じるので「超急性拒絶反応」と呼ばれる。
 その後、効果的な免疫抑制剤が開発されたため、1992年にポーランド人男性にブタの心臓、1993年にアメリカ人女性にブタの肝臓が移植されたが、長期的に「拒絶反応」を防ぐには至らず、二人とも亡くなった。
 2002年1月、イギリスのバイオ企業「PPLセラビューティクス」社が、ヒトに「拒絶反応」をもたらすブタの臓器表面のタンパク質「アルファガラクトース」を生み出す遺伝子を破壊したクローンブタを生産した。これで「拒絶反応」は防止できることになった。
 ところが、「異種臓器移植」には、もう1つ大きな問題があった。それは、E君の説明にも出てきたように、ブタの臓器に「内在性レトロウイルス」が存在することだ。「内在性レトロウイルス」とは、ブタの祖先がレトロウイルスに感染し、それが生殖細胞に入り込み、遺伝情報の一部として子孫に受け継がれているものを指す。
 ヒトにブタの臓器を移植すると、ブタの「内在性レトロウイルス」の影響で免疫不全やガンなどを発症する可能性がある。もっと恐ろしいのは、これまでヒトの世界に存在しなかった新種のウイルスに変異して、その移植者から人類にウイルスが伝染する可能性があることだ。
 この状況が大きく変化したのは、2012年に「クリスパー(CRISPR)」と呼ばれるゲノム編集ツールが登場してからだった。「クリスパー」は、精度が高く安価なツールで、効率よく遺伝子を切り貼りして編集することができる。
 2017年、アメリカのバイオ企業「eGenesis」社が、「クリスパー」を使って、ブタの「内在性レトロウイルス」を除去することに成功した。今回のメリーランド大学の手術に使われたブタの心臓は、遺伝子配列から25種類の「内在性レトロウイルス」を除去してある。
 2021年には、ニューヨーク大学で、54歳の脳死患者に遺伝子を組み換えたブタの腎臓を移植する実験が行われた。この腎臓は、54時間にわたって血中老廃物を除去し、尿を生成した。
 これらの段階を経て、ついにブタの心臓がヒトに移植されたわけだ。医学関係者の間では、今回のチームの「異種臓器移植」成功は、ノーベル医学・生理学賞の対象になるに違いないといわれている。

文学部A もし私が重い心臓病に罹って、1年以内に移植しなければ助からないとします。ところが、臓器移植のウエイティング・リストには膨大な数の待機者が並んでいて、とても1年以内に移植を受けられない。そこで医師から「ブタの心臓を移植しますか」と宣告されたらどうするか?
 私は「いいえ、結構です」と断ります。なぜ断るのか自分自身で考えてみたのですが、最大の理由は、「そこまでして生きたくはない」という点に尽きると思います。
 ヒトは、先祖代々ヒトによって生み出され、一定の寿命で死んでいくように運命づけられています。もちろん、病気になれば普通に治療するでしょうし、ヒト同士で助け合って臓器を移植するところまでは理解できます。
 しかし、ブタのような異種動物の心臓が自分の体内で動くということは、私にとっては、信じられないほど異様な感覚です。自分が自分でなくなるような、自分が何かに変身するような感覚という方がよいかもしれません。
 仮に手術が成功したとしても、その後、家族や友人が私を見る目も変わるでしょう。ブタの心臓を持った人間のことを、周囲の人々はどのように認識するのでしょうか?
 しかも、「アメリカ食品医薬品局」にしても日本の厚生労働省にしても、「異種臓器移植を受けた患者は、生涯、経過観察を受けなければならない」と定めていますね。つまり、手術後の生涯にわたって、私は一種の実験動物のような経過観察を受けて、おそらく完全に自由な生活は取り戻せないわけです。
 私は、自分の心臓が停止する瞬間を自分の「死」と捉えています。その「死」を無理矢理に延期させること、とくに遺伝子操作や異種臓器まで用いて長引かせるようなことは、人間が踏み込んではいけない領域のように感じます。

法学部B 僕は、今回のメリーランド大学の手術成功は、先端医療技術がもたらしたすばらしい快挙だと思います。ただし、調べてみると、まったく別の倫理的な問題が浮上しているんですね。
 実は、手術を受けたベネットは、過去に傷害で逮捕され、懲役10年の実刑判決を受けた前科者でした。結果的に彼は、6年間刑務所で服役した後、出所しています。
 これはBBCニュースで報道されていることですが、1988年、ベネットは、当時の彼の妻がエドワード・シューメイカーという男性と仲良くしていることに嫉妬して激怒し、彼の背中を7回繰り返して刺しました。
 脊髄を損傷したシューメーカーは車椅子で生活するようになり、2005年に脳卒中を発症し、2007年に40歳の若さで亡くなっています。被害者の姉レスリー・ダウニーは、「あの男が心臓移植を受けたと知って、頭にきた」と語っています。
 彼女は、「ニュースでは、ベネットのことを、まるで英雄みたいに取り上げているけれど、彼はそんな人間じゃない」と激怒し、「医師は賞賛されるべきかもしれないが、ベネットは賞賛されるべきではない」と述べています。
 医師団は、ベネットの犯罪歴を知らなかったらしく、また「患者の過去の経歴によって、治療に差別があってはならない」と声明を発表しました。しかし、ダウニーは「その心臓は、もっと助かるべき患者に提供されてほしかった」と主張し、「彼は人生2度目のチャンスを与えられた。でも、弟のエドワードは、そのチャンスもなく死んでしまった」と嘆いています。
 つまり、この手術の成功によって、逆に傷つけられた遺族もいるわけです。ベネットは手術前に「生きたい」と言っていましたが、本来ならば彼の心臓は止まり、死すべき運命だったのかもしれません。その意味では、A子さんの意見もよく理解できます。
 いずれにしても、今回の手術は「アメリカ食品医薬品局」が「緊急承認」した特別なケースです。待機している患者をどのような基準で選んで、どのような順番で手術するのか。今後、このような「異種臓器移植」が一般に実施されるようになるまでに、しっかりとした法律上の枠組みを構築する必要があると思います。

経済学部C 私は、「ブタの心臓をヒトに移植してよいのか?」という質問の回答は、完全に個人の自由だと思います。ブタの心臓を移植してでも生きたい人もいるだろうし、そこまでして生きたくないという人もいるでしょう。
 それは、何も「異種臓器移植」だけに限った話ではなく、あらゆる医療方針で同じことが言えると思います。経済的に、全財産を費やしても1年でも寿命を延ばしたい人がいる一方で、自分は十分生きたからと延命治療を拒否して、家族に少しでも多くの遺産を遺そうとするような人もいます。
 もし重い心臓病に罹ってブタの心臓を移植しなければ助からないとしたら、というA子の質問ですが、私だったら、年齢によって回答が異なってくると思います。もし20歳代や30歳代ならば、まだ人生を十分生きたとは思えないので、手術を受けると思います。
 A子はセンシティブだから「ブタの心臓なんて!」と気にしているみたいだけど、そもそも私たちは、いろいろな料理で豚肉を食べているでしょう?その栄養分が、私たちの血となり骨となり肉となっていくわけです。その意味では、私たちの心臓だって豚肉の栄養分から形成されたといえますから、直接移植しても、それほど本質的な差はないように思います。
 でも60歳代や70歳代になっていたら、私はそれまでに十分満足したと言える充実した人生を生きていくつもりですから、あえて手術は受けないと思います。その時点では、A子と同じように、自分の心臓が止まれば、それが自分の死だと受け入れる準備ができていると思いますから。
 今回のE君の発表で私が興味を持ったのは、なぜ他の動物でなくて、ブタなのかという点です。調べてみると、もともとブタは、人間が野生のイノシシを家畜化した動物で、紀元前から人間と非常に深い繋がりを持っています。
 一般に、動物は家畜化されると原種が絶滅します。ウシやウマ、ヒツジやヤギのような家畜は、すでに原種が絶滅しています。ところが、ブタだけは、原種のイノシシが絶滅するどころか、いまだに生息数が多いという生命力の強い種だということがわかりました。
 チンパンジーは「絶滅危惧種」に指定されるほど生息数が減少していますが、ブタは、免疫力が強く、さまざまな環境に適応できるため、世界中で飼育されています。しかも、類人猿以上に皮膚や臓器のサイズなどがヒトに近いそうですから、人類に対するブタの貢献は計り知れません。
 メスのブタは、約114日の妊娠期間を経て、1回につき10頭以上の子ブタを産みます。とくに、ブタの中でも体重50~60キログラム程度にしか成長しないミニブタは、臓器のサイズが非常にヒトに近く、臓器提供用に遺伝子を操作したクローンブタの生育に適しているそうです。
「異種臓器移植」で大きな問題だった「拒絶反応」と「内在性レトロウイルス」の問題を遺伝子操作で解決できて、クローンブタも低コストで生産できるようになれば、世界の臓器移植待機者を救うことができます。私は、むしろ積極的にこの技術を推進すべきだと考えます。

理学部D そのブタの話ですが、イスラム教では「不浄な動物」とみなされ、食べることはタブーです。したがって、イスラム教徒にとって、ブタの心臓を移植することなど、話題にするだけでもありえないことでしょう。
 今回の手術で興味深いのは、中心となったメリーランド大学医学部の2人の教授のうち、ムハンマド・モヒウディン教授がイスラム教徒だということです。
 モヒウディンは、パキスタンのカラチに生まれ、1989年にダウ医科大学医学部を卒業後、1991年に渡米しました。ペンシルベニア大学で臓器移植チームに加わり、2006年にメリーランド大学教授となった優秀な外科医です。彼は今回の手術について、「宗教において、人命を救うことほど崇高な行為はない」と主張しています。
 それに対して、イスラム学者ジャベド・ガムディは、「今回の手術は、イスラム教徒として許されないものだ」と批判しています。一方、別のイスラム学者アッラーマ・ナクビは、「イスラム法に異種移植を禁じる規則はない」と擁護し、この手術を「医学上の奇跡」だと賞賛しています。
 僕自身は、他に救命手段がなければ、ブタの心臓をヒトに移植することに何の問題もないと考えています。ただし、「異種臓器移植」が先進国で行われるようになると、それが宗教上の理由でタブー視されるイスラム教やユダヤ教の普及した地域では、何が起こるでしょうか?
 僕は「発生生物学」の授業を受けていて、衝撃を受けたことがあります。それは、イギリスのバース大学の発生生物学者ジョナサン・スラック教授が、1997年に遺伝子を操作して頭のないオタマジャクシを作ったことです。
 さらにスラックは、『サンデー・タイムズ』紙のインタビューに「人間も同じ遺伝子を持っている。その遺伝子を操作すれば、必要な臓器だけを持つ『頭のない胎児』を生産することができる」と答えています。
 その後、テキサス大学や理化学研究所の遺伝子操作によって、頭のないマウスも作られています。先進国では、無脳症で生まれた新生児の臓器を移植すべきだという議論も巻き起こっています。2018年11月には、中国の研究者がヒトゲノムを編集した受精卵から双子を誕生させました。
 これは僕の想像ですが、たとえば、宗教上の理由からブタの臓器を使えない中東の富豪がいるとします。もし彼が将来の病気に備えて自分の臓器を準備したければ、自分の細胞からクローン受精卵を作り、その遺伝子を操作して頭のない臓器だけを持った新生児を代理出産させるかもしれません。その胎児を無菌室で生命維持装置に繋いで育成しておけば、いつでも彼自身の遺伝子を持った臓器を得ることができます。
 要するに、遺伝子操作による「異種臓器移植」が許容されるようになれば、話はそこで終わらないということです。とくに、宗教上であろうと、他の理由であろうと、ブタを使いたくない人々は、他の方法を模索するようになるに違いありません。その結果、遺伝子操作やクローン技術に歯止めが利かなくなるのではないかというのが、僕が最も危惧するポイントです。

教授 「ブタの心臓をヒトに移植してよいのか?」という問題から「遺伝子操作」や「異種臓器移植」や「臓器移植用クローン」に関する哲学的議論が抽出されました。本当に難しい問題だと思いますが、このディベートを契機として、改めて自分自身で考えてみてください。

参考文献
高橋昌一郎『20世紀論争史』光文社新書、2021
「日本臓器移植ネットワーク」https://www.jotnw.or.jp/
毎日新聞科学環境部(編)『神への挑戦:科学でヒトを創造する』毎日新聞社、2002
“University of Maryland School of Medicine Faculty Scientists and Clinicians Perform Historic First Successful Transplant of Porcine Heart into Adult Human with End-Stage Heart Disease”
https://www.medschool.umaryland.edu/news/2022/University-of-Maryland-School-of-Medicine-Faculty-Scientists-and-Clinicians-Perform-Historic-First-Successful-Transplant-of-Porcine-Heart-into-Adult-Human-with-End-Stage-Heart-Disease.html?fbclid=IwAR0tXnCcqZCtKqNidreasSStF8nE62N9NuZUN8vZUdPb6yN9QOIq9zJsFg0
“Pakistan proud of pig-to-human heart transplant pioneer”
https://www.bilyonaryo.com/2022/01/22/pakistan-proud-of-pig-to-human-heart-transplant-pioneer/

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高橋昌一郎
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