最後まで迷惑な「アベノマスク」!
2021年11月5日、会計検査院が発表した2020年度の「決算検査報告」によれば、2021年3月末時点で、政府が調達した布マスク(いわゆる「アベノマスク」)約2億9千万枚の内、28パーセントに相当する約8,200万枚が倉庫に保管されていることが判明した。
これらの布マスクは介護施設に配布される予定だったが、実際に配布されたのは、受け取りを希望した施設に対する140万枚分であり、配布予定枚数の2パーセントに過ぎなかった。98パーセントの介護施設は「アベノマスク」の受け取りを希望しなかったため、約8,200万枚ものマスクが余ったというわけである。現時点で保管中のマスクの相当額は、約115億1千万円に達する!
この余剰マスクの保管のために、2020年8月~2021年3月だけで約6億円掛かっている。つまり、毎月7,500万円の保管費用が掛かるわけである。この計算を適用すると、今年度には新たに約9億円の保管費用が掛かることになる。もちろん、その原資は税金である。この無駄な保管費用を無くすために、一刻も早く、最後まで迷惑な「アベノマスク」を廃棄すべきではないか?
コメンテーターの驚愕の発言
私は、テレビをほとんど見ないので、Twitterで話題になっていたリンクからニュース記事を読んだのだが、古市憲寿というコメンテーターがフジテレビ系「めざまし8」という番組で「次のパンデミックのために一定数備蓄しておくのは必要じゃないかなと思う」とコメントしたことを知って、大いに驚いた。
「アベノマスク」は、「サージカルマスク」に比べて、3分の1以下の粒子捕集効率しかないことが科学的に明らかにされている。また、すでに下記の記事で紹介したように、医師であり作家でもある海堂尊氏は、「アベノマスク」は「ムシノマスク」であり「ゴミノマスク」でもあるため、衛生上の観点から「アベノマスクは絶対に着用すべからず」と断言している。
これほど役に立たない「無用の長物」を、何のために「備蓄」する必要があるというのか?
そもそも、コロナ過がピークに達した昨年から今年にかけてさえ、配布された「アベノマスク」を着けている国民がほとんど存在しないことは、周知の事実である。古市氏本人は「アベノマスク」を貰って、喜んで着用しているのだろうか?
しかも、この人物はお笑い芸人だとばかり思っていたら、「社会学者」という肩書らしいから、さらに驚愕である。彼は、どのような知的根拠に基づいて「アベノマスク」の「備蓄」が必要だと発言しているのだろうか?
一方、タレントの中川翔子氏は、TBS系「ひるおび!」という番組で、「やっぱり血税なんですよね。絶対に国民の声がいつも届かないなっていうのは悲しくなります。もしこの115億円が、そしてこれからもかかるお金が困窮している世帯に配られるとか、何か違った使い方にすぐできればと思うんですけど」と語ったそうだが、こちらの方が遥かに正当なコメントである。
中川氏が言うように、「アベノマスク」から「東京オリンピック・パラリンピック」、そして給付金などのコロナ対策全般に至るまで、近年の政府の政策には「国民の声がいつも届かないな」と思わせるような愚策が多すぎるのではないか? そして、現代の日本には、その愚策を正当な根拠もなく口先で持ち上げるようなエセ知識人や芸人が多すぎるのではないか?
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