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【ワークタスク・ディメンション】プレディガーの理論を学ぶ。【キャリア理論家紹介③】
みなさん、こんにちは。
今回から「キャリア理論の提唱者を紹介するブログ」をシリーズ化していきたいと思います。
このシリーズでは、キャリア理論の発展に大きく貢献した理論家たちを紹介し、彼らの理論が現代のキャリア形成にどのように役立つかを探っていきます。
今回は、ホランドが提唱した六角形モデル(RIASEC)をより実用視したプレディガーについて紹介していきます。
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⚫︎プレディガーとは
プレディガー(D.J.Prediger)は職業心理学者であり、
前回の記事で紹介した、ホランドのをより細分化し、六角形モデル(RIASEC)をより実用化した人物でもあります。
プレディガーは、ホランドの研究を継承し、「六角形モデルの理論の基礎は、4つのワークタスク・ディメンションにある」と主張しました。
⚫︎六角形モデル(RIASEC)とは
プレディガーのワークタスク・ディメンションを紹介する前に、ホランドの六角形モデル(RIASEC)について簡単に紹介します。
六角形モデル(RIASEC)とは、パーソナリティ(性格)と職業(働く環境)の特徴を6つのタイプに分類し、その両方をマッチングさせる理論のことです。
ホランドが分類したパーソナリティと職業の6タイプは以下の通りです。
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1.現実的(Realistic):機械や物を対象とする具体的な活動への興味
2.研究的(Investigative):研究や調査のような活動への興味
3.芸術的(Artistic):音楽/美術/文学など芸術的な活動への興味
4.社会的(Social):人に接したり、奉仕する活動への興味
5.企業的(Enterprising):企画したり、組織を動かす活動への興味
6.慣習的(Conventional):定まった方式や規則に従って行う活動への興味
これらは、後ほど紹介する自己理解ツールを活用することで、あなたがどの領域に興味を持っているかを把握することができます。
⚫︎ワークタスク・ディメンションとは
続いて、本題のプレディガーの「ワークタスク・ディメンション」について紹介します。
プレディガーは、「ホランドが提唱した六角形モデル理論の基礎は、4つの分野に分けれる」と主張しました。
その結果、「モノ・ヒト」と「データ・アイデア」の 2 軸が誕生しました。
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・モノ:機械やツール、物理的なオブジェクトの操作、構築、修理、および制御に関連する活動
(例:エンジニア、整備士、電気技師、大工、農家など)
・ヒト:他者との対話、教育、支援、調整、および指導に関連する活動
(例:教師、カウンセラー、医療従事者、営業職、マネージャーなど)
・データ:情報の収集、整理、分析、評価、および管理に関連する活動
(例:経理、データアナリスト、研究者、統計学者など)
・アイディア:創造性、問題解決、新しい概念や方法の開発に関連する活動
(例:デザイナー、発明家、ライター、エンジニア、アーティストなど)
例えば、私が自己理解診断ツールを受けた時の、ホランドの六角形モデルに基づいた結果がこちらです。
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六角形モデルだけの結果を見ると「社会的な興味」つまり、「人に接したり、奉仕する活動に興味を持っているんだな」という認識はできると思いますが、それ以降の思考の深掘りが難しいかもしれません。
次に上記の六角形モデルに対して、プレディガーの「ワークタスク・ディメンション」を当てはめてみましょう。
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いかがでしょうか?
こうすると、私の場合は次のようなことがわかると思います。
・モノよりヒトへの興味が圧倒的に高い
・データよりアイデアへの興味が高い
つまり、私の場合は、ヒト×アイデアの領域に興味を持っており、その領域で働くことができれば、充実感を高めることができると考えられます。
もっと具体的にいうと、「人の教育・支援がメインで、自分の創造性や問題解決能力が発揮できる仕事」ということになるでしょう。
(例:人材開発、企業の人事、心理学研究者など)
⚫︎これらの理論に基づいた自己理解ツール
ホランドやプレディガーの理論に基づいた自己理解ツールとして有名なのが、以下の2つです。
・職業レディネス・テスト(VRT)
・職業興味検査(VPI)
このどちらかの診断テストを受ければ、ホランドによって類型化された6つの職業領域への興味を知ることができます。
ただ、プレディガーのワークタスク・ディメンションに関しては、具体的に言及されているわけではないので、自分で当てはめて検討してみてください。
以前、私が実際に上記の2つのテストを受けたときの結果をブログにまとめていますので、興味のある方はぜひご覧ください。
⚫︎まとめ
今回は、ホランドの六角形モデルをより実用化したプレディガーについて紹介しました。
プレディガーは、キャリア理論の教科書等でも、ホランドの六角形モデルのおまけとして書かれているレベルのことが多いので、あまり知られていないかもしれません。(顔写真も見つかりませんでした…)
しかし、「全ての職業は4つの分野に分けることができる」ということを提唱したのは大きな功績であり、我々の自己理解を深めるには、良いきっかけになるのではないでしょうか。
皆さんもぜひ、VPI・VRTテストなどを活用して、自分が興味を持っている領域を把握してみてください。
次回は、「年齢や発達段階に応じてキャリアの考え方も発達する」というキャリア発達理論を初めて提唱した、エリ・ギンズバーグについて紹介していきます。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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