授業開始時の黙想
授業開始時に黙想を取り入れている学校があるが(うちの学校がそうだ)その目的にまで踏み込んで指導している人は少ない。
個人的には毎時間黙想する必要はないと思っている。というのも子ども達が落ち着いて授業に臨むことができる状態であれば、必要ないからである。
黙想が効果を発揮するのは、例えば「忙しい、などの理由で落ち着きがない状態」にある時なのである。
それではその目的から書いていこう。
①頭の中をクリアにする。
②その結果として集中力が増す。
③その結果としてポジティブになり、学力が高まる。
やり方は次の通りである。肝は「呼吸」なのである。
①5秒で吸って5秒で吐く。(うまくなればもっとゆっくりとできるようになる)
②この時、いろいろなことが頭に浮かぶが、それが脳が記憶を整理している証拠である。
③時間は1分〜3分。人によって違う。
よって、私に言わせれば次のような授業開始方法は、その順番からして違う。
①黙想(20秒)
②起立
③これから授業を始めます。礼
④着席
正解はこうである。
①起立
②これから授業を始めます。礼
③着席
④黙想(1分〜3分)目が開いた人から自習
子ども達に黙想を指導するのであれば、その効用を分かりやすく語りたい。
例えば、「午後に黙想をやるのは効果的」という話はどうだろう。午前中を過ごした子ども達は、すでに様々な刺激を受けて、脳の中に情報が雑多に詰め込まれている状態である。(だから疲れている)これを午後の最初の黙想で脳の整理整頓をすることで、スッキリと午後の授業に臨むことができるんだよ、といった話である。
黙想はプロの仕事現場では常識である、という話もいい。
スポーツ選手の多くが活用しているのが、イヤホンである。試合前のストレッチの時間や、直前の集中力を高める時間に、自分に合った音楽やサウンドを聴きながら黙想するのである。(周囲の雑音を入れないという効果もある)
これを例えば、学校だと発表会の前や卒業式の前といった場面で適用できる。もちろん普段の授業、例えばテスト前に行うのも効果があるだろう。
教師がこういった話を語ることができるかどうか。これも大きな技術であると考えている。
技術のない教師、問題意識の低い教師は、今日も何も考えずに、授業開始の20秒黙想をやっている。そして多くの子どもは目を瞑っていないし、ニヤついていたりタブレットを開いていたりするのである。