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静かに話を聴ける状態にする
今週、市内の研修会があり「学級づくり」について語らせてもらった。
今回のテーマは「子ども達のつながりを深め、居場所を作る」というものだったので、主として「教師と子ども「子どもと子ども」をどのようにして繋いでいくかについて、日々の実践を踏まえて話したのである。
ところで、登壇してすぐに、学級づくりの前提条件について、語らせてもらった。
参加者の多くは、前提条件を「ほめ合う」とか、「対話を重視する」などのいわゆる子ども同士の関わり合いを想像していたようだが、私の提案があまりに予想外だったらしく、驚きの声が上がった。
スライドに映ったテキストは次のようになっている。
「□に話を□る状態にする」
もちろん□に入る言葉を考えてもらうのはお約束である。
正解は「静かに話を聴ける状態にする」
である。
教科担任制の授業が始まって、小学校の教員(主には高学年の教師)が多学級で授業をすることが日常化してきている。例えば学年に3学級あれば、3回同じ授業をすることになる。
実際にやってみると、同じ授業であるはずなのに、微妙にあるいは激しく授業の展開を変える必要に迫られる。
もちろん子どもが違ういえばそうなのだが、明らかに「授業をやりにくい」学級というのが存在する。
そして、そういった学級に共通するのが、先に書いた「静かに話を聴ける」になっていないということなのである。
たったこれだけのことが参加者にインパクトを与えたという事実は大きい。おそらく多くの学校で「話を聴くことが難しい」学級が存在し、多くの教師が「授業がやりにくい」と頭を抱えているのであろう。
この日は「静かに話を聴ける状態にする方法」について解説する時間がなかったのが残念だが、もちろんこれは教育技術で対処可能である。
これについても、今後、機会があれば書いていこうと思っている。