LOCUSTコンテンツガイド (映像3) クリストファー・ノーラン『TENET』 イトウモ
時間軸シャッフル、崩壊した夫婦生活、世界の終わり、一人の男の憂鬱。『フォロウィング』(1998)でデビュー以来、クリストファー・ノーランはほとんど同じテーマを使いまわしてきた。使いまわすというよりも、ノーラン自身が、どの作品も同じテーマになってしまう作家性としてノーラン自身のブランドを作ってきた。職人気質よりも、エゴの強い監督だったと言っていいだろう。こういう作家は、一つ満足のいくものを撮ってしまうとそれで一気に活力を失ってしまうこともしばしばだが、その満足らしき大作、構想