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批評観光誌『LOCUST』の有料マガジンです。 毎月、LOCUST編集部を中心とした執筆人が、コラム・エッセイ・マンガ・小説などを寄稿します。 豪華ゲストによる寄稿、著名人へのイ…
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2022年11月の記事一覧

喧嘩の仕方を蓮實重彥に学ぶ。批評と言語行為とメディウムにまつわる重めの夜話|LOCUST vol.06刊行記念トーク(1/2)

*新刊の購入はこちらから! *** 批評の〈語り〉が重要である 南島:今号に参加していただいた執筆陣は、一見してジャンルの決め難い文章を書く方が多かったと思います。特にわかしょ文庫さん、れみどりさんの文章は、小説でも批評でもエッセイでもなく、ジャンルとしてなんと呼べばいいのかわからない。それに美術作家の岩崎広大さんは、雑誌の中で絵本のような紙面をつくっていました。 伏見:わかしょさんご本人は自分の書くものを「作文」と呼んでいるんです。あの、エッセイとも小説とも言い難い

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LOCUST旅行記(会津・中通り編) 寺門信

 初日の旅程は全くの白紙だったため、行きの新幹線の中では郡山市についてひたすら検索をしていた。すると、どうやら郡山市田村地区には「お人形様」という巨大な鬼の人形があるらしいことを知る。念の為買っておいた『るるぶ』にも載っておらず、『LOCUST』で取り上げるのにもちょうどよさそう。土地の伝承文化となると、谷さんが興味を持ちそうだな。そういえば今回のゲストには、民俗学が専門の石橋さんがいるな。そんなことを思いながら、グループLINEに「お人形様」の話題を投げてみると、他にも関心

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LOCUST 旅行記(会津・中通り編) 河野咲子 ②7月17日(日)大内宿、会津若松

****** 制作と「オタクであること」 集合時間が早かったので少し寝坊してしまい、いそいそと支度をして、谷さん・岩崎さんと合流する。そこからレンタカーに乗って山道をぬけ、大内宿へ。この日は(車は複数台に分かれるけれども)旅行のメンバー全員で大内宿に向かい、そこで集合することになっていた。

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LOCUST 旅行記(会津・中通り編) 河野咲子 ③7月18日(月)金山村、桃園

****** 名和晃平的なぶくぶく・・・ ホテルでの朝ごはんのときに寺門さんのすがたが見えた気がしたけれど、話さなかった。 桃、もも、モモ、と1日目からずっと頭の中でこだましている。七月。福島にゆかずとも、東京のスーパーを物色しているだけで桃の季節の盛りであることがすぐわかる。スーパーでいちばん安い桃を買って、よく冷やして剥いてたべるだけでも幸福はやすやすと訪れる。旅行に出かける前の金曜日、すばらしいパティスリーでいただいたパフェにも桃のジェラートが乗っていた。 もも、

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LOCUST 旅行記(会津・中通り編) 河野咲子 ①7月16日(土)郡山、田村市

****** 桃、モモ、Momo 郡山着。ホテルに荷物を置く。「Go Go Round This World! Books&Cafe」というブックカフェに谷さん(谷美里)が向かっているというので、わたしもおなじお店にむかってみる。少し先んじて同じカフェに出向いていたらしいわかしょさん(わかしょ文庫)とすれ違いながら、カフェに到着。ブックカフェには旅の本やZINEがたくさん揃っている。谷さんと落ち合い、わたしはつめたいカフェオレをオーダーする。谷さんが注文したドライカレーを

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LOCUST旅行記(会津・中通り編) 谷美里

 初日。正午ちょうどに郡山駅に着いて、集合時間まで少し余裕があったので、わかしょさんオススメのブックカフェ「Go Go Round This World!」で、河野さんとランチをする。本当は伏見さんもいたのだけれど、2人席がひとつしか空いていなかったので、伏見さんは隣にあったハンバーガー屋にひとりで行った。申し訳ない。けど、米沢牛のハンバーガーは美味しそうだった。私の食べたキーマカレーもとても美味しかったけれど、出てくるまでに30分かかった(おかげで集合時間に少し遅れた)。

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LOCUST 旅行記(会津・中通り編) 太田充胤

****** 1日目   - 1130 東京駅からやまびこ135号に乗り込んで郡山へと向かっている。グリーン車にしておいてほんとうによかった。最寄駅から電車に乗り込んだ時点で嫌な予感はしていた。東京駅で電車を降りると、構内がスーツケースを引きずる人で溢れかえっていた。出発の数日前からCOVID-19の第7波が話題になっていて、昨日の感染者数は10万人に上ったという。判断を間違えたかもしれないという懸念が拭いきれないが、ドライバーという立場もあり引き返せないという事情もある

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ロカストリレー連載⑦ 河野咲子「旅行者たちのナラトロジー」

1. 二度目のイントロダクション この文章を書き始めたのはいまから数ヶ月も前、LOCUST vol.06の福島旅行を終えてしばらく経ったあとのことだった。 書きかけだった(といっても大した量は書かれていない)このテキストには過去のわたしによってすでに以下のように(いくぶん大仰な……)タイトルがつけられていたのだが、いまとなってはそのとき考えていたことの半分も覚えていない。 それでも、この文字列の意味することにしたがって議論をたどってみようとするのはそう悪いことではないよ

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