2023年6月8日『ごはんを食べて大きくなってけど?』
昨日何食べたっけ? 昨日? 野菜ジュースだけだね。いま断食中だからね。それくらいわかるよ。じゃあ1か月前何食べたっけ?
これかも? とは言えるけど、ほとんどの人は正確には覚えていないだろう。これが1年2年と遡れば印象に残っている日以外の食べ物は何ひとつも覚えていない。
一説には人は体験したすべてのことを覚えているそうだが、カレンダーを見ながらこの日は何食べたっけ? と、一日づつ確認していけば必ずどこかではっきりしなくなる。
これは食べ物だけではない。
日常のさまざまな出来事に当てはまることだ。形に残ったり、多くの人と記憶を共有していること以外は忘れ去ってしまう。
生まれてから今この瞬間までの出来事すべてを思い出そうと試みてみても、思い出せる記憶は1か月分にも満たないだろう。印象に残っている日だって断片的にしかその日のことを覚えていない。
ぼくたちは不確かな過去を拠り所にして日常を歩んでいる。
自分の意識できる範囲の不確かな過去しか僕たちの過去でないなら、
何を拠り所にして生きていばよいのだろうか?
しかも、記憶はイメージで脳裏に映し出すものだから、そのイメージが些細な出来事や誰かの言葉で書き換えられてしまうこともある。なんともろいものか。
さあ、今日の晩ごはん何かな? しっかり味わおう。
今この瞬間しかないのだから。
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