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【映画】破墓|韓国ホラーがこんなにおもろいなんて誰も教えてくれてないじゃない

ホラーは明るい秋の日に

今日はリフレッシュのために意味なし有給した
ホラーは明るいうちに見るに限りますね、暗い中一人暮らしの家に帰るの怖すぎるからね

破墓

タイトルだけで絶対自分の好みに合う設定だと直感した
怨霊怪奇系のホラーが大好き
この1年くらいは小野不由美とスティーブン・キングを読んでいる隙間で社会生活をしている

予告を見たのは昨日の夜
高校時代の友人に会って、最近の作家ハン・ガン氏がノーベル文学賞を受賞したタイミングでちょうど韓国小説を読んでいたとか、Netflixで見た韓国ドラマが面白いとか、ほくろ取りたいとかで韓国行きたいんだよ~という話をした帰り道

あの絶対好みの映画、もうやってるかな…?と調べたら先週公開だ!知らんけど墓を破るんだろ!と勢いでチケットを取った


※以下ネタバレを含みます

前半が純ホラー、後半がエンタメホラー、両方好きです

前半の見せ場であるお祓いのシーン、以前別の韓ドラでも祈祷の場面ではシャーマン的な方が鐘と太鼓の音に合わせて踊っていたから、韓国ではそういうものなのかも、と納得しつつ
音楽として大変引き込まれた

ドラムとお経の調子が日本で見聞きしているものと近いから?それとも宗教的な儀式はどこもだいたい似るのか?
すっと身体になじんだ
重なるイ・ドヒョンとキム・ゴウンの叫び

かねてからなんとなく思っていたけど、母国語によって言葉以外の発声も特徴がある気がする
今回のキム・ゴウンの体の奥底から湧き上がる叫び声は、身体の中心に太い筒を通して反響を鳴らしたような声だった
お経を読むときも重心が低くて聞き取りやすいような かっこいいよね


ストーリーに戻ります

富豪のお祖父さんの棺からなんか出てきたとき、キング&小野製のわたしのホラー脳では確実に「棺を暴いた人」と「その周辺にいた人(無関係な民間人を含む)(なぜなら呪いや怨念は空気に溶け込む見えないもので本人にも操作できない部分があるので)」を攻撃するんだ!と思ったけど、ぴゅーーっと飛んで自分の息子のところに行ってしまった

そうか、これが韓国ホラーなんだ!と背筋がぞくぞく
ここは東アジア、血は水より濃い

まず子孫を連れていくんだ
わざわざアメリカまで……

ソウルにいる自分の娘より先に男系子孫であるひ孫を迎えに行くあたりがより韓国を、東アジアを感じさせる


その奥から垂直方向に埋葬された絶対になんかいわくついてるでっかい棺が出たあたりから後半ですね

正直、後半で回収されきっていない部分も多くあるけど、個人的にはこれくらいの余白があれば2年くらい楽しめるのでありがたいです

500年前の鎧ということは秀吉の朝鮮出兵

史実と照らし合わせればその時日本軍がいかにひどいことをしたか、恨みをかうほどのことをしたかは明らかだし、
RRRの公開時に「これを見てイギリス人はどう思うのかしら……」と危惧したようなことだろうと推測します

(エンタメであり、フィクションなんだからある程度の嘘も誇張もあってしかるべき、という考えなので、特定の思想には加担しません)

後半のまとめ?

500年前、風水的に墓地に適さない土地に日本の将軍の鎧を埋め、近くに鬼みたいな、多分たくさん人を殺した兵士を、護衛、もしくは副葬品として埋葬する
(この辺がちょっと曖昧になっているのですが、これ埋めたのは韓国側でしたっけ?日本が朝鮮半島の腰に呪いを埋めたんだっけ?)

このあと、100年前までは多くの盗掘者がうろちょろして捕まる
その時に武器や鉄槌などの忘れ物をするが近くの寺に保管される

100年前、富豪のお祖父ちゃんが埋葬される
お祖父ちゃんは売国奴だったため、よくない土地に埋葬させられるという罰を受け、
ついでに盗掘者を追い払うために見た目上「ある官僚の墓」ということにする

そこから直系男児の跡取りとなる長男を中心に呪いが現れる

全部理不尽、久しぶりにババアに生まれて感謝

このケガレの上にケガレを重ねていくストーリー展開は非常に好みです

棺を破って生き血を求めてあっちこっち行っちゃうところも解釈一致
生き血は欲しいけど馬の血では苦しむのがわからない!勉強したい!調べるの絶対楽しいよ!ありがとう余白!
あとラストバトルも!賢くてかっこいい地官の仕事に生きるタイプのおじさんが風水のエネルギー論からのひらめきで木の棒でやっつけちゃうの反則、かっこよすぎ

確かに、”日本”の扱いは非常にセンシティブではありますが、PG12だし(破墓ではないけど、映倫はちょっと「保護者の指導」を過大評価しているような気がするが)
史実を踏まえた上で作成された作品として、大変楽しませていただきました

韓国の怨念ホラーがこんなに面白いなんて、誰も教えてくれなかった
でも自分で見つけられた
これからの人生がまた楽しくなっちゃったね、行きたいね韓国


あと、東アジアを感じたポイントがもう1点あって
エピローグにご飯をたらふく食べてます!というシーンがあったところ

ご飯を食べられない=トラブルの渦中
ご飯を食べられる=トラブルは去った

幸せになるために食事が絶対に必要だと思っている思想の近さ、ますます韓国に惹かれる……

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