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脈診

アーユルヴェーダの脈診とチベット医学の脈診の違いをご質問いただきましたので、以前(2017.11.27)書きましたが、再掲します。

アーユルヴェーダの脈診では、患者さんが男性の場合は右手の脈を、女性の場合は左手の脈を診ます。
チベット医学の脈診は両手の脈を診ますが、診る項目はアーユルヴェーダの脈診とほぼ同じです。
中医学も両手の脈を診ますが、情報量はアーユルヴェーダやチベット医学の脈診の1/100以下でしかありません。

中国:中医学
   :深部:浅部:         :深部:浅部:
左示指:心 :小腸:左上焦   右示指:肺 :大腸:右上焦
左中指:肝 :胆 :左中焦   右中指:脾 :胃 :右中焦
左薬指:腎 :膀胱:左下焦   右薬指:心包:三焦:右下焦

インド
女性は左橈骨動脈 男性は右橈骨動脈で診ます
   :深部(先天的):浅部(現時点)
示指 :ヴァータ   :ヴァータ
中指 :ピッタ    :ピッタ
薬指 :カパ     :カパ

チベット
左橈骨動脈:親指側:小指側   右橈骨動脈:親指側:小指側
示指(男):心  :小腸    示指(男):肺  :大腸
示指(女):肺  :大腸    示指(女):心  :小腸
中指   ;脾  ;胃     中指   :肝  :胆
薬指   :左腎 ;生殖器   薬指   :右腎 :膀胱

中医学にはありませんが、
アーユルヴェーダのトリドーシャとチベット医学のニュパはとても似ています。
(ここからはアーユルヴェーダの脈診の真髄を修得した人にしかわからない精妙な波動の世界です)

1)ソクツィン・ルン
意味:生命を支えるエネルギー
位置:心臓と頭頂
機能:心臓の維持、食物の嚥下、嘔吐、呼吸、くしゃみ、呼吸、感覚器の維持
悪化:精神錯乱、神経質、原因不明の悲壮感

1)プラーナ・ヴァータ
意味:生命の気息
位置:心臓、脳、顔面、胸部、耳、鼻、舌
機能:呼吸、食物の嚥下、心臓・精神・感覚器・知性の維持、動静脈と神経の機能の正常化
悪化:しゃっくり、気管支炎、喘息、感冒、嗄声、神経障害、不眠、呼吸障害
本体は脳神経叢の副交感部と考えられる

2)ゲンギュ・ルン
意味:上昇する生命エネルギー
位置:胸
機能:発言力・呼吸・痰や唾の吐出と嚥下の維持
悪化:呼吸器のうっ血や阻滞

2)ウダーナ・ヴァータ
意味:上昇する気息
位置:咽喉、臍、肺
機能:言語、発声、上行傾向、体力の維持、精神・記憶・知性の強化
悪化:眼・耳・鼻・咽頭の種々の疾患、全身の疲労感
本体は心臓神経叢の副交感部と考えられる

3)ギャプチェ・ルン
意味:全ての拡散した生命エネルギー
位置:心臓・頭頂
機能:四肢の屈伸、肉体の成長・感覚の滑らかな働きの援助
悪化:視力と記憶力の低下

3)ヴィヤーナ・ヴァータ
意味:全身に行き渡る気息
位置:心臓、神経系、皮膚、循環系を通じて全身に位置する
機能:血管などの循環系の機能調節、栄養分や血液の体内輸送、発汗、眼の開閉、欠伸
悪化:高血圧、循環障害、肝疾患、下痢、神経障害、不整脈
本体は全身の運動神経と考えられる

4)メニャム・ルン
意味:火を伴う生命エネルギー・新陳代謝の生命エネルギー
位置:胃、消化器官
機能:消化機能の維持
悪化:肝臓の弱体化、胃の障害、吐き気、便秘

4)サマーナ・ヴァータ
意味:消化の生気
位置:胃、小腸、臍、(全腸管内を動く)
機能:消化酵素の機能促進、食物の最終産物の同化作用と組織への輸送、消化、胃液・栄養分の抽出液・その他の不必要な物の刺激促進、不要物の大腸への輸送
悪化:消化不良、下痢、不完全な同化作用
本体は腹腔神経叢の副交感部と考えられる

5)トゥセル・ルン
意味:降りるエネルギー
位置:骨盤
機能:月経、出産、射精、排卵・排泄のコントロール

5)アパーナ・ヴァータ
意味:下降する気息
位置:大腸と骨盤内の臓器
機能:糞便・尿・経血の排泄、妊娠の継続
悪化:膀胱・肛門・精巣・子宮の疾患、糖尿病を含む頑固な泌尿器疾患、下痢、便秘、大腸炎、腰痛
本体は仙骨神経叢の副交感部と考えられる

6)チィーパ・ジュチェ
意味:栄養を分離することを助ける胆汁
位置:胃と腸の間
機能:消化、栄養の分離、体温の維持、残りの4つのクリスパのエネルギーのバランスを促進

6)パーチャカ・ピッタ
意味:分解作用、消化作用
位置:胃、十二指腸、小腸
機能:消化、消化後有用なものと不要なものを分離する、他の4つのピッタを助ける
悪化:消化不良、胃酸過多、潰瘍、不規則な消化
本体は腹腔神経叢の交感部と考えられる

7)チィーパ・トゥプチェ
意味:完成された胆汁
位置:胸と心臓のあたり
機能:意志のコントロール
悪化:記憶・意志の不鮮明化、多眠

7)サーダカ・ピッタ
意味:効果的に実行させる
位置:心臓
機能:記憶・その他の精神機能、意志の実行
悪化:精神疾患、心臓病、情緒不安定
本体は視床下部のカテコールアミン線維と考えられる

8)チィーパ・トンチェ
意味:視覚能力の胆汁
位置:両目
機能:視覚と明快さのコントロール
悪化:視覚障害

8)アーローチャカ・ピッタ
意味:見ること、考慮
位置:眼(瞳孔)
機能:視覚、正常な視覚機能の維持
悪化:視覚障害、眼の充血
本体は頚部交感神経幹と考えられる

9)チィーパ・ダンギュル
意味:色を制御する胆汁
位置:肝臓
機能:ヘモグロビンの産生、血液・筋肉の着色
悪化:湿疹や皮膚を黄色化

9)ランジャカ・ピッタ
意味:明るい赤色、着色
位置:赤血球、肝臓、脾臓、胃
機能:造血
悪化:貧血、黄疸、血液障害、皮膚炎

10)チィーパ・ドクセル
意味:顔色をよくする胆汁
位置:皮膚
機能:皮膚の色の制御
悪化:肌荒れ、皮膚の暗色化、毛髪の白髪化・脱毛、爪の暗色化、身体衰弱

10)ブラージャカ・ピッタ
意味:輝きを与えるもの
位置:皮膚
機能:皮膚の色調・光沢、皮膚に擦り込まれた油性物質などを吸収
悪化:白斑・皮膚疾患、皮膚癌
本体は皮膚交感神経と考えられる

11)ベーケン・テンチェ
意味:補助の粘液
位置:胸のまわりと腹部
機能:体液の統括、残りの4つのバドケンのエネルギーの補助
悪化:食欲不振・食欲欠如、胃液のたびたびの嘔吐、身体の上部の痛み、胸部の骨の熱感

11)アヴァランパカ・カパ
意味:支持するもの
位置:心臓、胸部、腰部
機能:四肢のエネルギー、高温から心臓を護る、心臓に力を与える、他の4つのカパを助ける
悪化:怠惰、呼吸障害、腰痛

12)ベーケン・ニャクチェ
意味:混合の粘液
位置:胃の上部
機能:消化
悪化:消化不良、頻繁な曖気を伴う腹部の逼迫、食後すぐの嘔吐

12)クレーダカ・カパ
意味:潤すもの
位置:胃(泡だった液体として胃に分泌される)
機能:食物を潤し消化を助ける
悪化:消化機能の障害

13)ベーケン・ニヨンチェ
意味:体験の粘液
位置:舌
機能:6つの味のコントロール
悪化:味の分別不可能、渇きの欠如、舌の冷感、嗄声、上唇と下唇の反り返り

13)ボーダカ・カパ
意味:味覚を助けるもの
位置:舌
機能:味の知覚、舌に触れるものを潤す、好きな食物を見ればこのカパが大量に出る
悪化:味覚障害、唾液腺の障害

14)ベーケン・ツィンチェ
意味:満足させる粘液
位置:頭
機能:五感を満足させること
悪化:視覚の歪み、たびたびのくしゃみ、偏頭痛、たびたびのインフルエンザ

14)タルパカ・カパ
意味:満足させるもの
位置:頭部
機能:感覚器の栄養、感覚器を満足させる、鎮静効果
悪化:記憶の障害、感覚器の機能障害、鼻閉症、花粉症

15)ベーケン・チョルチェ
意味:結合の粘液
位置:関節
機能:身体の関節の屈伸、循環
悪化:手足の屈伸困難、関節の肥厚、肩と腰の関節の締まりのなさ、痛み、全関節の腫脹

15)シュレーシャカ・カパ
意味:結合するもの
位置:関節
機能:関節の潤化、関節を強固にする、粘液で関節を熱から護る、運動の円滑化
悪化:関節痛、関節の機能障害

上記のサブドーシャ15項目をアーユルヴェーダの脈診の場合は片手三本の指先で、
チベット医学の脈診の場合は両手の計6本の指先で診ます。

もうこの段階で神業でしょう!

もちろんこの15項目は暗記しますが、左脳では脈診は出来ません。

「脈を無邪気に診る」のがアーユルヴェーダ脈診の極意です。

つまり、左脳での分析を止めて、意識を無にして患者さんの脈を診るのです。

強い弱い、早い遅い、固い緩い、太い細い、滑らか渋い枯れ、ヴァータ・ピッタ・カパ・・・すべての分析を止めます。

ただ無邪気に脈に触れていると、脈がしゃべり出してくれます。その脈の声を聞くのです。

脈の声を聞いてから、声が聞こえてきた方向に意識を向けて、声の内容(例えば下痢)がサマーナ・ヴァータと相似しているかをチェックして、OKならばサマーナ・ヴァータの異常ととらえます。

つまり、左脳だけ、知識だけでは、アーユルヴェーダの脈診もチベット医学の脈診も全くできないのです。

右脳優位の人なら脈の声を聞くことはできるかもしれませんが、それが本当に脈の声なのか、患者さんに憑いた邪気や霊障の声なのか、自分自身のエゴの声なのかのを区別することがとても難しいのです。

左脳と右脳がエネルギー&波動的に統合した「統合脳」を持った方がとても増えています。

この統合脳を持った方なら、アーユルヴェーダ脈診やチベット医学の脈診を行なうことができます。

脈は感性で診るものです。脈を感じます。

これは脳氣功にも華佗氣功にも当てはまります。

脳を感性で診る。身体を感性で感じる。

波動量子医学ですから、「診た」と同時に波動調整が起こります。

免疫力&自然治癒力&蘇生力のスイッチが入ります。

アーユルヴェーダでは主に脈診で診断しますが、実は脈を診ると同時に波動量子治療が行われていて、後に処方される薬草やマッサージなどはオマケみたいなものです。

これはチベット医学にも言えることで、ダライラマ法王は週に何回かの早朝、侍医たちに脈を診てもらいますが、この脈診の際、波動医学的な治療が未病に対して行われているわけです。


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