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答えの検索というより、探索の入り口を見出す本にしたいので
スイーツとともに取材の予行演習をする
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本づくりの取材では「思いと人となり」「ビジネス」の2視点から行うのですが、果たしてうまくいくのだろうかと思い、ライターの谷部さんに予行演習に付き合っていただきました。
茨城県の頼れるライター谷部さん。県内で取材記事お願いするならまずこの人でしょ!という方です。
私のことを師匠と呼んでくれますが(そして私は「弟子は取らん!」と返します)、個人的には戦友のような感じです。
自分が考えた取材方法がそもそもうまくいくのか、変えるとしたらどうしたらいいか、などを確認したいし、相手からのフィードバックも欲しい。
フィードバックは、感想的なものより「多分こうしたほうがインタビュー進めやすいかも」という、改善につながるものが欲しい。こういうのは、現場経験がものを言うような気がしています。
そこで、執筆だけでなく、編集に片足突っこみながらも取材のことを一緒に考えられる谷部さんにお願いさせていただきました。
ココスに集合し、パフェやプリンアラモードを食べながらあれこれ打ち合わせました。
人生を振り返るのは難しい
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今回、「人となりと思い」に関するパートでは、「この人は、どのような道をたどり今の仕事と生き方にたどり着いたのか」を伺います。
そのためには、人生のタイムラインを辿っていく必要があります。
直接ビジネスにまつわる内容であれば、いつも通りのインタビューで意外と伺えるはず。
一方、その人が歩んできた道の話になると、意外と時間もかかる…というのが経験則として分かっていました。
話しながら思い出すことっていっぱいありますよね!
聴き手も話し手も整理しながら進めなくてはいけないし、深掘りポイントもテーマからズレないように意識しなければいけないし、色々とじっくり話した結果「そういえば、これがあった!」と思い出し最初に戻ることもある。
なので、とりあえず試しに、持ち歩き出来るホワイトボード「ヌーボード」でタイムラインを整理しつつ谷部さんにインタビューしつつ予行演習。
(事情を分かっているとはいえ、人生の一部を話してくれた谷部さんに感謝です)
nu board(ヌーボード)はいいぞ!
たくさん書けるA3バージョンも買おうかなと検討中。
答えは載っていない本
ちなみに、なんで人生や人となりなんか振り返るんだ、という話ですが、今回の本を「困ったときに分かりやすい指示が載っている回答リスト」ではなく「ストーリーの中で思考のきっかけを見出す本」にしたいからです。
小説を読んでいるとき、べつに探していたわけではないけど、印象に残るセリフや、振る舞いや、シーンがあって、そこから自分のことを省みるような感じと言うか。
大なり小なり自分の事業をやるって、職業というより生き方みたいなものだと思います。
ビジネスのこうしなさい!を自分ごときが書けるわけが無いし、VUCAの時代(Volatility:変動性、Uncertainty:不確実性、Complexity:複雑性、Ambiguity:曖昧性)と言われる昨今、生き方に関する答えってわからないですよね!
一緒に取材を盛り上げようマインド
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インタビュー予行演習では、谷部さんに学生時代ごろから今に近づく形で伺いました。
が、やっぱりすごく時間がかかる。いやっ、私の掘り下げ方と整理のしかたも問題があるのですが…
「逆に、今から遡る感じもいいかもね」「でもちょっとやりづらいかもね」みたいなことを話したり悩んだりする中、行きついたのが「事前に書いてもらおう」というアイディア。
要するに、取材をお願いする相手に、仕事・私生活・気持ちごとに、今まで起こった出来事を事前に書いておいてもらい、お互いにどこら辺を、どの流れを質問していけば話しやすいかをあらかじめ可視化する作戦です。
ここでまたハッとする。
今まで、取材のときは事前質問は出していましたが、相手に事前に記入してもらう、というパターンはとても少なかったです。
何でかというと、「相手に負担を強いるからよくない」という空気が、自分含め関係各所の中にあったから…(思い込みだったかもしれない)
確かに必要のない苦労を相手に強いるのは良くない。よくないのですが、取材そのものが、「する人、される人双方が自分事として取り組めること」であったら、より良いアウトプットを作り出すために、理解をより深くするステップを踏むのは必要なのかも…
と気づきました。(こういう取材をしようと思うと、取材以前の企画を考える立場いならないと、なかなかできそうにないかも)
そんなことを、谷部さんと取材のあるあるを話しながらも考えていたわけですが…
取材趣意書に「タイムライン」を追加
ということで、各所にお送りする「取材趣意書」に今の仕事に行きつくまでのタイムライン記入欄を追加しました(記入例として、私の人生も書いてあります)。
どうか、私にとっても、インタビュイーにとっても、いい取材になりますように。