誰でもできるプログラムを作る。
SDGsの勉強会などを行なっていると、自分のところでも教えて欲しい、話して欲しいと言った相談がやってくるようになった。
もともと、人に分かりやすく伝えることは苦手ではないので自分の知識や考えで役に立てるのであればと積極的に受けるようにした。
最初はネガティブなイメージを持っていたSDGsだったが、アリバイと思ってからは、どうにか活用して社会の変化、変革につなげるかことが関心のテーマだった。ゼロイチの構想をこの頃から模索はしていた。
相談内容は地元の信用金庫での経営者向け勉強会の相談だったり、ロータリーでの講話だったり。他に、学校や地域での集まりだったりと少ないながらも対象に広がりを見せた。
そして、次第に増えていった相談が学校現場での依頼だった。学校現場では、小中学校の新指導要領にSDGsにつながる”持続可能な社会を担える人材育成”が新たに加わるため、先生たちも有用な情報を求めていた。
そのニーズに、環境学習で小学校や中学校で出前講座をしていて実績もある団体の人がSDGsを分かりやすく話してくれるらしいとなれば、自然とマッチする部分もあったのだろうと思う。
さらにNPO法人の活動を通して学校の先生との繋がりもあったので、噂を聞きつけた先生から直接、SDGsのことを踏まえた学校カリキュラムの相談などが来るようにもなった。
であれば、小中学校で使えるSDGsと環境に絡めた出前授業プログラムを作ろうと思い、仕事の合間にその妄想を繰り返した。すでに自分が行う小学校での環境教育プログラムには、まとめとしてSDGsを紐づけていたので、その手応えがあった部分を誰でもできるSDGsプログラムにしようと考えていた。
ちなみに、ゼロイチの展開を少しでも早くするには、”誰でもできる”がポイントで、”あの人だからできる”はできるだけ減らした方がいい。手応えを分散させる意味でも。
と言うわけで、新たに作り、展開するSDGsプログラムもそのことを重視していたわけで、この”誰でもできるプログラム”にもってこいなのが、先に書いている金沢工業大学のSDGsカードゲーム「X」だった。
なんと言っても、楽しい、分かりやすい、みんなで出来る、そして他の有名なSDGsカードゲームと違い、無料で開催できる! こんな良い材料をプログラムに使わない手はなかった。
ところが、実はこのカードゲーム「X」、人がしているのは見たことがあったが、自分がするにはちゃんとその背景も狙いも知らなかった。そこで、直接、作成元に聞こうと思い立ち、金沢工業大学に直接メールと電話で連絡をした。
自分でも暑苦しくメール本文に思いとこれまでの経緯を書き、返信を待ち、待ちきれなくて電話もした(笑)。すると、なんと年明け2020年1月にこのカードゲーム「X」の認定ファシリテーター講座を開催するので参加しませんかとのお誘いが。時は2019年11月くらいだったと思うが、これ幸いとすぐに申し込みを行い、年明けの参加を待つことになった。
ここまで、2019年5月〜2019年12月までの半年の動き。本当に少しずつだけど、後にゼロイチの構想に至る小さなタネが手に入ろうとしていた。
2019年5月、SDGsカードゲーム「X」を知り可能性に心踊る→→2019年8月、300人規模の環境教育イベントでSDGs活動を取り上げ、その中でカードゲーム「X」も紹介する→2019年9月〜10月SDGsに関する勉強会を自身でも開催→少しずつ周囲に知っている人を増やす→その間に開発元に連絡をする→2019年11月カードゲーム「X」の認定ファシリテーション講座の存在を知り、すぐに申し込む
そんな折に、子どもが通う地元の小学校からSDGsの授業をしてもらえないかと急な連絡があった。連絡をしてきた相手は、私のことも知っている方で、6年生の子どもたちが卒業する前に、これまで学んで来たことをまとめる話を聞かせたい、それをESDやSDGsの視点で話してくれないか、と言うものだった。期間は2週間程度しかなかったが、ちょうどSDGsのカードゲーム「X」を用いたプログラムをつくるべきだと思っていたので快く受けて、地球温暖化のことをふりかえりつつ、その解決方法としてSDGsの概念とイノベーションについて学び、練習するプログラムを新たに作った。
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