LOCAL CAREER SHIFT-1stシーズン- 第2回「循環畑での学びを人・組織・暮らしに繋げる」を開催しました!
2021年5月21日(金)、LOCAL CAREER SHIFT-1stシーズン- 第2回「循環畑での学びを人・組織・暮らしに繋げる」がオンラインで開催されました。
トークセッションのゲストは、循環畑実践観察家の吉原優子さん。会社員、靴職人、そして「循環畑」という耳慣れないフィールドで活躍する、ユニークなキャリアを歩んできた軌跡や現在の活動、活動のきっかけや大切にしている価値観など、吉原さんの経験と視点を伺いました。インタビュー後には対話の場を用意し、参加者同士で意見や感想を共有。各自のキャリア観を深めてもらいました。そのときの様子をお届けします!
<こんな方におすすめ>
・将来の進路選択に悩んでいる学生
・キャリアチェンジや将来のあり方を模索している社会人
こんにちは!運営メンバーでフリーランスのライターのマルヤマです。私自身、吉原さんと全く面識がなく「どんな方なのだろう?」と謎状態でスタートした今回のLCSでしたが、お話やトークセッションが進むうちに、湧き上がってきて止まらなくなった思いが
「吉原さんに出会えてよかった!」「吉原さん大好き!!」です(笑)。
2時間で26人を興奮させ、虜にした吉原さんのLCS、一体どんな内容だったか、始まり始まりっ!
1.ゲストプレゼンから今の活動を知る
ゲストプレゼンは、「皆さん、ワクワク様です!」という吉原さんの挨拶から始まり、ご自身の3つの取り組み「循環畑」「循環経営」「循環コモンズ村」の紹介をしていただきました。
■吉原優子さんプロフィール
循環畑実践観察家。自然の恵みが循環する畑「循環畑」を実践研究中。京都大学法学部卒業。2006年関西電力入社。長期成長戦略策定に携わる。2011年オーダー靴の靴職人として修業を開始し、2013年に「ユメノハキゴコチ」を開業。「オシャレ×履き心地が良い」ハイヒールを進化させ続ける。靴づくりで土に還らないゴミが出ていくのを目の当たりにし、自然の循環とは何かを考え始めた時、自然農法・無肥料栽培に出会う。
2017年Natural Organizations Lab株式会社設立。「野菜の庭部」にて、循環畑に関するレポートを発信中。『循環畑と実務でつかむティール組織(仮)』を今秋出版予定(吉原史郎と共著)
Natural Organizations Lab
https://www.nol.co.jp/
「循環畑」は自然の命の循環を大切にした畑作りで、なんと肥料も水やりもせず、雨水のみで野菜を育てるとのこと…
え?雨水だけ??
※赤文字は解説用に加筆しました
「あぜ道の雑草って、ほったらかしなのにとっても元気ですよね」
「上に水があれば根っこは下に伸びないわけです」
…なるほど!!目から鱗の納得の連続に、「すごい!」「賢い!」とチャットが大盛り上がり。
実際に見せてくださった元気な野菜の生育具合は何よりも説得力がありました。
他にも、いろんな植物が生えているのは、いろんな人が集まっている組織と似ているといった見方や、土にも個性や若さとかがあって生きているのではないか、土の声に耳を傾けることが大事という考え方など、人と土との共通項に、自然への認識がぐるんぐるん変わるフレーズの連続!
現在全国25箇所にこの循環畑の取り組みは展開されており、ギリシャや上海といった海外にも広がっていっているそうです。
「循環経営」のストーリーもまた、自然と人・組織とが重なり合う概念で、
企業で畑を作りそのあとメンバーで話すことで、仕事の顔から人の顔になる。体験と気持ちを共有することで、農作業による体の循環から心の循環、そして頭の循環(アイディア出しとか)につながっていくという、吉原さんならではの視点が続々と。
「多様な植物が植わっていることは、いろんな人がいて成立する組織と似ていると思いませんか?」
さらに現在は「循環コモンズ村」として岡山で竹林を開拓して、循環を生かす暮らし方のモデルスペースを作っているとのこと。
吉原さんの活動は、詳しくは「野菜の庭部」にて、循環畑に関するレポートを発信中。『循環畑と実務でつかむティール組織(仮)』を今秋出版予定なので、ぜひそちらをチェックしてみてください。
2.ライフヒストリーチャート&トークセッションで過去現在未来を見渡す
吉原さんの活動を伺ったところで、プログラムは主催者である山本一輝がゲストの半生を掘り下げるトークセッションへ。
自分の心が向かう方向へ、生き生きとライフスタイルを語る吉原さんの様子を見ていて、やっぱり私が思ったのは「できる人」だからできるんじゃないかと。冷静になると、チャーミングかつ物凄い引力を感じる吉原さんを、「自分とは違う」と思う自分がいました。
ところがライフヒストリーチャートは結構波が激しい…!!
無敵感満々の子供が一転、学校での挫折や「この田舎絶対抜け出してやる!」、「競争っていつまで続くんだろう?」…共感ポイントがたくさんあり、吉原さんも完璧な道を歩んできたわけではないことがひしひし。
「会社でやりたいことが全くなかった」と、会社員をやめた吉原さんが選んだのは、なんと靴職人。「自分の手で形を作りたかった。靴作りには塗る・切る・縫う、全部が入っているんです」という説明に、またチャットが納得の嵐(笑)。
しかしその後、吉原さんは靴を作った後に出るゴミを見て違和感を感じ、さらにご家族の病気や不幸も重なり、さらなるキャリアチェンジを模索します。
今回のLCSで一番心に響いたのが、吉原さんとご主人・史郎さんとの関係性でした。生き方に違和感を感じた吉原さんに「このまま死んで後悔しない?」「なんかやりたいことあるやろ」と声をかけ、寄り添い背中を押してくれたそうです。
「史郎君との出会いが人生で一番ラッキーなこと」と言い切る吉原さん、最高です(独身の心の叫び・笑)!
やりたいものを見つけていない人にアドバイスは?という山本からの質問には「気になることをやりまくったらいい。やったらやりたいか嫌かがわかる」とのアンサー。吉原さん自身「今後はどう生きていきたい」ということはなく、起きたことに耳を傾けていきたいとのこと。まさに循環する畑や社会との向き合い方と重なるような答えでした。
3.対話を通じ、キャリアについて主体的に考える
グループに分かれるブレイクアウトルームもそれぞれ盛り上がり、その後の質問コーナーでは、「違和感は意識して気づくようにしているのですか?」という問いが出ました。
吉原さんは「気持ち悪い感じが残るのが嫌で、自分自身の心の循環ワークをやっています、日々を振りかえり、記録すると、自分が嬉しかったことや大事にしたいことがわかってくるから、違和感に気づきやすくなりますよ」とのこと。
参加者からは、「学ぶって遊ぶに近い」「吉原さんみたいな大人になりたい!」など、開始時よりも圧倒的にみんな顔がワクワクに満ちた表情だったのが印象的でした。
職業というものへの向き合い方はもちろんのこと、ライフスタイル、心の動きとの向き合い方、興味深い農法など、様々な切り口からの学びが多かった、第2回LCS。このご縁も“循環”していきますように。
オリジナリティあふれるゲストに刺激を受けつつ、次回は一体どんな学びが待っているのか、是非、ご期待ください。
第3回ゲストは、「田舎の価値を創造する地域商社という仕事」古林拓也さんをお招きします!
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